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ZOZOで4位 石川遼がPGAツアー復帰へ「遅すぎることはない」と確信する根拠
第5回を迎えたZOZOチャンピオンシップは日本にルーツを持つコリン・モリカワの優勝で幕を閉じた。石川遼(いしかわ・りょう)をはじめ、これまでになく日本選手の活躍も目立ち、大いに盛り上がった。
ランキングには関係なくても「ルーツである日本で勝ちたい」
日本で開催されるPGAツアーの大会として創設されたZOZOチャンピオンシップは、2019年の第1回でタイガー・ウッズがツアー最多記録に並ぶ通算82勝目を挙げ、世界中のゴルフファンを歓喜させた。
20年の第2回大会は残念ながらコロナ禍で米国開催となり、勝利したのはパトリック・カントレーだった。
習志野に戻った21年の第3回大会は松山英樹の勝利に日本のゴルフファンが沸き返り、昨年大会はキーガン・ブラッドリーの復活優勝に米国のゴルフファンが涙を誘われた。
そして、5度目の開催を迎えた今年、栄えあるチャンピオンに輝いたのは、米国出身の26歳、コリン・モリカワだった。
日系人のモリカワには「自分のルーツである日本で勝ちたい」という想いが常にあり、彼はこれまでのZOZOチャンピオンシップすべてに出場してきた「皆勤賞」だ。
今年のPGAツアーのフェデックスカップを6位で終えた彼は、今季から「フェデックスカップ・フォールの大会」という位置づけになったZOZOチャンピオンシップでは、「トップ50」のカテゴリーでの出場となるため、何位になろうともポイントやランキングは動かず「対象外」となる。
それでも彼は「日本で勝ちたい」という想いに駆られ、今年も習志野にやってきた。
モリカワは19年にPGAツアーにデビューして以来、わずか39試合の間にメジャー2勝を含む通算5勝を挙げるスピード出世をやってのけた。しかし21年の全英オープン優勝後は、一転して勝利から遠ざかり、49試合もの間、悔しい気持ちを味わってきた。
「勝利のない日々にピリオドを打ちたい」という想いも強めていたモリカワが、ついにつかんだ「ビクトリーinジャパン」は、2位を6打も引き離す圧勝だった。
「僕にとって、日本で勝つことには特別な意味がある。愛する国、歴史を持つ日本で勝てたことは、とてもうれしい」
フェデックスカップのポイントは入らずとも、153万ドル(約2億2940万円)を手に入れ、結婚後、初めて愛妻に雄姿を見せることができたモリカワは、満面の笑顔を輝かせていた。
初日を首位発進しながら2日目73で8位タイへ後退したモリカワは、「それがゴルフだ」と気持ちを切り替え、3日目66で巻き返し、最終日は63。ラウンド半ばからは完全なる独走態勢だった。
2位を6打も引き離して勝利したモリカワのゴルフは、出場していた他選手たちとは次元が異なっていたと言っても過言ではない。
そんな彼の異次元のゴルフは、これまでに挙げた5勝の実績と、その後に続いた勝利なき日々の悔しさ、そして「日本で勝ちたい」「再び勝ちたい」という想いの賜物だった。
「世界最高の舞台にチャレンジしない理由はない」
通算14アンダーで勝利したモリカワが、ただ一人「アナザー・ワールド」でプレーしていたことは事実だが、日本人選手がトップ10に3人も食い込んだことは、今大会5度目にして初めて得られた「大漁」だった。
石川遼は通算7アンダーで4位タイ。平田憲聖と久常涼は通算6アンダーで6位タイ。トップ10入りしたこの3人には、PGAツアーの次戦となるメキシコ開催のワールドワイド・テクノロジー選手権(11月2日~5日)への出場資格が授けられた。
大阪学院大学在学中の22年にプロ転向し、日本ツアーのルーキーイヤーにシード権を手に入れた平田は、今年のミズノオープンと日本プロを制し、通算2勝を挙げたばかりの22歳だ。
「タイガー・ウッズとかを幼い頃からテレビで見て憧れていた、世界最高の舞台でプレーしてみたい」と語った平田は、メキシコで挑むチャンスに「チャレンジしない理由はない」と、すでに出場意思を固めている。
21歳の久常は、昨年のZOZOチャンピオンシップでもトップ10入りに迫ったが、72ホール目のボギーで自らチャンスを手放す結果になり、悔し涙を流した。
今年の大会は、彼にとっては、その雪辱という意味があり、今年の72ホール目をバーディーで締め括った久常は「去年の悔しさを思い出して涙が出そうだった。リベンジは果たせたかな」と、笑みを見せた。
だが、雪辱だけで彼が大満足していたわけではない。今年から欧州のDPワールドツアーを主戦場としている久常は、9月のフランスオープンで初優勝を遂げ、同ツアーのポイントランキングを急上昇中だ。
現在7位。トップ10でシーズンを終えれば、来季のPGAツアー出場権が付与されるため、久常はメキシコに赴いてPGAツアー次戦に挑むより、DPワールドツアーの今季残り3試合に集中して確実にランクアップを図るほうが、「より現実的」「より賢明」と考えるのが自然である。
「メキシコは行きたいけど、タイトなスケジュールだし……ギリギリまで考えたい」
いずれにしても、世界の舞台に挑むための選択肢が今の久常の目の前には2つもあることは、道が閉ざされて泣いた昨年を思えば、大きな前進と言っていい。
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