生産終了が決まったホンダ「S660」 ストイックなオープンカーでゴルフは行ける? | e!Golf(イーゴルフ)|総合ゴルフ情報サイト

生産終了が決まったホンダ「S660」 ストイックなオープンカーでゴルフは行ける?

数少ないミッドシップの軽スポーツカーとして根強い人気を誇るホンダ「S660」。軽快なハンドリングが魅力の1台ですが、果たしてこのクルマでゴルフに行くことは可能なのでしょうか?

S660の収納にはゴルフシューズぐらいしか入らない

 多くユーザーの生活の足を支えている軽自動車と言えば、使い勝手のよい箱型のボディーが一般的ですが、実は2シーターのスポーツカーもわずかに存在します。

軽のオープン2シーターを代表するホンダ「S660」。実際にキャディバッグを積んでみた!

 その代表格と呼べるのがホンダ「S660」です。2015年に登場したS660は、国産車としては珍しいミッドシップレイアウト、つまりエンジンを運転席の後ろにあたる車体中央部に置くという、スーパーカーと同等の構造とスタイリングを持っています。

 一方で、エンジンは軽自動車規格の660ccのものであり、最高出力もほかの軽自動車と変わらない64馬力となっています。

 それでも、2シーターオープンスポーツカーとして、その名に恥じない軽快なハンドリングを楽しめることで、多くのファンに愛されてきた1台です。

 2022年3月をもって生産終了となることがアナウンスされていますが、あまりの人気ぶりに、予定されていた生産台数を追加して販売することが発表されています。

 そんなS660ですが、このクルマでゴルフに行くことは可能なのでしょうか?

 クルマでゴルフに行く場合、当然のことながらキャディバッグを積載できるかどうかという点がポイントとなります。

 しかし、S660の場合、一般的なクルマの荷室にあたる車両後部にはエンジンが置かれているため、荷室スペースはフロントのボンネットの下に申し訳程度のスペースがあるのみです。

 ただ、ボンネット下の荷室もほとんど収納力はありません。せいぜいゴルフシューズを入れておく程度しかありません。

 そもそもこのボンネット下の荷室は、S660のルーフを取り外してオープンカーして走る際に、そのルーフを丸めて収納するためのスペースです。したがって、一般的な意味での荷室は、S660には存在しないといえます。

 そうなると、キャディバッグは荷室ではなく助手席のスペースに工夫して積むしかありません。そのため、S660に乗って家族や友人と2人でゴルフに行くということは、この時点であきらめざるを得ません。

助手席にキャディバッグは乗るが注意が必要

 また、ゴルフバッグを積む際も一筋縄ではいきません。

かなりギリギリだが、一人ゴルフなら大丈夫。ゴルフ場ではかなり目立ちそう

 S660はスーパーカーのような低重心のルックスが魅力ということもあり、全高は1180ミリと子どもの身長程度しかありません。室内高に関しては1020ミリしかないため、130センチ程度が一般的なキャディバッグを起こして積むことは物理的に不可能です。

 ルーフを外してオープントップにすることも可能ですが、その状態で助手席の上に乗せるとキャディバッグはかなりはみだすことになってしまいます。

 そのような状態で公道を走行すると、安全運転義務違反に該当し、道路交通法違反で検挙される可能性があるため、絶対にやめましょう。

 しかし、キャディバッグを可能な限り寝かせて、助手席スペースを最大限活用することで積載すること自体は可能です。当然ルーフも装着した状態で走れるので、雨の日でも問題ありません。

 ただ、キャディバッグやゴルフクラブの形状によっては積み込みが非常に困難であったり、無理な力が加わってしまってクラブやクルマが損傷する危険もあるので注意が必要です。

 加えて、助手席側のミラーやバックミラー、左後方部への目視などがじゅうぶんに行えるかどうかもしっかりと確認しなければなりません。

 安全運転に必要な情報が得られない状態で走行していた場合、やはり安全運転義務違反に該当してしまう可能性があります。

 このように、いくつかの注意点はありますが、S660でゴルフに行くことは必ずしも不可能ではないようです。しっかりと安全を確保することさえできれば、S660でのゴルフは非常に爽快で最高の体験になることは間違いありません。

※ ※ ※

 S660は、当時弱冠26歳の社員が開発リーダーを務め、ベテラン勢のバックアップのもと、20〜30代の若手メンバーが中心となって企画・開発されたクルマです。一説によると、彼ら自身が通勤で使いたいクルマをイメージしたとも言われています。

 決して万能なクルマではありませんが、ゴルフをもっと楽しくするクルマのひとつとして、検討してみるのはアリかもしれません。

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実際にキャディバッグをホンダ「S660」に積んでみた
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ホンダ「S660」Modulo X
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