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- 最強ネリーに2連勝! “韓国の天才”のスイングは何が凄い? 安定感の秘訣はヒザにあり
キム・ヒョージュは今季2連勝し、ポイントランキングで2位につけています。近年、安定感を高めてきている理由としてあげられる、スイングの変化について解説します。
高校生で「サントリーレディス」に勝ってから活躍し続ける
米ツアーでキム・ヒョージュが強さを発揮しています。3月の「フォーティネット・ファウンダーズカップ」と「フォード選手権」を連勝。2勝ともネリー・コルダに競り勝ってのものでした。これで米ツアー通算9勝となりました。
キム・ヒョージュはアマチュア時代から世界を舞台に活躍してきています。2011年には世界ジュニアゴルフ選手権で優勝。翌12年には日本ツアー「サントリーレディスオープン」で最終日に61を叩き出し、16歳でアマチュア優勝を達成しました。同年にプロ転向し、14年にはメジャー「エビアン選手権」を19歳で制しています。

ポイントランキングは、米ツアールーキーイヤーの15年シーズンが15位で、その後も安定した成績を残していますが、近年はその安定感がさらに高まっています。22年が12位、23年が4位、24年は59位と大きく落としたものの、25年には7位と盛り返して迎えた今季は5月4日現在で2位となっています。
東京五輪とパリ五輪で韓国代表入りしたことも、長い期間、安定して活躍していることを示していますが、それが実現できている理由の一つにスイング改造の成功が挙げられます。
目に留まるのが「ヒザの動き」。2012年のサントリーレディス出場時と現在のスイングを比べると、ヒザの動きが小さくなっていることが分かります。
デビュー当時に比べヒザの動きがかなり静か

12年のサントリーレディス出場時のスイングを見ると、ヒザの動きが少し大きいことが分かります。バックスイングでは左ヒザが右方向に動き、ダウンスイングからは右ヒザが左方向に動いていました。
しかし、現在は両ヒザの動きが小さくなっています。バックスイングでは左ヒザが、ダウンスイングでは右ヒザがあまり動きません。もともとバランスが良かったスイングが、より落ち着いた印象を与えるものになっています。
これは飛距離を出すこと以上に、方向の安定性を確保することを重要視した結果によるものではないでしょうか。若い年代では、脚を自由に動かして成績を残せても、長い競技人生を考えた時にそれでは厳しくなるだろうと考えたのかもしれません。
基本的に手足の動きが大きいほど一発の飛距離は出しやすくなります。しかし、再現性という面で難しい部分が出てくるため、スコアを作るために手足の動きを適度に抑えようとすることは有効です。
スタッツを見ると、パーオンホールの平均パット数と1ラウンドあたりの平均パット数のどちらも高水準を維持しています。米ツアールーキーイヤーの15年シーズンは両方とも3位。19年は両方とも1位になりました。そして今季(5月4日現在)はパーオンホールの平均パット数が1.68で1位です。
このようにパットが毎年の安定した成績を支えていることがうかがえますが、ショットのスタッツも決して悪くなく、パーオン率は22年33位、23年10位、調子を落とした24年は113位、25年が53位となっています。
今季(同前)のパーオン率は70.67で29位。SGティー・トゥ・グリーン(グリーンに乗せるまでのショットのスコア貢献度)は4位となっており、ショットの状態も良いことが分かります。24年は低調に終わりましたが、去年から今年にかけて復調し、良い感覚でスイングできているのではないでしょうか。
もともと高いパットの安定感。そして、ショットの進化。引き続き、米ツアーで存在感を発揮していきそうです。
現在、コルダ、ティティクルに次ぐ存在に
日本ツアーや米ツアーで活躍してきた韓国選手は皆、しなやかなスイングをしていますが、キム・ヒョージュはその中でも秀でたスイングバランスの持ち主です。
今季(同前)のポイントランキングは2位。1位がネリー・コルダで3位がハンナ・グリーン、4位がジーノ・ティティクルです。今の勢いなら、24年の年間女王コルダ、25年の年間女王ティティクルとシーズンを通して伍していきそうです。
世界ランキングは5月4日付けでコルダ、ティティクルに次ぐ3位。韓国勢の最上位で、2年後のロス五輪でも代表入りする可能性は十分です。さらにスイングに磨きをかけ、安定感が高いショットを見せてくれるのではないでしょうか。
解説:野洲明
ゴルフ活動家/各種スポーツメディアに寄稿、ゴルフ情報サイトも運営する。多くのゴルファーを見てきた経験や科学的根拠をもとに、論理的なハウツー系記事などを中心に執筆。ゴルフリテラシーを高める情報を発信している。
キム・ヒョージュ
1995年生まれ、韓国出身。アマチュアとして出場した2012年の「サントリーレディス」で優勝しプロ転向。14年にはメジャーの「エビアン選手権」を制覇。東京五輪、パリ五輪に韓国代表として出場した。米女子ツアー通算9勝。
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