「運転手じゃないんだけど」同伴者が全然カートを回してくれないときの対処法

もはやゴルフで乗用カートは欠かせないという人も多いと思いますが、状況的に自分がラウンドのほとんどを運転しなければいけないとなると、それはそれで大変です。どうしたらいいでしょうか?

自分以外の3人が「歩き派」「無免許」「初心者」

 スイスイ回れて快適な乗用カートですが、打球がカート道と反対の方向へ飛んでしまったりして不便なケースもあります。

「誰も運転代わってくれやしない…」 写真:AC
「誰も運転代わってくれやしない…」 写真:AC

 そんなときは同じ組の4人で協力。状況に沿って交代でカートを移動するものと思いきや、次のような話を耳にしました。

「先日ゴルフに行ったときのことです。一緒に回ったうちの1人が、2打目地点からグリーンを終わるまで、5本くらいクラブを入れたサブバッグを持っていつもカートを離れて歩くんです。ほかの1人は車の運転免許証を持っていない。もう1人はビギナーさんで余裕がない。結局、カートの運転はほとんど全部自分がしました」

 打ったらカートに戻り、次のところへ進んだらボールを打ち、グリーン周りではカートが邪魔にならないよう先へ移動させ……。

 フェアウェイへの乗り入れが許されるコースなら少しはいいのですが、多くのコースは定められたカート道しか走れないため、これを1人で担ったらかなり忙しくなります。プレーの進行にも影響があるでしょう。

 カートを運転する人は、一般的にどのように決めるべきなのでしょうか。

 さまざまな企業の社員研修やプロゴルファーへの接客指導などを行なっている渡辺満枝さん(株式会社エミー代表取締役)に聞いてみました。

「運転免許証を持っていなくてもカートの運転はできますが、大切なのは安全と進行ですから、運転免許を持っている人が運転をするのが原則です。その中で、プレーの上級者順にカートの運転者の順を決めるか、コースを熟知しているメンバーの人に依頼しましょう」

「上下関係のある人とラウンドする場合は、部下が運転したほうが良いと思います。ただし、他のプレーヤーは運転を一人に任せきりにするのではなく、上級者やメンバーがカートから離れてプレーしていたら、状況をよく見てカートの運転を代わるよう心がけましょう」

 安全と進行のために、上級者やそのコースのメンバーが主に運転をする。ただ、その人がカートから離れてプレーをしていたら他の人が運転をする。カートの運行にあたり、プレーヤー全員が安全と進行を心がけてプレーをする必要があるのですね。

 とはいえ、「1人予約」などでは一緒に回る人の誰が上級者かメンバーか、分からないことも多いでしょう。

「その場合は、運転免許証を持っている人が、状況に応じて交代でカートの運転をするのが一般的です。スムーズな進行のためには、ボールを打ち終わって、運転できる状況の人が運転すれば良いと思います。次のプレー地点まで歩いていく場合は『歩いていきます』と、カートを待たせることのないように声をかけることも大切です」(以下、渡辺さん)

歩き派の人に運転してもらうための声のかけ方

 もし冒頭のように、サブバッグを持ってサッサとカートから離れてしまう人がいたら、どう伝えたらカートの運転を代わってもらえるでしょうか。

「カート道とは反対側の林に入ってしまったりして長い時間カートを離れることが予想されるときは、『カートを離れますので、運転をお願いできますか?』『プレーの進行に支障が出るといけませんので、カートを進めていただけますか?』というように声をかけたら手伝ってくれるでしょう」

「その後、カートやグリーンで合流したら『ありがとうございます。(カートを運転していただいて)助かりました』と、一言だけでもお礼の気持ちを伝えれば、次は状況を見て『運転しましょうか』と相手から言ってくれるかもしれません」

「それと同時に、サブバッグを使う人も同伴者への配慮をすることも大切です。サブバッグを持ってカートから離れて歩く場合は、他のプレーヤーの状況や誰に声をかけたら良いかを判断し、『カートの運転をお願いできますか』と、必ず声をかけましょう。また、乗用カートでなく電磁誘導カートの場合は、リモコンを持っている人に対して『ハーフで交代しましょうか』と声をかけるくらいの心遣いを忘れないようにしましょう」

 同じ組で1日気持ち良くゴルフを楽しむためには、お互いに一言かける心遣いが大切なのですね。

 最後に、参考まで、主に運転をしない人はカートのどこに座ったらよりスムーズかを渡辺さんに教えていただきました。

「乗用カートに上座、下座は特にありませんが、キャディーバッグの積み方によって、座る位置がある程度決まることになりますね。例えば、カートの右側にバッグを積んだ人は右側の席に座ることが多くなるでしょうし、主に運転する人のバッグはあらかじめ左にセットしておくとスムーズです。年長者や上司が一緒の場合は、上司がクラブの出し入れをしやすい位置に座れるよう意識して自分の座るところを決めると良いでしょう」

 サブバッグ付きのキャディーバッグは一番端にセットされることが多いようですが、その場合、カートをあまり運転しないのなら右側につけてもらうのが良さそうです。

【図解】カートの上座・下座、しいて決めるなら

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キャディー付きの場合は助手席が一番上座で後席真ん中が末席、セルフプレーの場合は運転席が末席で後席が上座
ゴルフ場のレストランでは一般的に景色が見える手前が上座と言われますが、相手の認識が違ったらと座る場所に迷う人も多いのでは?
「誰も運転代わってくれやしない…」 写真:AC

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