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- 450万円が230万円に相場が急落したケースも… 「年会費値上げ」が及ぼすリアルな会員権動向
何もかもが値上げの昨今。ゴルフ業界も、もちろんその例外ではありません。今年に入ってから年会費や名変料を上げるゴルフ場が続々と現れるなか、会員権市場はどのような値動きを見せたのでしょうか。事情に詳しい専門家に話を聞きました。
年会費UPで会員権価格が急落したコースも
昨年から、このコラムでも何度か取りあげてきた年会費UPのニュース。今年1月、大手グループが運営するゴルフ場が年会費を倍額に改定したインパクトは、それ以降、全国の会員制ゴルフ場に波及しているといいます。
「そうですね。もちろん値上げ幅の大小はありますが、ゴルフ場の経営内容や規模に関わらず、会員制ゴルフ場の年会費UPは全国のゴルフ場に及んでいるように思います」と語るのは、ゴルフ会員権を専門に扱う加賀屋ゴルフ代表の前田信吾さん。
老朽化した施設の整備やコースメンテナンス、また会員制ゴルフ場としてのクオリティーを維持するためのコストや人件費の上昇など、全国のゴルフ場が抱える金銭的な負担が途轍(とてつ)もなく大きく、相当な額になっていることは容易に推測できます。
これらを解消するため、収益改善を図ろうとするゴルフ場側の意図は十分に理解できますが、年会費や名変料の大幅な値上げは、利用者としては、やはり頭の痛い問題です。

「従来の“プレー料金”に重きを置いた経営から、安定的な固定収入が見込める“年会費”重視の収益構造へシフトしたいというゴルフ場の思惑は理解できます。でも、なかにはゴルフ場のレベルと値上げ幅がかみ合わないコースもありますからね」と、前田さん。
「こういったゴルフ場では『これを機に会員権を手放そうか?』という、メンバーさんたちの動きが出始めても不思議ではないでしょう」
では、具体的にはどういった動きがあるのでしょうか。
「例えば、年会費改定のニュースが出る前は450万円前後の会員権価格をつけていた総武カントリークラブ(千葉県印西市)を見てみますと、年会費を倍額の13万2000円に改定する話が出始めてから、徐々に売りが増えてきました」
総武CCは過去に日本プロやサントリーオープン等々、数多くのビッグトーナメントが開催された輝かしい実績を持つコースです。また都心からのアクセスも良く、コースデザインもメンテナンスも申し分のない人気コースとして知られています。
「最近弊社では売りが280万円でも買いがゼロ。230万円でようやく成約です。今年1月の年会費の値上げから約半年で会員権価格が半分程度にまで落ち込んでしまったことになります。正直なところ私も、半年でここまで下がるとは想像しておりませんでした」
「昨年10月より正会員の名変料が110万円から165万円にアップ、そしてまた今年1月の年会費倍増ですからね。これをきっかけにメンバーをやめようと思う人が出てきたとしてもおかしくないのではないでしょうか」
年会費を上げたことで会員権価格を大きく下げたゴルフ場は、ほかにもあるのでしょうか。
「袖ヶ浦カンツリークラブ(千葉県千葉市)も今年1月に年会費を従来の9万9000円から15万4000円に引き上げ、同時に名変料も220万円から330万円に改定しました。こちらの人気コースも改定前の高い時期ですと650万円弱の会員権価格をつけていましたが、年会費&名変料UP後は410万円前後の会員権価格で推移しています」
上がり続ける年会費だが全体的な相場には影響しない
前記2コースのように、人気コースが年会費を上げたことによって会員権価格が下がったという事実は、欲しいと思っていた人にとっては、まさに買いの好機とも言える朗報ではないでしょうか。
「確かにそういう見方もできますね。いつとは明言できませんが、徐々に相場を戻していく可能性はあるかもしれません」
「ただ、やめていく会員が多いということは、メンバーの質が変わる可能性があるということにはなります。前記2コースともに僕もまだメンバーですから、このあたりはしっかりと見極めていきたいと思います。新しく会員になりたいと考えている方は、この辺も踏まえたうえで購入された方がいいと思います」
年会費UPで会員権価格を下げたコースがある一方、こういった傾向は全体に及んでいるわけではないと、前田さんは言います。
「年会費の値上げは、全体的な会員権相場にはさほど影響を及ぼしていないと思います。会員権価格自体は落ち着いており、横ばいか、多少下がり傾向にあるといった感じでしょうか」
「日本の会員制ゴルフ場は、諸外国のプライベートコースの運営システムとは少々異なるので一概には言えませんが、年会費が自分の所属するクラブを維持するための運営資金だと捉えれば、諸外国に比べれば、まだまだ安い方なのではないかと個人的には思います」
年会費をどう捉えるかはメンバー個々人の考え方にもよるのでしょうが、より良いプレー環境の中でゴルフを楽しむためには、今の時代、ある程度の費用がかかってしまうのは致し方ないと考えるべきなのかもしれません。
「そうですね。そういった意味でも、あまりにも法外な金額でなければ、多少の値上げは仕方ないと納得される会員さんが多いのだと思います。ですから年会費の値上げによる会員権価格の下落は、全体的にみれば、それほど多くはないと考えてよいのではないでしょうか」
【監修】加賀屋ゴルフ代表 前田信吾さん
ゴルフ会員権取引を行う加賀屋ゴルフ代表取締役。年間平均200日以上の割合でラウンドを楽しむゴルフの達人。独自の視点を生かしたゴルフ場の比較&検討に定評アリ。
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