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- 16歳でプロ転向して11年 “苦労人”鍋谷太一が上がり4ホール大逆転の初優勝 賞金王は中島啓太が初戴冠
カシオワールドオープン最終日、通算10アンダーの首位タイでスタートした鍋谷太一(なべたに・たいち)が68で回り、通算14アンダーでツアー初優勝を飾った。1打差の2位タイには米澤蓮(よねざわ・れん)と宋永漢(ソン・ヨンハン)が入る。また、中島啓太(なかじま・けいた)が単独4位となり、賞金960万円を獲得。ランキング2位以下との差を4000万円以上に広げたことで、初の賞金王を確定させた。
長く感じた60センチのウイニングパット
◆国内男子プロゴルフ<カシオワールドオープン 11月23~26日 Kochi黒潮カントリークラブ(高知県) 7335ヤード・パー72>
国内男子ツアー「カシオワールドオープン」最終日、わずか60センチのウイニングパットが、鍋谷太一にとってはとてつもなく長く感じた。
通算10アンダーの首位に鍋谷を含む5人が並んでスタートした最終日、スルスルと抜け出したのは3打差の12位タイでティーオフした宋永漢だった。残り4ホールで逆に2打ビハインドとなった鍋谷だが、勝利に対する執念は捨てなかった。その気持ちがボールに乗り移り、15、17番でバーディーを奪い、ついに宋をとらえる。

迎えた最終18番パー5、ピンまで残り243ヤードから3番ユーティリティーで放った第2打は追い風にも乗り、グリーン奥のバンカーへつかまる。ライは良かったが下り傾斜であり、グリーン手前のラフに落とせば、下りのアプローチが残り、パーセーブも難しい。「落としどころだけを見て打った」というショットは、ラフをすぐ越えたグリーン上に落ち、そのままピンに向かってスルスルと転がっていき、60センチ手前で止まる。これ以上ない完璧な1打だった。
グリーンを囲む大ギャラリーの多くは鍋谷の優勝を確信したが、当の本人はとてもそんな気持ちにはなれない。自分が打つ順番が来るまで頭の中をいろんな思いが駆け巡る。
16歳でプロ宣言したものの、ようやく賞金シードを獲得できたのは昨年だった。今年は初シード選手として臨んだが、開幕戦からいきなり3試合連続予選落ちを喫する。7月には背中を痛め、思い通りのスイングができずにイライラが募った。そんなとき、久しぶりに自分が優勝する夢を見たという。「優勝した瞬間、これで試合に出れる! と喜ぶんですが、すぐにベッドの上だと気づくんです」。調子が悪く、ゴルフをやめようとさえ考えていた17、18年頃によく見た夢と同じだったが、当時と同じぐらい精神的に追い込まれていたのだろう。
何度も挫けそうになりながらも、必死でファイティングポーズをとり続けてきた鍋谷。その間、結婚して一男にも恵まれた。前に進むしかない状況で、ついに迎えた優勝のチャンス。60センチのパットを沈めればそれを手にできるのだ。ところが、ボールをマークしたときには短く感じていた距離が、徐々に長く見えてくる。「あと30センチ転がってくれていれば……。万が一、強く打ち過ぎたら、3パットもある」。不安が重くのしかかる雰囲気の中、鍋谷は開き直る。「狙ったところに打つしかない」。覚悟を決めたストロークで放たれたボールはスローモーションを見ているかのようにカップの中へと吸い込まれていった。
優勝が決まった瞬間、思わず天を仰いだ鍋谷。これまでの苦労を洗い流すかのように両目から熱いものがあふれ出す。「同組で回っていた金谷(拓実)君や細野(勇策)選手の祝福に応えられなかったのが申し訳なかったです」。それほど、頭の中が真っ白になり、何も考えることができなかった。
そんな鍋谷だが、ゴルフに対しては常にどん欲な姿勢を貫いた。ツアーのレジェンドである青木功や中嶋常幸、倉本昌弘に対しても積極的に質問したり、谷口徹には練習ラウンドで一緒に回ることをお願いしたこともある。さらに、「若い選手は相当レベルが高いので、自分より年下の選手から勉強することもたくさんあります」と、若手を参考にすることも少なくない。女子プロのキャディーを務めた経験もあるが、それも何かをつかめればという思いがあるからだろう。まだ27歳だけに来季以降のさらなる成長にぜひとも期待したい。
中島啓太の賞金王が決定

一方、優勝には届かなかったが、単独4位となった中島啓太は960万円を獲得。今季の賞金額を1億7248万6179円とし、2位の金谷拓実に4382万3847円の差をつけた。シーズンを締めくくる次戦のゴルフ日本シリーズJTカップの優勝賞金が4000万円のため、最終戦を待たずして初の賞金王が決定した。
「自分と向き合い、チームと向き合ってこの1年間戦ってきたので素直にうれしいです。賞金王になって海外へ行くチャンスが増えたなら、あらためてこのタイトルを取ってよかったと感じると思います」
昨年の賞金王である比嘉一貴がマスターズに招待されただけに、その期待も高まるところだが、世界を目指す中島にとってはあくまでも通過点の一つに過ぎない。
鍋谷 太一(なべたに・たいち)
1996年生まれ、大阪府出身。ティーチングプロである父の指導を受けて8歳からゴルフを始め、高校1年で「関西ジュニア」に優勝。その後QTにも挑戦し始め、16歳でプロ宣言。米国のミニツアーやアジアンツアー下部での武者修行を経て、2021年に国内下部のABEMAツアーで賞金ランク4位。22年にレギュラーツアーデビューし、初シードを獲得。23年「カシオワールドオープン」でツアー初優勝。国際スポーツ振興協会所属。
中島 啓太(なかじま・けいた)
2000年生まれ、埼玉県出身。アマ時代は、20年11月に男子アマチュアの世界ランキング1位、21年に「日本アマ」制覇などの活躍。年間最優秀アマ「マコーマックメダル」は2度獲得している。21年は「パナソニックオープン」で史上5人目のアマ優勝を達成。22年9月にプロ転向し、23年シーズンは「ASO飯塚チャレンジドゴルフトーナメント」でプロ初勝利。その後、「横浜ミナトチャンピオンシップ」、「マイナビABCチャンピオンシップ」で優勝。
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