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- スポンサー企業からJLPGAへの“主催権”移行は2年先送り 隆盛の女子ツアーでくすぶり続ける問題の根っこはどこに?
JLPGAは2025年から一部を除くツアー競技を自らが主催者となって開催することを目指していたが、当初の予定から2年先送りすることを現在の主催企業に申し入れたことが分かった。数年前からくすぶり続けるこの問題が軟着陸することはあるのだろうか。
「急ぎ過ぎだった。みなさんとの意見のすり合わせができていないので」
国内女子ツアーの「2025年問題」が、2年先送りされたことが分かった。
一部を除き、大会ごとにスポンサー企業が主催者となっている現在のツアーの仕組み(下記、別項参照)をガラリと変え、25年からほぼすべてのツアー競技をJLPGA(日本女子プロゴルフ協会)主催で行う方向で交渉が続けられてきたが、13日の主催者会議の席でその2年延期がJLPGA側から告げられたのだ。
「急ぎ過ぎだった。みなさんとの意見のすり合わせができていないので、というのが延期の理由でした。みんな驚いていた」と、ツアー関係者が話す。
25年からはすべてのツアー競技は日本女子プロゴルフ協会(JLPGA)主催になることを、JLPGAが各大会に通告したのは21年のこと。4年に及ぶ交渉の末、ツアー競技すべての放映権のJLPGA帰属という形になったのが22年からで、それに続く大改革として計画されていた。
しかし、この交渉は放映権問題以上に難航した。“自社のイベント”という主催者側の意識だけでなく、金銭的な問題もあった。当初、JLPGAが提示したのは賞金総額1億5000万円、運営2億5000万円がミニマム。テレビ放映抜きで最低4億というものだった。23年、賞金総額6000万円が最も少ないが、その試合に関しては賞金だけで倍以上に跳ね上がることになる。
あまりに高いと言われ、最近になって賞金総額を5000万円減らした総額3億5000万円に値下げしたが、それでも話がまとまらない。賞金はともかく、運営費の詳細がなかなか出てこず「私たちのバリュー(価値)です」の一点張りだったため、企業側も困惑していることが度々伝わってきていた。
開催コースも主催となればJLPGAが交渉して決めなければならない。そんな事情もあって、今年は9月末だった翌年のトーナメント開催契約書提出期限が、4カ月も早い24年5月に設定され、各大会との個別交渉が続けられていた。
19日には、現状のしくみで最後のシーズンとなる24年の日程発表が控えているが、25年からのことがJLPGAには重くのしかかっている。突然、2年延期が発表されたのはそんなタイミングだった。
各大会との交渉はもちろんだが、それ以上に主催者となればやらなくてはならないことはこれまでの比ではなくなる。これまで主催者任せで、そこから代理店や運営会社に発注されていたものが、すべてJLPGAからになる。そのためのスタッフもまったく足りていない現状がある。あと2年で交渉を続けながらそれをつくり上げていくことになるのだろうが、これまで出来なかったことを27年に間に合わせる秘策があるのか。推移を見守りたい。
取材・文/小川淳子
ゴルフジャーナリスト。1988年東京スポーツ入社。10年間ゴルフ担当記者として日米欧のトーナメントを取材する。1999年4月よりフリーランスとしてゴルフ雑誌やネットメディアなどに幅広く寄稿。
【別項】JLPGA“主催”と“公認”大会の違い
2023年の例でいえば、フラッグシップ大会の日本女子プロゴルフ選手権や最終戦JLPGAツアーチャンピオンシップリコーカップ、楽天スーパーレディースはJLPGAが主催。ワールドレディスサロンパスカップはJLPGAと日本テレビ放送網が共催、日本女子オープンは日本ゴルフ協会主催だが、それ以外は大会ごとに主催者が違っており、JLPGA公認という形になっている。公式戦ではないのに楽天がJLPGA主催になっているのは、新規大会はすべてJLPGA主催と決まった後の21年から始まったという事情から。
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