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- シブコフィーバー再び!? 全英女子の会場「ウォルトンヒースGC」が日本選手と好相性な理由とは?
米女子ツアー今季最後のメジャー「AIG全英女子オープン」が8月10日よりロンドンに近いウォルトンヒースGCで開催されます。このゴルフ場は「インランド」と呼ばれる内陸コースで日本選手には比較的プレーしやすいレイアウトになっています。
渋野日向子が勝った2019年以来のインランドコース開催
10日開幕の米女子メジャー最終戦「AIG全英女子オープン」はロンドンに近いウォルトンヒースGCで開催される。同GCは海沿いのリンクスコースではなく内陸にあるインランドコース。「AIG全英女子オープン」の会場がインランドコースになるのは渋野日向子が優勝した2019年以来のことだ。
男女を問わず「全英オープン」といえばリンクスコースを思い浮かべる方が多いのではないだろうか。実際、男子はすべてリンクスコースで開催されている。
女子は元来、インランドコースがメインだった。それが米女子メジャーになった2001年以降はリンクスコースの割合が一気に増えた。昨年までの開催22回中リンクスコースが17回でインランドコースが5回。インランドコースでの開催は数年に1回程度になっている。
両タイプのコースの違いを簡単に説明しよう。リンクスコースはリンクスと呼ばれる海沿いの土地につくられたコースで高い樹木はほとんどない。海沿いだけに風が重要な要素となり、時には日本では経験できないような強風に見舞われることがある。
インランドコースは樹木に囲まれたホールが多く、イメージとしては比較的、日本の林間コースに近い。
このようにタイプが異なるリンクスコースとインランドコースではどちらが日本選手と相性がいいのだろうか。2001年以降の「AIG全英女子オープン」のデータで分析してみた。
日本選手がトップ5に入ったケースは計7回あり、リンクスコースで4回、インランドコースは3回だった。回数ではリンクスコースのほうがわずかに多い。
だが、前述したように開催数はリンクスコースのほうが圧倒的に多く、日本選手の延べ出場人数ではリンクスコースが128人であるのに対してインランドコースは34人にすぎない。回数を延べ出場人数で割ったトップ5率で比べるとリンクスコースが3.1%でインランドコースは8.8%。インランドコースのほうが3倍近い確率を叩き出しているのだ。
予選通過率ではリンクスコースが53.1%でインランドコースは58.8%。トップ5率ほどの差はないが明らかにインランドコースの方が高い。
渋野日向子はリンクス&インランドともにトップ5を経験
では、インランドコースでのトップ5にはどんな選手が入っているのか。1例は冒頭で紹介した2019年にウォーバンGCで優勝した渋野である。
あとの2例は2008年にサニングデールGCで行われた時である。3日目を終えて不動裕理が1打差首位で宮里藍が2打差3位という日本のゴルフファンにとっては願ってもない展開だった。ただ、最終日は2人ともスコアを伸ばし切れず、2位にいた申ジエが逆転優勝。不動は3位タイ、宮里は5位だった。
この年は上田桃子が7位タイに食い込み、メジャーの歴史で唯一トップ10に日本選手が3人という結果も残している。
宮里はこの翌年、リンクスコースのロイヤルリザム&セントアンズGCで3位に入り、インランドとリンクスでともにトップ5入り。渋野も昨年、ミュアフィールドで1打差3位となり、インランド、リンクス両方で優勝争いを繰り広げている。両タイプのコースでトップ5に入っているのはこの2人だけだ。
その渋野は先週、リンクスコースが舞台の「フリードグループ女子スコティッシュオープン」で2日目まで首位に立っていた。最終的には16位タイに終わったが、一時の不振を脱出しつつあるようだ。2年連続の上位を期待するファンも多いだろう。
今シーズン、日本勢は「KPMG全米女子プロ」で笹生優花が2位、「全米女子オープン」で畑岡奈紗が4位タイ、「アムンディ・エビアン選手権」では畑岡と笹生が3位タイと現在メジャー3戦連続でトップ5に名を連ねている。毎試合のように誰かが優勝争いに加わっているわけで、今回も期待大である。
今年の会場、ウォルトンヒースGCは120年の歴史があるクラブで過去には欧米男子プロの対抗戦「ライダーカップ」や「全英シニアオープン」などの会場になっている。「AIG全英女子オープン」は初開催だから未知数なところはあるが、データが後押しする相性のいいインランドコースだけに日本選手の奮闘を楽しみにしたい。
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