マナー違反? 練習場にブーツでいくのはアリなのか?
最近では、ゴルフのカジュアル化が進み、「襟なし」「裾なし」「短パン」などドレスコードを緩めるゴルフ場が増えています。若者ゴルファーは、年々増加傾向にあり、ゴルフに対するハードルは下げられつつある一方、ゴルフ本来の文化が損なわれていると賛否両論もあります。

実際に、ルールやマナーを学ばず、初ラウンドを迎える新規ゴルファーが一定数いるのは事実であり、既存ゴルファーからすると目に余るような行動もあるかもしれません。
そんなシビア側面もあるゴルフのカジュアル化問題ですが、先日、ある女性がロング丈の「ブーツ」を着用して練習場でボールを打つ画像がSNSに投稿され、ちょっとした話題となりました。
その画像は、一見すると、女性が打ちっぱなしをしている場面を切り取った何気ない写真なのですが、よく見るとゴルフシューズやスニーカーではなく、運動に適しているとはいえないロング丈の「ブーツ」を着用しています。
これにSNS上では、「ブーツでの練習はマナー違反だ」「ケガをする可能性があるからやめた方が良い」など批判的な声がみられました。
一般的には、練習場に服装の規定はなく、各々が動きやすい自由な格好で来ていることがほとんどです。そのため、仕事の帰りでスーツを着てる人、ラフなジャージを上下で着てる人など様々です。
靴に関しても規定はありませんが、スイング時に足を踏ん張ることを考えると、ゴルフ用シューズやスニーカーなど運動に適したものが良いとされています。一方、ブーツやヒールは、スイング時に踏ん張りがききづらく怪我をする可能性があるため、練習場に適した靴とはいえません。
急激なツマ先下がり状態なのでケガにつながりやすい
しかし、練習場の規定にブーツやヒールを禁止するものはないので、あくまでも自己責任やモラルの問題になります。
では、「ブーツ」などカカトの高いシューズで練習すると、スイングにどのくらい悪影響があるのでしょうか。レッスンプロの村井良行氏は、以下のように話します。

「日本人は骨盤を後傾させることが多いので、後ろに体重がいきやすいです。そのため、板にカカトを乗せて、あえてツマ先下がりの状態をつくり、強制的に骨盤を立たせて練習するという方法もあるぐらいです」
「ブーツやヒールを履く際も、一応ツマ先下がりの状態をつくることができますが、高さや角度も不安定で、まともなスイングはしづらくボールも当たりづらいです。なにより、板での練習と違いバランスを崩した時の逃げ道がないので、足をくじくなどケガをする可能性もあります。正直、メリットはないのでオススメはできません」
このように、あえてツマ先下がりの状態をつくる練習方法はあるものの、ブーツやヒールでは不向きということがわかります。
特に、バランスを崩したときは、スムーズにブーツやヒールで体勢を立て直すことが難しく、ケガをする可能性があります。
そもそも、練習場にブーツやヒールを禁止する明確なルールはありませんが、本番のラウンドで着用することはできないので、練習とラウンドでスイングに「感覚のブレ」が生じる可能性もあります。
そのため、練習場でも、ゴルフ用シューズや運動に適したスニーカーなどで練習するのが無難といえそうです。
ただし、明確なルールで決められていない以上、ブーツやヒールを履いての練習は本人の自己責任になります。たとえ、練習場でみかけることがあったとしても、あえて注意をするような行動は避けた方が良いかもしれません。