アマ時代1勝を含め通算3勝の中島啓太
国内男子ゴルフの新規大会「横浜ミナトChampionship~Fujiki Centennial~」が神奈川県の横浜カントリークラブで開催されました。
新規大会の初代王者に輝いたのは、中島啓太選手です。最終日に5アンダーとスコアを伸ばし、今シーズン2勝目を達成。アマ時代の1勝(20-21年「パナソニックオープン」)を含めると、通算3勝目となります。

トップと1打差の通算12アンダーで2位に入ったのは、蝉川泰果選手。中島選手と同様にアマ優勝を達成していますが、アマ時代に2勝(22年「パナソニックオープン」と22年「日本オープン」)を挙げているのは、男子レギュラーツアーでアマ優勝を挙げた6人の中でも、蝉川選手ただ一人です。
そんな蝉川選手と大学同期の鈴木晃祐選手は5位タイでした。レギュラーツアーは未勝利ですが、今シーズンのABEMAツアーで2連勝するなど頭角を現しています。
中島選手、蝉川選手、鈴木選手は、2000年度生まれの同学年。ちなみに、前週の「日本プロゴルフ選手権」で優勝した平田憲聖選手や、女子ツアーでは「ミレニアム世代・プラチナ世代」といわれる古江彩佳選手や吉田優利選手、西村優菜選手らも同じ年です。男女ツアーともに、この世代の存在感を感じます。
フェース面が“ほんのり見える”くらいで構える
話を今大会に戻しましょう。3日目のプレー後、中島選手が興味深いコメントを残していました。
「芝が長いせいか、グリーンがフワフワしていて、ボールが浮いている感じ。キャディーさんは『パンケーキみたい』と表現していました」
最終日は雨による中断がありましたが、大会期間中の横浜CCは連日猛暑。芝を短くしたり、コンパクションを上げることが難しかったようです。春や秋よりも葉先にバラつきがある夏場の“パンケーキ”のような柔らかいグリーンは、特にショートパットが難しく、ボールがポコポコと跳ねやすくなります。
スムーズに転がすには、打ち出し角を1~2度にするのが最適といわれています。そのためには、ダイナミックロフト(インパクト時のロフト角)を管理する必要があります。ポイントはアドレス時のフェース面の見え方です。フェース面が“ほんのり見える”くらいで構え、アドレスと同じポジションでインパクトすると、ダイナミックロフトが安定します。
アドレス時にフェース面が見えすぎている場合はハンドファーストに、フェース面がまったく見えない場合はハンドレートに構え、フェースの見え方を調整してみてください。ストローク中の体の動きはもちろん大事ですが、ダイナミックロフトを意識すると、パッティングが向上するはずです。
中島 啓太(なかじま・けいた)
2000年生まれ、埼玉県出身。アマ時代は、20年11月に男子アマチュアの世界ランキング1位、21年に「日本アマ」制覇などの活躍。年間最優秀アマ「マコーマックメダル」は2度獲得している。21年は「パナソニックオープン」で史上5人目のアマ優勝を達成。22年9月にプロ転向し、今シーズンの「ASO飯塚チャレンジドゴルフトーナメント」でプロ初勝利。「横浜ミナトチャンピオンシップ」でプロ2勝目をマークした。
石井 忍(いしい・しのぶ)
1974年生まれ、千葉県出身。日本大学ゴルフ部を経て1998年プロ転向。その後、コーチとして手腕を発揮し、多くの男女ツアープロを指導。「エースゴルフクラブ」を主宰し、アマチュアにもレッスンを行う。