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- 「プレーオフはマジで嫌だと思った」 菊地絵理香が地元北海道で今季初優勝
国内女子ツアー「ニトリレディス」の最終日、菊地絵理香が、岩井明愛、申ジエとのプレーオフの末に今季初優勝、通算6勝目を手にした。
一番前の送迎カートに迷わず乗ったワケ
◆国内女子プロゴルフ<ニトリレディスゴルフトーナメント 8月24~27日 小樽カントリー倶楽部(北海道) 6695ヤード・パー72>
ニトリレディスの最終ラウンドは雷雲接近の影響で午前10時34分に中断。天候の回復が見込めず、午後1時に中止が発表された。
3日目までの成績で優勝者を決めることになり、通算9アンダーで並んでいた菊地絵理香、申ジエ、岩井明愛の3人によるプレーオフへ。
「いやもう、マジで嫌だと思いました」
菊地は過去4度のプレーオフを経験、そのすべてで敗れていたからだ。そこで今回はプレーオフ前の行動パターンを少し変えた。
![5度目のプレーオフで見事初勝利、通算6勝目を挙げた菊地絵理香 写真:Getty Images](/wp-content/uploads/2023/08/kikuchierika_2023nitori_GettyImages-1641714486-2.jpg)
「送迎してもらえるカートは一番前に乗りました。以前は『いいよ』って譲っていたのですが、そういう記憶も蘇ってきたので、率先して一番前のカートへ何もいわずに勝手に乗り込みました」
これがいい方向に影響したとはいい切れないが、明らかに菊地の中で「もう負けたくない」という意識が芽生えていた。
それに最終ラウンドでも「結構、体も動いていましたし、いいショットもあった。ただ、(申)ジエが本当にすごくいいゴルフをしていたので、それを上回らないと勝ちはないと思っていました。とにかく悔いなく、精一杯やるだけ」と腹をくくっていた。
プレーオフは17番パー3。「距離を聞いても嫌な距離ではなかった」が、6番ユーティリティーのティショットはまさかのショート。「まさかグリーンを外すとは思っていませんでした」。そこからアプローチを2メートルに寄せた。
一方の申ジエがグリーンの速さを読み違えてまさかの3パット。岩井明愛もパーパットを外した。菊地は「不思議とパーパットはしっかりと手が動いてくれた」ときっちりとウィニングパットを沈めて、今季初優勝を手にした。地元北海道で通算6勝目を飾り、健在ぶりをアピールした。
「勝って自信とかつくタイプじゃないですけど、ちょっとホッとする部分は自分の中で毎回あります。年間2勝とか3勝とかできないのかなという部分があるので、勝ちにいくという気持で臨まないといけない。今回は本当にラッキーな部分も大きかったかなと思っています」
引退したらやりたいこと
勝ちたいという欲はまだある。このあとの試合には国内メジャーの日本女子プロゴルフ選手権と日本女子オープンも控えているが、今回の優勝で「前向きな感じでメジャーに挑める」と話す。
一方で、今年35歳を迎え、身の振り方も少しずつ考えるようにもなったという。
「最近はあまり目標とか、そういうことよりも、若い世代の選手が活躍する時代なので、正直、自分も何歳までできるか分からない。だからできるところまで全力で臨もうと思います。選手を辞めたら? 最近はラウンドレポーターとかに興味が湧いてきました」
「自分には向いてないなって思うんですけど、でも意外とやってみなきゃ分からない部分もある。そういうのもトライしてみたいなっていう気持ちもあったり、選手を辞めても楽しみがありそうだなっていう感じはあります」
できるところまで全力で――。勝利への意欲はまだ衰えていない。
菊地 絵理香(きくち・えりか)
1988年7月12日生まれ、北海道出身。ティーチングプロである父の影響で6歳からゴルフを始める。2008年のプロテストに2度目の受験で合格し、12年には年間獲得賞金ランキング43位で自身初のシード入り。15年の「KKT杯バンテリンレディスオープン」でツアー初優勝。昨季の「資生堂レディスオープン」で2位タイに入り、生涯獲得賞金6億円突破を果たした。ツアー通算6勝。ミネベアミツミ所属。
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