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【女子ゴルフ来季日程が判明】17年続いた大会が消滅も37試合維持の見込み “1増1減”から見えてくるJLPGAの未来とは?
2025年JLPGAツアーは今季と同じ37試合が開催される見込みであることが関係者への取材により明らかになった。しかし、その内実は“現状維持”とはまったく異なるものだった。
明治安田の試合が時期を移動しただけに見えるが…
2025年JLPGAツアーは1増1減。今季と同じ37試合が開催される見込みとなっていることが関係者への取材により明らかになった。
21日からの「JLPGAツアーチャンピオンシップリコーカップ」(宮崎県・宮崎カントリークラブ)で約9カ月間に及ぶシーズンを終える国内女子ツアー。水面下では来年に向けての準備が整っているが、日程発表は例年通りまだ行われていない。
だが、来年のトーナメント開催申込は終了しており、すでにその動向が判明している。シーズン第2戦の「明治安田レディス ヨコハマタイヤゴルフトーナメント」が消失する。
この大会は「ヨコハマタイヤゴルフトーナメントPRGRレディスカップ」として、08年に第1回大会を開催。以来、高知県の土佐カントリークラブを舞台に行われてきた。強く印象に残るのが4回目の11年大会だ。初日が3月11日。第1ラウンドは行われたものの、同日に発生した東日本大震災の影響で大会自体の中止が決定。津波が来ることも考えられたため、選手や関係者は高台のコースにしばらくの間待機した。
シーズン2戦目の大会として定着し、明治安田生命保険相互会社が特別協賛となり、大会名が変わった20年大会は、新型コロナウイルス感染拡大によって再び中止の憂き目にも遭っている。が、2度の中止はいずれも外的理由で、大会名は変わっても主催者はずっと横浜ゴム株式会社だった。しかし、来年からこの大会はツアーから姿を消すことになる。
新規大会も前出の明治安田が特別協賛につき、24年には試合がなかった7月に行われる。
分かりにくいのだが、これまでは一部を除き、スポンサー企業が主催者で(他企業が特別協賛になる場合もある)日本女子プロゴルフ協会(JLPGA)はツアー競技として大会を公認する立場だった。しかし、JLPGAはここ数年、この仕組みを根本から変えようとしている。一見すると明治安田生命の試合が3月から7月に動いただけのように見えるが、内情は全く別の新しい試合だ。
27年からはすべて主催JLPGA、スポンサーは特別協賛に
JLPGAは27年ツアーからすべての試合を自ら主催することを宣言している(もともとは25年からのはずだったが2年延期された)。ツアーの仕組み自体を一新する方針だ。新規大会は新しい仕組みでしか行えず、明治安田は特別協賛だが、主催はJLPGAという新しい形となる。横浜ゴムが主催する大会の特別協賛という立場ではない、というところが、これまでとは決定的に違う。
これまではフラッグシップトーナメントである「ソニー日本女子プロゴルフ選手権」が唯一のJLPGA単独主催大会という時代が続いていた。日本ゴルフ協会主催の日本女子オープンは別として、現在はJLPGA単独主催の「JLPGAツアーチャンピオンシップリコーカップ」も17年まではJLPGAと日本テレビの共催だった。
もう一つの公式戦「ワールドレディスチャンピオンシップ サロンパスカップ」は、今でもJLPGAと日本テレビが共催している。こちらはもともと日本テレビが開局20周年記念事業として行っていたスポンサートーナメントを08年から公式戦に“昇格”させたもので、翌09年から舞台を東京よみうりカントリークラブ(東京都)から茨城ゴルフ倶楽部(茨城県)に移したものだ。
公式戦以外で初めてJLPGA主催で行われたのは、「楽天スーパーレディース」(21~23年)の一つだけ。新しい仕組みを進める中での試金石と見られたが、あっさり終わってしまった。それ以来、初の新しい仕組みでの大会となるだけに、27年以降を占う意味も持っている。
特別協賛が同じ企業だから分かりにくいが、試合は一つ減り一つ増えた格好。だが、その裏では27年以降のJLPGAツアーに向けたさまざまな動きが続いている。
JLPGAオフィシャルスポンサーの一つである明治安田とのタッグは、JLPGAにとって心強いものには違いない。ただ、今後については特別協賛となることが魅力的なものかどうかは不透明。大会が存続していくかどうかは、今後のトーナメントの内容次第であることはいうまでもない。
開幕直後にいきなり1週空いてしまう25年シーズン。JLPGAがその先にどんなビジョンを持ち、実行に移すのか。これもまた、今のところ不透明だ。
取材・文/小川淳子
ゴルフジャーナリスト。1988年東京スポーツ入社。10年間ゴルフ担当記者として日米欧のトーナメントを取材する。1999年4月よりフリーランスとしてゴルフ雑誌やネットメディアなどに幅広く寄稿。
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