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「内容はどうでもいい」は普段と別人!? 松山英樹のパリ五輪コメントを元プロ野球審判のメンタルアドバイザーが読み解く
現地時間の11日に閉幕したパリ五輪。男子ゴルフでは松山英樹(まつやま・ひでき)が銅メダルを獲得しましたが、松山のコメントから五輪という特別な大会への思いをメンタルアドバイザーの丹波幸一(たんば・こういち)氏が読み解きます。
初日終了後:「内容はどうでもよく、結果が出ればそれでいい」
パリ五輪で銅メダルに輝いた松山英樹。「普段のトーナメントやメジャーの時と発言の感じが違う」「3位でも本当にうれしそう」などといった声も聞かれます。松山が五輪期間中に出したコメントの真意とは? 元プロ野球の審判で、現在はプロゴルファーをはじめ、さまざまなスポーツ選手のメンタルアドバイザーを務める丹波幸一氏が読み解きます。

※ ※ ※
松山選手が初日のラウンド終了後に「内容はどうでもよく、結果が出ればそれでいい」と発言したことは、普段の彼のスタイルとは異なるものでした。通常、松山選手は理想のスイングを追い求め、スコアよりも内容を重視するタイプです。この発言からはオリンピックへの特別な覚悟とメダルへの強い執着が見受けられます。
松山選手が2年ぶりの優勝を果たした2月のPGAツアー「ジェネシス招待」の最終日、ボギーなしの9バーディーで「62」を叩き出した際も、試合後には「ショットの内容は3オーバーくらいの内容だった」と語っています。このような自己評価の厳しさと、ショットが悪くても自分をコントロールしてスコアメイクできるメンタルの強さが備わっているのが松山選手の強さです。
また、いつもの姿勢ではなく結果だけにこだわったのは、自分本位ではなく国の代表としてオリンピックにかける強い意思表明だったとも思います。
2日目終了後:「苦しい終わり方になってしまったが、2日目でよかった」
松山選手が2日目終了後に「苦しい終わり方になってしまったが、2日目でよかったし、3日目、4日目に向けて気合いを入れ直せということだと思う」と述べたことには、自己承認と自己肯定の姿勢が見えます。言い訳をするのではなく、ミスしたことを受け入れることによる心の深い部分での大きな自信がうかがえます。
「気合いを入れ直せ」という部分は、ミスをポジティブなエネルギーに変換しようとする力強い意志表示です。失敗を過去の出来事として処理し、未来に向けて気持ちを新たにする松山選手のメンタルの強さが感じられます。
3日目終了後:「最終ラウンドはすべてがうまくいかないとチャンスはないと思う」
3日目終了後の発言「終わったことなので、明日に切り替えて頑張りたい。最終ラウンドはすべてがうまくいかないとチャンスはないと思うので、しっかり準備をしたい」からも、松山選手のメンタルの強さがうかがえます。過ぎ去った過去にとらわれず、未来に目を向けています。
「すべてがうまくいかないとチャンスはないと思う」という発言は、自己分析と目標の明確化を示しており、「しっかり準備をしたい」という具体的な行動計画を立てることで、実際に行動に移しやすくなっています。
銅メダル獲得後(1):「メダルを持ったことで、何か自分の中で変わる部分があると思います」
銅メダルを獲得した松山選手は「東京オリンピックでは男子がメダルを取ることができなかったので、うれしいです」と語りました。この発言には、日本のゴルフ界を背負う使命感が強く感じられます。
松山選手はオリンピックに向けて、全英オープン後のオープンウイークや前週に戦略を立て、可能な限りの準備をしてきました。これが達成できたことへの喜びが松山選手の言葉に表れています。
また、「メダルを持ったことで、何か自分の中で変わる部分があると思います」という発言は、2021年にマスターズチャンピオンになったことで新たな景色を見た自覚の表れと言えるでしょう。プロゴルファーにとってマスターズチャンピオンは格別であり、それを実現したことによる自らの影響力の大きさを感じてきたでしょう。発する言葉、態度、所作など、マスターズ王者として培ってきたものにに加え、メダリストという新たな地平に至ったことにより、日本のゴルフ界への使命感が強く感じられる発言につながったのでしょう。
銅メダル獲得後(2):「表彰台の隣の金メダルを見ると、うれしい反面、くやしいところもあります」
「金メダルのチャンスもあり、表彰台の隣の金メダルを見ると、うれしい反面、くやしいところもあります」という発言には、次世代へもっと上を狙えというメッセージが込められているとも考えられます。また、松山選手は既にシーズンで戦うライバルに意識を向けており、これからもさらなる高みを目指して挑戦を続ける決意が感じられます。
※ ※ ※
松山英樹の五輪期間中の発言には、強いメンタルと自己分析力、そして未来への視点が色濃く反映されていました。
【解説】丹波幸一

現在、プロゴルファーをはじめさまざまなスポーツ選手のメンタルアドバイザーを務めている。2022年シーズンまでの30年間、プロ野球審判員として通算2153試合を裁き、第3回ワールドベースボール・クラシック(WBC)、東京2020オリンピックの出場経験、プロゴルファーや他アスリートへのメンタルアドバイス経歴を踏まえ、ランチェスター経営をベースに、経営者のコーチングや企業セミナー、講演活動など、ヒトに関する問題に携わっている。
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