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- 連続年間女王・山下美夢有は何がスゴイ!? 「平均ストローク」で歴代最高記録を更新できた理由
国内女子ツアーは「JLPGAツアーチャンピオンシップリコーカップ」で全日程が終了、昨年に引き続き山下美夢有が年間女王に輝いた。なかでも「平均ストローク」は歴代最高を更新。その強さをデータから分析した。
日本選手としては不動裕理以来の2年連続年間女王
3人に年間女王の可能性があった最終戦「JLPGAツアーチャンピオンシップリコーカップ」を制した山下美夢有が2年連続で頂点に立った。世界ランキング1位経験者の申ジエ、勢いのある岩井明愛との激戦を勝ち抜いた要因は何か。データを分析すると攻撃力の増強が浮かび上がった。
2年以上連続しての年間女王(2020-21年シーズンまでは賞金女王)は樋口久子(1968~76年、1978~79年)、ト阿玉(1982~86年)、平瀬真由美(1993~94年)、福嶋晃子(1996~97年)、不動裕理(2000~05年)、アン・ソンジュ(2010~11年)、イ・ボミ(2015~16年)に続く8人目の快挙である。いずれも女子ツアーの歴史に刻まれるレジェンド。山下はそこに名を連ねたわけだ。

昨年の山下は史上最年少で年間女王に輝き、日本選手初の平均ストローク70切りを達成。さらに単一年では歴代最高となる2億3502万0967円を稼ぎ出すなど記録的なシーズンを送った。
ただ、開幕時はそれほど注目を集める存在ではなく、序盤は3試合連続予選落ちを喫するなど苦しんでいた。それが、5月にシーズン初優勝を果たして一変。8月下旬に西郷真央を抜いてメルセデス・ランキング1位に立ってそのまま押し切った。まさに勢いに乗ってつかんだ年間女王だったわけだ。
今年は追われる立場だった。感じる重圧は昨年よりはるかに大きかったはず。そんな中で夏場に申ジエに首位を明け渡しながら、終盤で抜き返しての連覇は非常に価値がある。
年間女王争いは混戦だったが、実力を示す重要なデータである平均ストロークは他を圧倒していた。歴代1位の69.4322をマークし、部門2位の岩井明には0.6282の差をつけた。同部門で2位に0.5以上の差をつけたのは2007年の上田桃子以来16年ぶり。それぐらいの大差だったのだ。
山下自身で比較しても昨年(69.9714)より0.5392も良化している。4日間大会に換算すると約2ストロークもよくなっていたわけだ。これはものすごいレベルアップである。
今季は平均バーディー数が激増
ところが、山下の部門別データを分析すると、パーオン率やパーセーブ率は昨年よりわずかだが悪くなっている。それでいて歴史的な平均ストロークを叩き出せた要因は何か。それはバーディー数の大幅上昇だ。
昨年の平均バーディー数(1ラウンドあたりのバーディー数)は3.7685で部門2位だった。それが今年は4.3828と激増した。この数字は部門1位どころか、歴代1位(従来の1位は2018年鈴木愛の4.0267)である。

単純にバーディーの総数で表すと昨年が407個で今年は458個。今年のほうがプレーしたラウンド数が3.5ラウンド少なかったにもかかわらず51個も増えているのだ。
山下は元々、パーセーブ率やリカバリー率(パーオンしないホールでパーかそれより良いスコアを獲得する率)といった守備力を示すデータは非常に高かった。そこに大幅に増強された攻撃力が加わったわけで、これが混戦の女王争いを勝ち抜いた大きな武器になった。
ここからはデータがないので推測の話になるが、パーオン率が微減したのにこれだけバーディー数が増えた要因は、乗った場合のピンまでの平均距離が近くなったこととパットを決めやすいラインに乗せられるようになったことが考えられる。つまり、ショットの技術やマネジメント力が高まったのではないだろうか。
バーディー数激増の中で特徴的なことがある。それはパー5で特に増えていることだ。先ほど昨年より51個増えたと書いたが、内訳はパー3で10個、パー4で19個、パー5で22個である。
山下はそれほど飛距離が出るタイプではない(ドライビングディスタンスは90人中53位)からパー5は3打目勝負になることが多い。つまり、3打目のショートアイアンやウェッジの精度が昨年よりかなり向上したことがうかがえる。
山下のゴルフをひとことで表現するなら「軸の太いゴルフ」だと思う。スイングの軸、メンタルの軸、マネジメントの軸などさまざまな軸が太く、しっかりとしているからブレが少ない。
だから、150センチの小さな体でシーズンとおして高いレベルで波の少ないゴルフができるのだろう。昨年以上に中味の濃い、見事な女王防衛だった。
山下 美夢有(やました・みゆう)
2001年生まれ、大阪府出身。2019年のプロテストに合格。21年の「KKT杯バンテリンレディスオープン」でツアー初勝利。22年シーズンは5勝を挙げ、史上最年少21歳103日での年間女王を達成。続く23年も公式戦「JLPGAツアーチャンピオンシップリコーカップ」連覇を含む5勝を挙げ、2年連続賞金女王の偉業を達成。ツアー通算11勝。加賀電子所属。
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