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2連勝・川崎春花の気になる仕草 アドレス前「左耳を触る」→アドレス後「カカトに体重かける」の深い意味とは?
多くのツアープロのコーチとして活躍している石井忍氏が、“ここはスゴイ”と思った選手やプレーを独自の視点で分析します。今回注目したのは、「ミネベアミツミ レディス」「大東建託・いい部屋ネットレディス」で連勝した川崎春花です。
川崎春花が行う興味深い2つの仕草
「大東建託・いい部屋ネットレディス」は、前戦の「ミネベアミツミ レディス」に続く連勝で川崎春花選手がツアー通算4勝目を挙げました。2003年度生まれの川崎選手は“ダイヤモンド世代”です。今季1勝目の「ミネベアミツミ レディス」では、同世代の尾関彩美悠選手、櫻井心那選手と最終日最終組でプレーしたことが話題になりました。他にも、竹田麗央選手や神谷そら選手、今季のステップ・アップ・ツアーでアマ優勝した都玲華選手などがダイヤモンド世代の一員として活躍しています。
今大会で川崎選手がマークしたトータル28アンダーというスコアは、16年にテレサ・ルー選手が記録した24アンダーを4打更新するツアー記録です。また、この試合はバーディーとイーグルが量産され、5位の青木瀬令奈選手までで20アンダー。48位までが2桁アンダーという伸ばし合いになりました。象徴的だったのは5番パー4です。通常よりもティーを前に出したワンオンが狙えるコースセッティングで、4日間のイーグル数は19個、バーディー数は191個。平均ストロークは3.4360でした。

ちなみに、同週はスコットランドのロイヤルトゥルーンで「全英オープン」が開催されましたが、5番パー3の平均ストロークは3.340。ポステージスタンプ(郵便切手)と呼ばれる名物パー3(8番)は3.160。また、国内女子ツアーの名物パー3といえば、「フジサンケイレディスクラシック」の17番が有名ですが、今年の平均ストロークは3.2537でした。「大東建託・いい部屋ネットレディス」の5番パー4は、難しいパー3と比較したくなるくらい好スコアが生まれたホールとなりました。
さて、前週と今大会の川崎選手を見ていて興味深い仕草が2つありました。1つは構える直前に左手で一瞬、左耳に触れることです。最初に気付いた時は「たまたま触っただけかな?」と思いましたが、その後のショットでも何度か同じ仕草をしていたので、何か意味があるはず。そう思い本人に聞いてみると、「ボールの位置を確認しています」とのことでした。川崎選手はドライバーのボール位置を左耳の延長線にセットする意識があり、左耳に触れてポジションがズレていないかをチェックしているそうです。
もう1つはアドレスした後、背中側にわずかに倒れるようにカカトに体重を乗せる仕草です。このシーンが見られたのは、今大会最終日の16番パー3。右サイドからグリーン手前に大きな池があり、グリーン左サイドにバンカーがあるシチュエーションです。
スライスで悩む人は構えたあと一旦カカトに体重を
ゴルフスイングは体の正面の地面にあるボールに対して構えるため、ツマ先側に体重がかかりがち。また、トップからインパクトにかけては体の後ろ側から体の前側に向かってヘッドを振り下ろすため、ダウンスイングは遠心力がかかって体が前に突っ込みやすくなります。そのため、アドレスの段階からツマ先側に体重をかけていると、アウトサイド・イン軌道になりやすくなるわけです。
スライスで悩んでいる人は、川崎選手のように構えた後に一旦カカトに体重を乗せてみてください。重心が前にいきすぎず、母指球あたりに体重が乗ったバランスの良いアドレスを作りやすくなります。
カット軌道を直そうとしてダウンスイングの手の動きを意識している人がいるかもしれません。しかし、それだけでなく足裏の重心位置を整えると、ボールのつかまりが良くなるはずです。
川崎 春花(かわさき・はるか)
2003年生まれ、京都府出身。21年のプロテストに合格。22年のステップアップツアーでプロ初勝利を挙げる。同年のレギュラーツアーでは、大会史上最年少の19歳でツアー初勝利を飾ったメジャー「日本女子プロゴルフ選手権」を含む2勝。23年は未勝利だったが、24年は「ミネベアミツミレディス」「大東建託・いい部屋ネットレディス」で2連勝を挙げている。通算4勝。村田製作所所属。
【解説】石井 忍(いしい・しのぶ)
1974年生まれ、千葉県出身。日本大学ゴルフ部を経て1998年プロ転向。その後、コーチとして手腕を発揮し、多くの男女ツアープロを指導。「エースゴルフクラブ」を主宰し、アマチュアにもレッスンを行う。
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