どうせ時間通り始まらないでしょ…ティーイングエリアの“10分前”集合って早すぎ?

ゴルフ場では、スタートホールのティーイングエリアにプレー開始10分前に到着しておくのがマナーとされています。なぜ、10分前に到着する必要があるのでしょうか。

厳密に定められたルールではない

 ラウンドの際、大抵はマスター室付近からゴルフカートに乗って、各ホールを回ることになります。各組のスタート時間は分刻みで細かく設定されており、朝早くから多くのゴルファーが続々とコースへ向かっていく様子が見られます。

プレー開始の10分前にはティーイングエリアに到着すべき?
プレー開始の10分前にはティーイングエリアに到着すべき?

 そんな中、スタートホールのティーイングエリアにはプレー開始の10分前に到着しておくのがマナーとされています。なぜ、10分前の到着が求められるのでしょうか。

 ゴルフ場の経営コンサルティングを行う飯島敏郎氏(株式会社TPC代表取締役社長)は「ティーイングエリアへの10分前の到着は、あくまでも暗黙の了解であり、厳密に定められたルールではない」として、次のように説明します。

「『時間通りにティーオフできるよう早めの行動を心がけよう』という考え方から、10分前にティーイングエリアに到着することがマナーの一つとされています」

「ゴルフではメンバーの1人が遅れて1組のスタート時間がズレただけでも、全体へ影響を及ぼします。そのため、時間のロスがないように早めの行動をとる必要があります」

 前述した通り、各組のスタート時間の間隔は細かく設定されているので、たった1組の遅れが後続や全体にも大きく影響してしまいます。

 実際、ラウンド中でも「コースマーシャル」と呼ばれる係員が各組の進み具合を把握し、遅れている組には声がけをしてプレーを促すなど時間の調整を行っています。

 また、飯島氏によると「例えば、前の組が急きょ4サムから3サムになった場合や全体のプレー進行が早めに進んでいる際に、自身の組も数分早めにスタートすることがあります。そうしたケースに対応するためにも、10分前にティーイングエリアで待機しておく必要があるのです」と話します。

 さらに「ゴルフ場自体への到着は、スタートの1時間前くらいが良いとされています」と話し、時間を逆算してゴルフ場への到着も早めにしておく必要があると言います。

 もちろん、人によって当日のラウンド前の過ごし方は異なりますが、着替えや必要な準備、ストレッチや練習などを行うことを考えると、ティーイングエリアに10分前に到着するためには、プレー開始の1時間前にはゴルフ場に到着しておきたいものです。

大切なのは「プレーファスト」の考え方

 また、飯島氏は「このような10分前行動の根底には『プレーファスト』の考え方がある」と話します。

 ゴルフでは、個人のプレーだけを考えるのではなく「ゴルフ場を利用するゴルファー全員のプレーをスムーズに進めていこう」という考え方が重視されています。

 このような考え方を「プレーファスト」と言い、各ゴルフ場に張り出されているポスターなどで標語のように記載されたり、ベテランゴルファーであればおのずと意識していたりと、利用者全体の共通認識になっています。

 プレーファストの考え方を日本に広めたのは、兵庫県出身の実業家・白洲次郎氏(1902-1985年)です。白洲氏は幼い頃から海外の文化に触れ、学生時代にはイギリスへ留学。その後、貿易庁の長官や、かつての総理大臣・吉田茂氏の側近として公務を行った人物です。

 そんな白洲氏は大のゴルフ好きで、すべてのゴルファーが平等の時間でゴルフ場を利用できるよう、腕前のレベルにかかわらず「プレーファスト」を推奨しました。

 白洲氏の推奨するプレーファストは「素振りすら許されなかった」という逸話が残っているほどですが、現在はそこまで厳密な意味合いはありません。

 あくまでも、周囲のゴルファーに迷惑をかけないよう、スムーズにプレーを進めることが重要とされています。

【写真】ついやっちゃってない? スロープレーに陥る原因を写真で改めて確認

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暫定球の適切な判断もスロープレーを防ぐ。積極的にプレーイング4を使うのもあり
毎回カートに集合してから移動するのはスロープレーにつながりやすい 写真:ShutterStock
判断が微妙なときは暫定球を打てばスロープレーは防げる
自分だけでなく同伴競技者やほかの組にまで迷惑がかかるスロープレー 写真:ShutterStock
「プレーファスト」を推奨するポスターは多くのゴルフ場で掲示されている
プレー開始の10分前にはティーイングエリアに到着すべき?

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