誤球のリスクを減らす
ゴルフでは、さまざまなメーカーからボールが販売されています。最近では、アニメのキャラクターがプリントされているものや、サッカーボールの模様が施されている個性的なボールも登場し、ゴルファーの好みが色濃く反映される部分でもあります。

多種多様なデザインが存在するゴルフボールですが、ペンでゴルフボールにマーキングする人が少なからずいるようです。ゴルフボールにマーキングすると、どのようなメリットがあるのでしょうか?
レッスンプロの関浩太郎氏は、以下のように話します。
「同じ組の中でボールの銘柄がかぶってしまった場合、ボールに記されている番号で判断するのですが、所持している残りのボール数が少なく、他のボールに変更できない状況に遭遇する可能性もあります。その際、自分のボールであると明確に判断するために、オリジナルのマーキングを行います」
「数字で判断するよりも、オリジナルのマーキングをしていたほうが判断しやすいこともあるので、誤球を防ぎやすくなります」
「ちなみに、プロのトーナメントではラウンド中にボールの銘柄を変えることはできません。ホールごとに、銘柄はそのままでボールを新しく変えることは可能ですが、飛距離が出やすくなるボールから、止まりやすくなるような他の銘柄のボールに変えることはできないのです」
誤球とは、自分のボールと勘違いして同伴者の球や放置されていたロストボールなど、他のボールを打ってしまうことを指します。誤球をしてしまうと、ストロークプレーの場合は2罰打が課せられ、改めて自分のボールでプレーし直さなければいけません。
ちなみに、マッチプレー(ホールごとの打数で勝敗を決める)の場合、誤球したホールはその時点で負けとなります。
マーキングの仕方としては、ボールに印字されたメーカー名と数字の間にペンで点を打ったり、星やハートマークを書くのがオススメです。銘柄に関係なく、自分のボールが識別しやすくなりますし、同伴者に誤球されるリスクも低減することができます。
また、同じマーキングで統一せず、何パターンかに分けておくのも有効です。OBの危険があるときに「暫定球」を打つ場合は、最初に打った本球としっかり区別する必要があります。
その際、1球目は「星マーク」、2球目は「ハートマーク」といった感じで分けておくと、ボール探しの際に本球と暫定球の判断がしやすくなります。
JGAの公式規則6.3aにも「プレーヤーはプレーしようとする球に識別マークを付けるべきである」と記載があり、ボールへのマーキングを推奨しています。
スコアアップが期待できる?
さらに、マーキングにはボールを識別しやすくするだけではなく、スコアアップにつながる工夫もできます。
例えば、ボールに「線」をマーキングすることで、目標に対して真っすぐ構えやすくなります。関氏は、特にビギナーの場合、真っすぐ打つことばかりに気をとられてしまい、目標に対して真っすぐ向けていない人が多いと話します。
「パターに限らずショットやアプローチも同様に、真っすぐ曲がらないボールを打とうと意識を持つことは良いですが、そもそも目標に対して真っすぐ向けていなければ本末転倒です。スイング自体に問題はなく、目標に対して真っすぐ向いていないことが問題だと気付かなければ、スイングを崩してしまう原因にもなります」
「そのため、ボールに『線』をマーキングすることで、目標に対して真っすぐ構えやすくなります。最近では、ラインの入ったボールも販売されているので、真っすぐ向けていないゴルファーは試してみると良いでしょう」
ほかにも、ボールに線をマーキングすることで、ボール回転を視認しやすくなります。線に対して真っすぐ構え、真っすぐ打ち出すことができれば、ボールはきれいな直線を描きながら転がっていくので、正しいストロークができているか判断することができます。
このように、ボールへのマーキングは誤球を防ぐことはもちろん、スコアアップにもつなげることができるはずです。