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- 「ハッ、よく考えたら打ったことない」“マエヨン王国”日本のゴルファーに送る「暫定球」の作法
ティーショットなどがOBかセーフか怪しいとき、戻って打ち直さなくて済むように打っておくのが「暫定球」です。しかし、前進4打が多い日本のゴルフ場では、あまり打つ機会がないのが現実ではないでしょうか。
“マエヨン”=前進4打が多く暫定球を打つ機会が少ない
ローカルルールとして「前進4打」が普及している日本のゴルフ場。「暫定球」というプレーの進め方があることは知っているけど、実際に打ったことはない。あるいは、一緒にプレーする人から言われたので暫定球を打ったけど手順はよく分かっていない、というゴルファーも多いのでは?
しかし、俗に言う「いいコース」と呼ばれるゴルフ場ほど、「前進4打」が設定されていないケースも増えてきます。
そこで今回は、暫定球のスマートな打ち方をおさらいします。暫定球にスマートというのもおかしな話ですが、暫定球を打たなければならない状況にも冷静に対処できるゴルファーは、ちょっとクールでは?
暫定球を打つべきシチュエーション
まずは、暫定球とはどんなときに打つのかということから。
暫定球に関する規則「18.3」に次のような規定があります。
「球がペナルティーエリア以外の場所で紛失、またはアウトオブバウンズとなったかもしれない場合、時間節約のためにプレーヤーはストロークと距離の罰に基づき暫定的に別の球をプレーすることができる」
つまり、打球がペナルティーエリア内(多くの場合、池などの水域)に止まったことが確実な場合を除き、ボールが紛失もしくはOBの恐れがあるとき、プレーヤーは時間節約のために暫定球を打つことができます。初球が紛失やOBの場合、1罰打で元の位置から打ち直しをすることになりますが、あとで打ち直しに戻る時間と手間を省くために、前もって打っておこうというものです。
でも、ボールが飛んだ先の状況がよく分からないとき、その判断は難しい。もちろん、キャディー付きの場合は、キャディが「もう一球お願いします」と、示唆してくれるでしょう。しかし、セルフの場合は?
まずは、コースをよく知る同伴プレーヤーがいれば「あそこは大丈夫?」と尋ねること。それで紛失やOBの可能性があると言われれば、迷わず暫定球を打ってください。
困るのは、皆が「行けばあるんじゃない?」といった曖昧な返事をされたときです。
そのときは「念のために、暫定球を打っておきます」とすべきでしょう。暫定球を打てる状況にあるかないかを決めるのは「その時点でそのプレーヤーが知っていた情報だけが考慮される」(日本ゴルフ協会「オフィシャルガイド」規則18.3a/1)とされており、プレーヤーの判断が優先されます。
暫定球を打つ手順
次に暫定球を打つ手順です。
ティーショットであれば、暫定球のプレーはその組の最後。ティーイングエリア内なら、どこにティーアップし直しても構いません。
それ以外のエリア(グリーン上を除く、ジェネラルエリア、ペナルティーエリア、バンカー)からのストロークが紛失やOBの恐れがある場合は、そのストローク地点を基点に、基点よりもホールに近づかない1クラブレングス(持っている中でパターを除く一番長いクラブ=たいていはドライバー1本分の長さ)の範囲が救済エリアになり、そのエリア内にドロップし、同エリア内にボールが止まれば、暫定球をプレーできます。
その際には、前もって「暫定球を打ちます」と周囲のプレーヤーにその旨をはっきりと伝えること。「もう1球打ちます」といった表現では、暫定球ではなく、本人の意思で初球を破棄し、1罰打で打ち直したとも受け取れるからです。
また、識別のために、初球とは番号等、識別マークの違うボールを使う。もしくはボールに印を描き加えるのがスマートです。
競技の場合は、初球との違いを他のプレーヤーに伝えましょう。例えば「初球の番号は1で、暫定球は2です」「暫定球には一本ラインを加えました」といったように。
初球を探し始めてからでも暫定球はプレー可
旧ルールでは暫定球は初球を探しに出かける前にプレーしなければならない規定がありました。
かつてのR&Aの裁定集には、約50ヤードを超えて前に進んだ場合は、ボールを探しに出かけたとみなされる旨の記述があり、以降の暫定球は認められませんでした。
にもかかわらず、プレーヤーが戻って打ち直した場合、その1打は暫定球ではなく、1罰打で打ち直されたインプレーのボールとされました。
しかし、現ルールでは初球を探しに行く途中でも、元の場所に戻って暫定球をプレーすることができます。
「オフィシャルガイド」の規則「18.3a/2―捜索を始めた後でも暫定球をプレーすることが認められる」には「例えば、3分の捜索時間が終わる前に、直前のストロークを行った箇所に戻って暫定球をプレーすることができる場合、プレーヤーは暫定球をプレーすることができる。プレーヤーが暫定球をプレーして、その後で3分の捜索時間内に元の球が見つかった場合、プレーヤーはその元の球でのプレーを続けなければならない」との規則解釈が書かれてあります。
暫定球は、時間節約のためプレーヤーの判断で行うプレーです。ですから、その進め方は周りに相談するといった時間の無駄なく、スムーズにスマートに行いたいものです。
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