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- 全米女子OP優勝のコープスはスロープレーで危うく1罰打 「普段は罰金で済む」から選手はナメている!?
全米女子オープンで日本の畑岡奈紗(はたおか・なさ)を逆転して優勝したアリセン・コープス(Allisen Corpuz)。最終日は6バーディー、3ボギーの69。とりわけバックナインは終始安定したプレーでしたが、実はスロープレーの計測対象となり、あわや1罰打のペナルティーが課せられるところでした。
普段のツアーとスロープレーの罰則が違うことを知らなかった
畑岡奈紗に初メジャータイトルの期待がかかった全米女子オープン。その畑岡と一緒に最終日最終組をプレーし、逆転で優勝したアリセン・コープス。最終日は6バーディー、3ボギーの69。とりわけバックナインは終始安定したプレーでしたが、実はスロープレーの計測対象となり、あわや1罰打のペナルティーが課せられるところでした。
しかし、彼女たち――コープスとキャディーのジェイ・モナハン(PGAツアーのコミッショナーと同じ名前!)――は、スロープレーで罰打を課せられることを知らなかったようです。
コープスと畑岡の組が、委員会が設定した進行ペースから遅れ、前の組と大きく離れたため、委員会はルール上の「アウト・オブ・ポジション」と判断。11番ホールで両選手にプレーの所要時間を計測すると通告します。
以降、両選手はそれぞれストロークできる状態になってから実際に打つまでの所要時間を計測されることになりました。ストロークごとに費やせる時間は最大40秒。ただし、ティーショット、第2打……と、それぞれ最初に打つプレーヤーは追加10秒で、50秒の所要時間が認められます。
ところが、通告の直後、モナハンはトイレに駆け込んでしまいます。本来なら先を急ぐべきときに。
「でも、行かざるを得なかったんだ」とモナハンは競技終了後に、メディアに明かしました。相当に切羽詰まっていたようです。
オフィシャルによるタイム計測が続く中の13番パー4の第2打。強いアゲンストの風にクラブ選択を迷ったコープスは、大きめの5番アイアンを手にアドレスします。ところが、直後に風が弱まったため、コープスは一旦アドレスを解きました。
ショット後、彼女のもとへオフィシャルが近寄り、大会のローカルルールが規定する「バッドタイム」(認められる所要時間の超過)だったことを警告。次の「バッドタイム」で1罰打になると通告します。
このときのことをモナハンは「そんなルールがあるなんてまったく知らなかった」と明かしています。
「ビックリした。だって、LPGAツアーでは基本的にスロープレーは罰金で済むから。だから僕はオフィシャルに確認したんだ。『次で1打追加?』って。そのことはコープスも聴いていただろう。それからはストレスを感じながらのプレーになった」と振り返り、前もって送られてきた競技規則をきちんと読んでおくべきだったと反省の弁も口にしています。
大会のローカルルールでは「最初のバッドタイムの罰」は口頭による警告ですが、「2回目のバッドタイムの罰」は1罰打。「同3回目の罰」は2罰打(一般の罰)。そして、「4回目のバッドタイムの罰」は失格。ですから、1度警告があれば、選手はプレッシャーを感じるはずです。
しかし、コープスは動じませんでした。
「もともと私はプレーの遅い選手じゃないから大丈夫。あのときは、たまたま急に風が変わったから。それより、集中力を切らさないことを自分に言い聞かせた」と振り返っています。だからこそのチャンピオンですね。そして、このホールをパーとすると、続く14番、15番で連続バーディー。前の組との間隔も詰まり、タイム計測は14番で解かれたのでした。
高騰した賞金に比べ、あまりにも安い罰金
ここでちょっと気になるのが、モナハンが口にした「LPGAツアーでは基本的にスロープレーは罰金で済む」という言葉です。
PGAツアー同様、LPGAツアーもスロープレーに対するペナルティーは基本的に罰金なのです。そして、罰金は罰打とは異なり、原則非公開。また、罰金額もタイム計測後2度目の違反で1000ドル(約14万円)、同3度目で2000ドル(約28万円)。同4度目で4000ドル(約56万円)と、近年高騰した賞金額に比べれば、「安いもの」でしょう。
そのため、LPGAツアーには以前から「スロープレーに対する対処が甘い」という批判が絶えません。一時、罰打を課されるケースが増えたのですが、最近はあまり聞きません。3年前には、LPGAツアープレーヤーのリーダー的存在のステーシー・ルイスが「ツアーはもっと積極的に取り締まるべき。罰金ではなく、罰打を加えるべきだ。そうしなければゴルフは間違った方向へ進んでしまう」と、警句を発したことがありました。
今季のPGAツアーでは、マスターズにおけるパトリック・カントレーのあまりにも遅いプレーの進行を契機に、ファンの注目度は高まっています。そして、SNSで話題になりがちです。今後、ツアーによる対策が何かあるのでしょうか。注目です。
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