自分からは言い出しづらい!雨ゴルフで「カドを立てないキャンセル提案」の想定問答 | e!Golf(イーゴルフ)|総合ゴルフ情報サイト

自分からは言い出しづらい!雨ゴルフで「カドを立てないキャンセル提案」の想定問答

何週間も前から楽しみにしていたラウンドの日、週間天気予報が出てみると、あいにくの雨。近づくにつれ確度も高まり、キャンセルしたいんだけど言い出せない。そんな経験ありますよね。

一方的なのもよくないが、くどくどした言い訳もNG

 楽しみにしているゴルフ当日の天気予報が、結構な雨。一気にやる気モードが失せてしまいますよね。

 自分は無理をしてゴルフをしたくないけれど、同伴者のなかに「雨が降ろうが槍が降ろうがコースに出たい」タイプの人や会社の得意先の人がいたりして、キャンセルを言い出しづらいこともあります。

多少の雨なら頑張ろうという気にもなりますが…… 写真:AC

 そんなときカドを立てずキャンセルを進言するには「言い方が大切です」というのは、人材教育会社の(株)エミー代表取締役の渡辺満枝さんです。渡辺さんは、各種企業の社員研修や講演会、プロゴルファーへの接客指導などを行なっているマナーの達人です。

「お誘いされた側からキャンセルを言い出す場合のポイントは3つあります。申し訳なさそうな言い方をすること、婉曲表現を使ってYes、Noを相手に委ねること、お断りの理由をくどくど言わないことです。『キャンセルします』などと言い切ったり、『もっと上手なら行きたいのですが、私のレベルだと雨の日はボールが飛ばないし、寄らないし、汚れるし、体も冷えるし、皆さんに迷惑をかけることにもなるので、キャンセルさせてください』などと言い訳がましい理由を並べ立たりしないように気をつけましょう」

3つのポイントを踏まえた想定問答にしてみると

 3つのポイントを押さえ、相手に失礼のないような言い方をすると、次のようなやり取りが想定されます。キャンセルする人はAです。

A「週末は雨予報のようですが、ゴルフは予定通りいらっしゃいますか?」(A-1)

B「その予定です」(B-1)

A「申し訳ないのですが、以前、雨の日のプレーで体調を崩したことがあるので、キャンセルさせていただいてもよろしいですか?」(A-2)

B「若いんだから大丈夫でしょう?」(B-2)

A「週明けに年度始めの会議がありまして、風邪をひいて休むわけにいかないものですから……」(A-3)

B「そうですか。では、プレー人数の変更は私がしておきます」(B-3)

A「お手数をおかけいたします。またお誘いください」(A-4)

 もし、Bさんもできれば雨ゴルフを避けたいという人ならば、A-1からB-1の会話の段階で「じゃあ、また今度にしましょうか」となったかもしれません。結果的に、BさんはAさん個人のキャンセルは受け入れたものの組全体をキャンセルすることはせず、ある程度の雨ならゴルフに行きたい人なのだと判明しました。

 ここで最も大切なポイントはA2の言い方です。申し訳なさそうに、言い切らず、くどくど言い訳をしないことによって、相手は引き止めたくても諦めざるを得ません。B2、A3は、相手との関係性やタイミングによって、交わされないことも繰り返されることもあるかもしれません。体調面の心配を短く申し訳なさそうに言うことで、相手にキャンセルを受け入れる流れができていきます。

 白々しい嘘や言い訳と捉えられにくく、誰かのせいにすることもなく、深く突っ込まれにくいので、体調の不安や不調は、当たり障りのない理由の一つと言えそうですね。

「お誘いした人がキャンセルする場合も言い方のポイントは同じです。ただ、その人がメンバーになっているゴルフ場に予約を入れてあり、そのコースがメンバー同伴でないと他の人がプレーできない場合は要注意です。雨でもコースまで行って(電話でよい場合もあります)自分はプレーできないことをフロントに伝え、お誘いした人に挨拶しましょう。メンバーとしての自覚をもつことと3つのポイントを心がけることが大切です」

「雨ならキャンセルするかも」と事前に断りを

 とはいえ、本来ゴルフの約束を直前になってキャンセルするのは好ましいことではありません。相手の立場になると、2~3日前や前日になって楽しみにしていたゴルフをキャンセルすると言われたら、ガッカリしますよね。「大事な用事を調整して時間を作ったのに予定を乱された」とイラ立つ人もいるかもしれません。

 渡辺さんによると、そういうことのないよう相手を気遣い、なおかつ自分も無理をしなくてすむように、事前にお断りをしておくといいそうです。

「ゴルフの約束をした時に一言お断りを付け加えておくことで、もし雨予報が出た場合でも相手は心の準備をすることができますし、自分もキャンセルを言い出しやすくなります」

 どういう言い方をするかというと、お誘いをする側が雨の日にはプレーしない人なら「お誘いしておいて申し訳ないのですが、雨の場合は私はキャンセルする予定ですが、皆様が雨でもプレーなさるときは、ゴルフ場にそのように連絡しておきます。それでよろしいですか?」。

 一方、お誘いをされた側なら「以前、雨の日にゴルフをして体調を崩したことがあるので、雨の場合はキャンセルしてもいいですか? 必ず数日前にはご連絡しますので」

 他にお断りの理由として「持病があるので」「腰痛が出やすいので」「高齢なので」「悪天候の時はプレーしないんです」など、お誘いを受けた時にお断りしておくことが大切です。事前にお断りをするのを忘れてしまった場合は、冒頭に挙げた言い方の例を参考にしましょう。

グループLINE等で直前の確認ができる体制を

 また、初めてご一緒する人や仕事関係の人など、それほど親しくない人と回る時は、事前にお断りをする機会や方法がないかもしれません。

「予約を取った人があらかじめ同伴者をメールやグループLINEでつないでおくと、お断りや急な連絡を取りたい時もスムーズですよね。最も便利なのは、2~3日前に飛行機の予約でいうコンファーム(予約確認)ができることです。予約を取った人が『○日は、○時スタートですね。皆様お気をつけていらしてください』と同伴者全員に日時の確認をするだけでなく、お誘いされた人が『雨予報なのでキャンセルさせてもらおうかな』というときコンファームすることもできるからです。この場合も3つのポイントを忘れないことです」

 電話でもLINEでも、あくまでも言い方が大切なのですね。ポイントさえ押さえておけば、キャンセルする人もそれを受け入れる人も、イヤな気持ちになることはなさそうです。

 仕事のお付合いがある方とのゴルフは、その後のことを考えるとなかなかキャンセルできませんが、心身ともに無理して行っても楽しめないどころかストレスになるばかり……。そんな時は、最後の手段として3ポイントを参考にしてはいかがでしょうか。

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多少の雨なら頑張ろうという気にもなりますが…… 写真:AC

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