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- 間違ったやり方で芝の根をブチッ! ベテランも意外とできてない正しいボールマークの直し方
ボールが落下した衝撃によって生じた芝のめくれ、寄り、窪みなどのボールマークは、プレーヤーが自らの手ですみやかに直すのがエチケットです。ところが、「自分でつけたボールマークは当然、直しますよ」という人のなかには、修復どころか地中に張っている芝の根を切っている人が決して少なくないといわれます。正しくはグリーンフォークをどう使えばいいのでしょうか。
グリーンマークの先端を持ち上げるのは芝の根を切るNG動作
ボールがグリーンに落下したときにできる凹みを「ボールマーク」または「ピッチマーク」といいます。
グリーンに上がって自分の打球がつけたボールマークを見つけると「キャリーでここに落ちたのだな」と、いい球を打てた達成感のようなものを感じますよね。たとえ雨上がりでグリーンが柔らかかっただけだとしても……。

そこまでは微笑ましいのですが、問題はこのあとです。
ボールが落下した衝撃によって生じた芝のめくれ、寄り、窪みなどのボールマークは、プレーヤーが自らの手ですみやかに直すのがエチケットです。ダメージを与えてしまった芝を少しでも早く修復するため、また後続プレーヤーの妨げにならないようグリーン面についたデコボコを平らに整えるためです。
ところが、「自分でつけたボールマークは当然、直しますよ」という人のなかには、修復どころか地中に張っている芝の根を切っている人が決して少なくないといわれます。
ここで1つ、テストをしてみましょう。
身の回りにボールペンがあれば、それをグリーンフォークに見立てて空中で2~3回“エア・ボールマーク直し”をしてみてください。ボールペンなら、最初はグリーン面に先端を差すイメージでペン先を斜め下に向けますよね。
次は、めくれたり寄ったりした芝を戻す動作です。このときペン先が上がってしまう人は要注意。ペンをグリーンフォークに持ち替え、同じ動作で芝を寄せようとすると、テコの原理が働いて土の中で張っている根をブチブチッと切ってしまうからです。
どういうことでしょうか。
茨城県のJGMセベバレステロスGC(株式会社ジャパンゴルフマネージメント運営)を訪ね、12人の部下を従えてコース管理に従事している、グリーンキーパーの戸島義貴さんにお聞きしました。
多くの人は、親指の腹が上、人差指の第一関節が下にきて2本の指で挟むようにグリーンフォークを持ち、ほかの3本指で支えています。
「人差指を支点にして、芝を掘り起こすように動かすと、グリーンフォークの先端が上がって根を切ってしまいます。芝のめくれを元に戻したり穴を埋めたりするには、先端ではなく、反対側を持ち上げるように動かします。ゴルフスイングの“コック”のように親指方向に手首を折るのではなく、そこを伸ばすようにして手首を使うと、根を切ることはありませんよ」
グリーンフォークの先端ではなく、お尻のほうを持ち上げるのですね。
まずボールの進行方向側から寄せてぐるりと円を描くように

次に大事なのは、ボールの飛球方向と反対側から直していくことです。
「ボールはふつう手前から奥へ向かって飛びますが、芝も、落下時の衝撃で手前から奥へ向かってシワが寄るようにずれるのです。ですから、まず奥から手前に向かって芝のずれを戻し、2~3センチあけて戻し、さらに2~3センチあけて戻し……というふうに穴の周囲をぐるりと一周、中心に向かって芝を寄せていくときれいに直せます。グリーンが柔らかいと芝のズレも多く、大きなボールマークがつきます。そういう時は、さらにもう一つ外側をぐるりと一周するように、奥から手前に芝を寄せてください」
戸島さんが手早くグリーンフォークを入れていくと、ボールマークは完全に見えなくなりました。市販では見かけない大きなグリーンフォークを使っているからきれいに直せるのでしょうか。
「私たちは業務用のグリーンフォークを使っています。幅広で大きいほうが、なくしにくかったり、多少は使いやすかったりするかもしれません。ただ、プレーヤーはポケットに入れやすく、刃の本数やカーブのあるなしは自分にとって使いやすいものを使うのが一番でしょう」
「最後の仕上げは、パターの底で軽くトントンと触れ、ボールマークの周辺を平らにします。強く押さえつけたり、シューズで踏みしめることのないように。パターがなければ手でもいいですよ。ズレた芝をしっかり寄せたら、上から軽く押さえるだけで十分なのです」
このように戸島さんはコツを教えてくれました。
最後に、正しいボールマークの直し方をまとめてみます。
・芝のズレは、飛球方向の反対(奥)から穴(手前)へ向かって戻す
・グリーンフォークは斜めに入れる
・グリーンフォークは、芝を中心に寄せるようにお尻のほうを上げる。先端を持ち上げると芝の根を切るのでNG
・2~3センチおきに小さな円状にぐるりと一周直す。大きいボールマークはさらに外側をぐるりと一周直す
・仕上げは、パターのソールでトントンと軽く芝を押さえる。シューズで踏みしめるのはNG
かなり細かくなりましたが、芝を「大事にする」「いたわる」には、細かい動作を省略せず行なうことが大切なのでしょう。今まで芝の根を切るようなやり方をしていた人は、次回のゴルフから気をつけてみてください。
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