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- 渋野日向子のライン読み前の仕草にスムーズ始動のヒントあり! 球を置かずにアドレスしてカップを見ると何がいい?
多くのツアープロのコーチとして活躍している石井忍氏が、“ここはスゴイ”と思った選手やプレーを独自の視点で分析します。今回は、米女子ツアー「アニカ・ドリブン by ゲインブリッジ at ペリカン」の渋野日向子(しぶの・ひなこ)です。
ドローの曲がり幅を抑えられていた渋野日向子
米女子ツアー「アニカ・ドリブン by ゲインブリッジ at ペリカン」は、約2カ月ぶりの復帰戦となったネリー・コルダ選手の優勝で幕を閉じました。1打差2位からスタートした最終日は、後半で5連続バーディーを奪うなどスコアを伸ばして通算14アンダーでフィニッシュ。今シーズン7勝目、ツアー通算15勝目を飾りました。
日本勢の最上位は通算6アンダーの勝みなみ選手でした。また通算4アンダーの畑岡奈紗選手が25位タイに入っています。
今大会で予選を通過した日本勢はもう一人、渋野日向子選手でした。最終日は「74」とスコアを伸ばせずに通算1アンダーの34位タイで終戦しましたが、3日目に「65」を出すなど、好調時のゴルフをしていたように見えました。
ドローボールが持ち球の渋野選手は、調子を崩してくるとドローの曲がり幅が大きくなり、セカンドショットをグリーン左奥に外す傾向がありました。しかし、今大会では右サイドのピンハイにつけるシーンが多く見られ、チャンスを作り出していました。
曲がり幅を抑えられていたのは、スイング軸を右に倒し過ぎずにインパクトを迎えられているから。アドレス時の軸の傾きを維持ながらダウンスイングに移行していたため、インサイドアタックが強くなりすぎずにほどよいドローボールでグリーンをキャッチしていました。
さて、そんな渋野選手がグリーン上で興味深い仕草をしていたのでご紹介します。
マークしてボールをピックアップすると、ボールをセットしていない状態でアドレス姿勢をとり、カップに目をやります。その後、ボールをセットし、カップとボールを結んだ後方線に下がってラインをチェック。そしてアドレス位置に戻ってストロークを始めるのです。
ボールを置かずに一旦アドレスをしてカップを見る行為にはどんな意味があるのでしょうか。
最初に構えた時の景色をインプットしておく
一般的には「アドレスするのはストロークするときだけ」というケースが圧倒的に多いですよね。この流れで構えると、打ち始める直前まで自分が打つ時の景色を見ていないことになります。
例えば、ひと通りのルーティンを済ませてアドレスに入ったとき、「あれ? なんか気持ち悪いな」と感じてスムーズに始動できないときがありますよね。
渋野選手のように、まず最初に構えたときの景色をインプットしておけば、 アドレス時の景色をイメージしながらラインを読むことができるわけです。ストローク前にモジモジしてしまう人、ラインをイメージするのが苦手という人は、ぜひ渋野選手のルーティンを試してみてください。
渋野 日向子(しぶの・ひなこ)
1998年生まれ、岡山県出身。2019年の「AIG全英女子オープン」でメジャー初制覇。同年は国内ツアーでも国内メジャーを含む4勝をマークし、賞金ランキング2位の成績を残した。2020-21シーズンは、「スタンレーレディスゴルフトーナメント」と「樋口久子 三菱電機レディスゴルフトーナメント」で勝利。22年から米ツアーを主戦場に戦っている。24年は「全米女子プロ」7位、「全米女子オープン」2位などの成績を残している。国内ツアー通算6勝。海外メジャー1勝。サントリー所属。
【解説】石井 忍(いしい・しのぶ)
1974年生まれ、千葉県出身。日本大学ゴルフ部を経て1998年プロ転向。その後、コーチとして手腕を発揮し、多くの男女ツアープロを指導。「エースゴルフクラブ」を主宰し、アマチュアにもレッスンを行う。
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