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- 中島啓太が大会レコードで優勝! 自身初の賞金王獲得へのポイントは「最終日の赤いシャツ」?
賞金王争いが佳境に入ってきた国内男子ツアー。マイナビABC選手権最終日、単独首位でスタートした中島啓太が66をマーク。大会レコードとなる通算24アンダーにまでスコアを伸ばし、今季3勝目、ツアー通算4勝目を飾った。優勝賞金2400万円を手にした中島は、金谷拓実を抜いて賞金ランキング首位に躍り出た。
コリン・モリカワにあやかった「赤」
◆国内男子ゴルフ<マイナビABCチャンピオンシップ 11月2~5日 ABCゴルフ倶楽部(兵庫県) 7217ヤード・パー72>
マイナビABC選手権最終日、ツアープロの中でも物静かなイメージの強い中島啓太が、紅葉を思わせるような真赤なシャツでスタートホールに登場した。
「試合で赤を着たのは初めてですが、最終日をいいところで回れるときに備えてスーツケースに入れておきました」
これまでは紺や白、卒業した日体大カラーの青いシャツを主に着ていた中島がなぜ鮮やかな赤いシャツに身を包んだのだろうか。
「今年のZOZO選手権で優勝したコリン・モリカワ選手を意識しました」。モリカワといえば、20年の全米プロゴルフ選手権、21年の全英オープンを制覇したメジャーチャンプであり、今年のZOZO選手権では2位に6打差をつけるブッチ切りの優勝を飾っている。その大会最終日に着ていたのが、真赤なシャツだった。
「最強というか、強い鬼みたいな勝ち方をしていたので、自分もそんな勝ち方をしたいなと」
モリカワに対しては、以前から最後まで気を抜かず、終盤でも集中するプレースタイルに惹かれるものを感じていた中島。ひと昔前なら最終日の赤いシャツといえばタイガー・ウッズだったが、中島にとってはモリカワのイメージが強いのだ。
そんな秘められた思いを抱えながら、2位以下に1打差で最終日をスタートした中島は、前半から積極的にピンを狙っていく。2番パー4で第2打をピンそば1メートルにつけてバーディーを奪うと、3番パー3で4メートル、5番パー4で1メートルを沈めて一気にスコアを3打伸ばす。勢いは止まらず、続く6、7番でもバーディーを奪い、独走態勢に入った。
ところが、8、9番でまさかの連続ボギーを叩いてしまう。「8番はバンカーにつかまったので仕方がありませんが、9番は風の判断ミスでグリーン奥に外してのボギーだったので悔しかったです」と振り返る。それでも、すぐに気持ちを切り替え、サンデーバックナインに臨んだ。
片山晋呉の持つ大会記録を塗り替える24アンダー
後半、中島を猛烈に追い上げてきたのが、先のワールドカップで優勝した南アフリカ出身のショーン・ノリスだ。自身もラグビー経験者だけに大いに興奮したが、その勢いをぶつけるかのように後半だけで5つのバーディーを奪い、1打差まで迫ってきた。
そんな状況で迎えた15番パー5で中島はスーパーショットを見せる。ピンまで残り264ヤードの第2打、3番ウッドを手にすると、ピンそば2.5メートルにつけたのだ。それを沈めてイーグルを奪い、2位以下3打差をつける。
さらに最終18番パー5でも2オンに成功。2パットでバーディーを奪うと、左手の拳を掲げてガッツポーズをつくった。終わってみれば、03年に片山晋呉がつくった大会記録である通算23アンダーを更新する24アンダーでホールアウト。
2位のノリスに3打差をつけての優勝を飾った。モリカワの6打差には及ばなかったものの、同組の蝉川泰果に「別格にうまかった」といわしめたのだから、赤シャツ効果は十分あったといえる。
もちろん、シーズン終盤に向けて調子が上がるように試行錯誤しながら日々精進してきたからこその優勝であり、高速グリーンに合わせてパターのシャフトを硬めのカーボンシャフトに変更するなど、細かい工夫も実を結んだ形となった。
優勝賞金2400万円を上乗せしたことで、今季の獲得賞金額も1億3052万6179円となった中島。ランキング1位に躍り出たことで、目標である賞金王をグイッと引き寄せた。
シーズン終了まで残り4試合あるが、最終日に赤シャツ姿の中島がどれだけ見ることができるかにも注目したいところだ。
中島啓太(なかじま・けいた)
2000年生まれ、埼玉県出身。アマ時代は、20年11月に男子アマチュアの世界ランキング1位、21年に「日本アマ」制覇などの活躍。年間最優秀アマ「マコーマックメダル」は2度獲得している。21年は「パナソニックオープン」で史上5人目のアマ優勝を達成。22年9月にプロ転向し、23年シーズンは「ASO飯塚チャレンジドゴルフトーナメント」でプロ初勝利。その後、「横浜ミナトチャンピオンシップ」、「マイナビABCチャンピオンシップ」で優勝。
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