「思ったより飛んでしまった」はただの言い訳! 打ち込みを防ぐためにできる対策とは? | e!Golf(イーゴルフ)|総合ゴルフ情報サイト

「思ったより飛んでしまった」はただの言い訳! 打ち込みを防ぐためにできる対策とは?

打ち込みが危険な行為であると認知しているものの、どのタイミングで打てば良いのか理解しきれていないゴルファーは多いかもしれません。打ち込みを防ぐには、どのようにするのが適切なのでしょうか?

打ち込みが多いのはブラインドホール

 ゴルフの「打ち込み」とは、前の組がショットをすれば届いてしまう距離にいるにもかかわらず、打ってしまうことを指します。

ブラインドホールでは前の組がセカンド地点を離れたか否かが分かる信号機が設置されている場合も 写真:AC
ブラインドホールでは前の組がセカンド地点を離れたか否かが分かる信号機が設置されている場合も 写真:AC

 ラウンド中に「ボールの落ちる音がして振り返ったら、後ろの組の人が打ったボールがすぐ後方にあった」「届かないだろうと打ったら、思った以上に飛距離が出てヒヤッとした」という経験があるゴルファーは多いかもしれません。

 打ち込みは非常に危険な行為であり、実際、ラウンド中に打球が直撃して命にかかわるような事故も多数発生しています。では、打ち込みを防ぐには、どのようなことに気をつければ良いのでしょうか?

 ゴルフ場の経営やコンサルティングを行う飯島敏郎氏(株式会社TPC代表取締役社長)は、以下のように話します。

「ブラインドホールの場合は、より注意する必要があります。ブラインドホールは、ボールの落下地点が見えないことがほとんどなので、前の組の位置を把握せずに打ってしまいがちです。乗用カートに設置されているナビゲーションで必ず確認するようにしましょう」

「また、ビギナーであっても、男性ゴルファーは真芯でとらえると予想以上の飛距離が出る可能性があります。練習場では200ヤード飛ぶかどうか程度のゴルファーであっても、コースに出てさまざまな条件が重なったときに、思っていた以上の飛距離が出ることも考えられるので、ある程度余裕を持って打つことが大切です」

 さらに飯島氏は、コースごとの定石を理解しておくと、打ち込みを防止する考え方ができると話します。

「パー3の場合は、1オン2パットでパーを狙うのが定石で、当然ながら、前の組がグリーンでパッティングを行っているときに1打目を打てば、打ち込みになります。距離があるパー3などでは、どうせ届かないだろうと定石を無視して打ったり、後ろが詰まっているからと焦って打ってしまうことも考えられますが、これは打ち込みになってしまいます」

「パー4の場合は、2打目でグリーンをとらえて、2パットでパーを狙うのが定石です。そのため、2打目のグリーンを狙うショットでは、前の組がカップインするまで待つべきでしょう」

「しかし、ビギナーの場合は、1打目のドライバーでチョロをして距離が残ってしまうこともあります。絶対に届かない距離が残ってしまったのに、前の組がカップインするのを待っていてはスロープレーにつながってしまうので、そのような場面では、打っても問題ないこともあります」

 飯島氏は、状況を見極めて臨機応変に対応することが大切と話します。

「パー5は、3オン2パットでセッティングされていますが、プロや上級者の場合は、状況によってバーディーを狙いにいくホールでもあるので、マネジメント次第でひと呼吸置くか、打つのかを選択します」

「前が空いたことを確認してから、セカンド、サードショットを打つようにするのは変わりませんが、待ちすぎてしまうと後ろが詰まってしまうことも考えられるので、臨機応変な対応が必要になります」

ドッグレッグのコースも注意が必要

 さらに、ドッグレッグのコースも打ち込みが起こりやすいので注意が必要です。ドッグレッグとは、その名の通り「犬の足」という意味合いがあり「くの字」に曲がっているホールのことを指します。

「右ドッグレッグや左ドッグレッグのようにスネークするコースがあり、そのようなコースでは、林を超えてショートカットを狙うことができるところも存在しますが、林がブラインドになり、前の組が見えない状態になります」

「なので、必ず乗用カートのナビゲーションを利用して、前の組の位置を把握してからショットをするようにしましょう」

 ゴルフ場のコースでは、前の組の位置が目視では把握できないような状況に遭遇することが多々あります。

 たとえ故意ではなかったとしても、打ち込みをされた側は不快に感じてしまうですし、事故が起きてしまった後では取り返しがつかないので、これからラウンドを控えているゴルファーは、頭に入れておくと良いでしょう。

【写真】余裕を持ちすぎるのも禁物! スロープレーに陥りやすい原因を写真で確認

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自分だけでなく同伴競技者やほかの組にまで迷惑がかかるスロープレー 写真:ShutterStock
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ブラインドホールでは前の組がセカンド地点を離れたか否かが分かる信号機が設置されている場合も 写真:AC

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