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- 悲願の国内メジャー狙う上田桃子に“大谷翔平級”の数字!? 日本女子OPで優勝候補といえるワケ
女子ゴルフ界で「悲願」という言葉が最もしっくりくるのは、上田桃子(うえだ・ももこ)の国内メジャー(公式戦)制覇かもしれない。優勝にあと一歩届かず涙を飲んできた上田だが、数字の上ではベテランの域になった現在でも優勝候補に挙げられるべき実績を残している。
国内メジャー=公式戦の予選通過率は94.9%
公式競技(メジャー)の度に「今度こそ」と言われ続ける上田桃子が、今週の「日本女子オープンゴルフ選手権」で通算60回目のメジャーを迎える。メジャーのタイトルにはまだ縁がない上田だが、あるデータでは“大谷翔平級”の驚異的な数字を叩き出し、実力の高さを証明している。そのデータとは何か。
50本塁打と50盗塁を米大リーグ史上初めて同一シーズンで達成させたドジャースの大谷翔平。盗塁は現地時間9月22日のロッキーズ戦終了時で55個に達しているが、驚くべきはその成功率の高さである。59回盗塁に挑んで失敗したのはたったの4回。成功率は93.2%にも達している。
59回という数字は偶然にも上田がこれまでに出場したメジャーの試合数と一致する。そして上田の予選通過数は56回(JLPGAツアーチャンピオンシップリコーカップは予選カットがないが、最後までプレーすれば予選通過数にカウント)。予選通過率は94.9%である。比較対象にならないことは十分承知しているが、単純に数字だけをみれば大谷の盗塁成功率と張り合っているわけだ。
大谷の93.2%という盗塁成功率は米大リーグ史上でもトップクラスだそうだが、上田の94.9%もかなりすごい。公式競技に50試合以上出場歴のある40選手中、第2位の数字なのだ。
歴代1位は通算41勝の永久シード選手・森口祐子で98.4%。62回出場して予選落ちはたったの1回しかなかった。
上田に次ぐ第3位は樋口久子で94.1%。68回プレーして予選落ちが4回あった。樋口といえば初期に無敵を誇った絶対的女王であり、公式競技では歴代最多の17勝を挙げている。
第4位は岡本綾子の91.2%である。上田の予選通過率は樋口、岡本というレジェンド中のレジェンドを上回っているのだからその価値は非常に高い。
過去4年間の通算スコアで上田を上回るのは1名だけ
上田は予選を通過するだけでなく上位に入った数も多い。トップ10入りはこれまで24回。これは歴代11位タイの数である。
2位と3位は3回ずつ。最終日最終組でプレーしたことは5回ある。2011年の「ワールドレディスチャンピオンシップサロンパスカップ」では1打差首位で迎えた最終日に前半でスコアを崩して4位タイに終わった。日米通算17勝の実力者も公式競技の優勝だけは届きそうで届かないのだ。
今週の「日本女子オープンゴルフ選手権」、上田は過去4年間で3位タイ、2位タイ、22位タイ、8位タイという成績を収めている。同じ期間で比べると、他の公式競技3大会よりも良い成績である。
「日本女子オープンゴルフ選手権」は他の公式競技よりも厳しいセッティングになるケースが多く、若さや勢いよりも経験や粘り強さが生きる展開になる傾向がある。だからこそ、大ベテランの域に入って来た上田にとっては他の大会よりもチャンスがあるといえるのではないだろうか。
それを裏付けるデータもある。上田の過去4年間の「日本女子オープンゴルフ選手権」通算スコアは14アンダーである。上田のように4年間すべて予選を通過している選手は計14人いるが、その中で上田よりもいいスコアをマークしているのは2020年と23年のチャンピオンである原英莉花(21アンダー)しかいないのだ。
14人の中には昨年、一昨年の年間女王である山下美夢有や、今なお世界のメジャーで上位争いする申ジエもいるが、山下は通算イーブンパー、申は7アンダーにすぎない。上田がいかに毎年頑張っているかが分かるデータである。
間もなく始まる上田にとって60回目の公式競技。悲願成就に向かって突き進むしかない。
上田 桃子(うえだ・ももこ)
1986年6月15日生まれ、熊本県出身。2005年プロ入り。07年にミズノクラシックなど年間4勝を挙げ、翌年から米ツアーに挑戦。21年6月に入籍。22年の「富士フイルム・スタジオアリス女子オープン」優勝がミセスでの初勝利となった。ZOZO所属。
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