大事な場面のパッティングで力む人への処方箋 岩田寛の“確信歩き”を真似してみよう

多くのツアープロのコーチとして活躍している石井忍氏が、“ここはスゴイ”と思った選手やプレーを独自の視点で分析します。今回は「BMW 日本ゴルフツアー選手権 森ビルカップ」で優勝した岩田寛(いわた・ひろし)です。

アドレス時の左腕の長さを保ちクラブを振る

 6月6~9日の期間、茨城県の宍戸ヒルズカントリークラブ西コースで「BMW 日本ゴルフツアー選手権 森ビルカップ」が開催されました。

ショットもパットも力みなくストロークする岩田寛 写真:JGTOimages
ショットもパットも力みなくストロークする岩田寛 写真:JGTOimages

 大会を制したのは岩田寛選手です。43歳130日での本大会優勝は、2010年の五十嵐雄二選手(40歳283日)を抜く最年長記録。また今回で通算6勝となりましたが、岩田選手にとっては初の日本タイトル制覇です。

 同週は下部ツアーのABEMAツアー「ジャパンクリエイトチャレンジ in 福岡雷山」が開催され、こちらは42歳の内藤寛太郎選手が11年ぶりに勝利。どちらの試合もベテランが優勝という結果となりました。

 さて、岩田選手といえば、力み、淀みのない美しいスイングの持ち主です。アドレス時の左腕の長さを保ちながらクラブを振るため、スイングアークが大きく、軌道が安定しているのも特徴の一つです。

 また、岩田選手はパッティング巧者としても知られているプレーヤー。今大会のプレーを見ていて興味深かったのはラインの読み方でした。一般的なライン読みは、ボールの後ろに立ってカップ側を見たり、カップの向こう側に立ってボール側を見たり、カップとボールを結んだラインを真横から見るという3パターン。ですが、岩田選手の場合はそれにプラスして、ボールとカップの間に立ち、ボール側を見ながら素振りをするシーンがありました。限られた時間の中でいろいろな場所からラインをチェックすることで、イメージを膨らませているわけです。

リラックスして打った直後に歩き出してみる

 岩田選手のパッティングにはもう一つ特徴的な動きがありました。それはインパクトした直後、ボールが転がっている間に歩き出すことです。打った瞬間に「あ、外したな」と思った時やロングパットを打った後にすぐに歩き出す人はいますが、岩田選手は優勝がかかった正規の18番でも、プレーオフの1.5メートルのウイニングパットでも、カップイン前に歩き出してボールを拾い上げていたのが印象的でした。

 プレッシャーがかかる1打のはずですが、傍から見ているといつもと変わらぬ心理状態で「1打の価値」を変えずにストロークしているように感じました。この辺りも岩田選手の強さの一因といえるでしょう。

 打った直後に歩き出せるのは、リラックスしてストロークしている証拠です。プレッシャーがかかる場面でいつものパフォーマンスが出せない人は、岩田選手のこの動きを真似てみてはどうでしょうか。

 また、腕をダランと垂らしてアドレスする岩田選手のスタイルを参考にするのもいいでしょう。緊張する場面では、肩に力が入って腕が内旋し、ヒジが浮きやすくなります。腕をダランと下げることで肩甲骨も下がってスムーズにストロークしやすくなるはず。ぜひ試してみてください。

岩田 寛(いわた・ひろし)

1981年生まれ、宮城県出身。2004年にプロ転向し、06年に初シードを獲得。14年の「フジサンケイクラシック」で初優勝を飾った。同年は「WGC-HSBCチャンピオンズ」で1打差3位フィニッシュを果たす。15年に「セガサミーカップ」で2勝目。同年は「全米プロ」の2日目に当時のメジャータイ記録「63」をマークした。21年の「中日クラウンズ」で6年ぶりに勝利。24年「BMW日本ゴルフツアー選手権 森ビルカップ」で通算6勝目を挙げ、自身初の日本タイトルを獲得。

石井 忍(いしい・しのぶ)

1974年生まれ、千葉県出身。日本大学ゴルフ部を経て1998年プロ転向。その後、コーチとして手腕を発揮し、多くの男女ツアープロを指導。「エースゴルフクラブ」を主宰し、アマチュアにもレッスンを行う。

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