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- 宮里藍は賞金女王経験者!? 今週7人が出場する欧州女子ツアーは過去にも日本選手が大活躍していた?
2月15日からサウジアラビアで開催され、7人の日本選手が挑戦する予定の「サウジレディースインターナショナル」は賞金総額約7億5000万円のビッグトーナメント。そこで、注目度の少ない「欧州女子ツアー」と日本選手の関わりを改めて振り返りました。
賞金総額5000万~13億円と格差激しい欧州女子
2月15日からサウジアラビアで開催される欧州女子ツアーの「サウジレディースインターナショナル」に日本のトップクラスが7人出場する。
注目度の高い米女子ツアーに比べると日本のゴルフファンにとってあまりなじみがないであろう欧州女子ツアー。実際、どのくらいの規模でこれまで日本選手がどんな成績を残してきたのだろうか。
今年、欧州女子ツアーは28試合が予定されている。欧州男子のDPワールドツアーとの共催やチーム戦があるなどバラエティーに富んだ内容。米女子ツアーとの共催競技は「アムンディ・エビアンチャンピオンシップ」「AIG全英女子オープン」のメジャー2試合と「スコティッシュ女子オープン」の計3試合だ。
賞金総額は一般的なトーナメントで30万ユーロ前後だから日本円にして5000万円弱。ざっくりいって日本の一般的なトーナメントの半分くらいである。
ただし、トーナメント間の格差が非常に大きく、米女子ツアーとの共催になれば賞金が跳ね上がる。最高額は「AIG全英女子オープン」の900万ドルだから13億円以上にもなる。
「サウジレディースインターナショナル」は欧州女子ツアーの単独開催であるが賞金は破格。フラッグシップイベントというツアーを代表するトーナメントという位置づけでその額は500万ドル(約7億5000万円)。優勝すれば日本円で約1億1000万円が転がり込んでくる。
ツアーの開催地域は欧州だけでなく米国、アジア、オーストラリア、アフリカと世界各地に及ぶ。シーズンは先週、アフリカのケニアで開幕し、「サウジレディースインターナショナル」は今季2戦目だ。
欧州女子に初めて勝利した日本選手は樋口久子
次に欧州女子ツアーにおける日本選手の歴史を振り返ってみたい。
初めて欧州で優勝した日本の女子プロは樋口久子である。1976年に英国で開催された「コルゲート欧州女子オープン」というトーナメントだった。ただし、当時はまだ欧州女子ツアーはなく、米女子ツアーの1戦だった。
欧州女子ツアーが発足したのは1978年のこと。発足後の日本選手初優勝は岡本綾子で1984年の「全英女子オープン」を11打差で制している。当時はまだメジャーではなかったが米女子ツアーとの共催競技だった。
岡本は1990年の「ルフトハンザ・ドイツ女子オープン」も制している。こちらは共催ではなく欧州女子ツアー単独の大会だった。
1997年には小林浩美が「エビアンマスターズ」を制している。これは現在メジャーに格付けされている「エビアン選手権」の前身で、当時は欧州女子ツアー単独の大会だった。
「エビアンマスターズ」は後に米女子ツアーとの共催となり、2009、11年と宮里藍が2回優勝した。メジャーに昇格するのは2013年のことだ。
2勝目を挙げた2011年には宮里は欧州女子ツアーの賞金女王にも輝いている。米女子ツアーが主戦場だった宮里がなぜ? と思う方もいるだろう。賞金女王などのタイトルを手にできるのは当該ツアーのメンバーであることが条件だからだ。
実は宮里は「エビアンマスターズ」で1勝目を挙げた時に欧州女子ツアーメンバーの資格を得ており、条件を満たしていたのだ。加えて、「エビアンマスターズ」の賞金額が突出していていたことが大きかった。宮里はこの年、欧州女子ツアーで2試合プレーしただけで賞金女王という珍事となったのである。
ほかに米女子ツアーとの共催競技で野村敏京(2016年ISPS HANDA豪州女子オープン)、渋野日向子(2019年AIG全英女子オープン)、古江彩佳(2022年スコティッシュ女子オープン)が優勝。また、2002年の「レディースオープン・デ・コスタアズール」で高梨カンナが勝っているが、短縮競技のため公式記録にはカウントされていない。
現在、欧州女子ツアーのシードを持っている日本選手はおらず、今季は上原彩子と澤田知佳が出場カテゴリー16番目の「クォリファイングスクール21~50位」に入っているくらい。上原は開幕戦に出場して11位タイだった。
さて今週の「サウジレディースインターナショナル」には古江彩佳、笹生優花、岩井明愛、西郷真央、岩井千怜、西村優菜、勝みなみがエントリーしている。全員が「世界ランキング300位以内」という出場資格での参戦だ。
先週は星野陸也が「コマーシャルバンク・カタールマスターズ」でDPワールドツアー初優勝を飾った。同じ中東の地で日本選手による2週連続の“欧州ツアー制覇”を期待したい。
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