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- 過去に「27アンダー」で優勝できなかった大会ってあるの? 岩井明愛の驚異的なスコアが更新した数々の記録を検証した
米女子ツアー「ホンダLPGAタイランド」でルーキーの岩井明愛が驚異的なプレーで優勝を争った。優勝こそできなかったが、「通算27アンダー」のすごさを改めて検証した。
岩井明愛が日本人選手の最小ストロークを3打更新
米女子ツアー「ホンダLPGAタイランド」でルーキーの岩井明愛が驚異的なプレーで優勝を争った。最終日に11アンダー「61」を叩き出し、4日間通算では27アンダーをマーク。
優勝したエンジェル・イン(米国)にわずか1打及ばずの2位に食い込み、ツアー史上でも稀な記録的なスコアでの戦いを演出した。
最終日18番でねじ込んだイーグルパットが岩井のこの日61打目だった。通算27アンダーとして、一瞬、首位のインに並ぶ。その直後にインが短いバーディパットを沈めて米女子ツアー初優勝はお預けになったが、数々の記録を打ち立てる熱い4日間となった。

岩井はどんな記録をつくったのか。まず、「61」は初日に自らが並んでいた大会コース記録を塗り替えるものだ。また「61」は日本人選手の米女子ツアーにおける18ホール最少ストロークタイ記録でもある。
これまで「61」をマークしていた日本人選手は藤井かすみ(2002年武富士クラシック)、横峯さくら(2018年ショップライトLPGAクラシック)、畑岡奈紗(2021年マラソンLPGAクラシック)、西郷真央(2024年CPKC女子オープン)という面々。岩井は5人目となる。18ホールで11アンダーも日本人選手タイ記録で、こちらは西郷に次ぐ2人目だ。
岩井は大会初日に「62」を出しており、米女子ツアーで「62」以下のスコアを複数回マークした日本人選手は岩井が初めてである。
4日間通算では261ストローク、27アンダー。これは畑岡が2023年の「CMEグループツアー選手権」で出していた264ストローク、24アンダーを塗り替える日本人選手最少ストローク、最多アンダー新記録。岩井はツアーメンバーになってわずか2戦目でこれだけのスコアを出したのだから恐れ入る。
パット数では優勝したインを上回った岩井明愛
記録は“日本人選手限定”にとどまらない。優勝したインの28アンダーはツアー歴代3位タイで岩井の27アンダーは6位タイという、両者がツアー史上でも上位のスコアで争った記録的な戦いだったのだ。
言葉を替えれば、長い米女子ツアーの歴史の中で岩井よりもいいスコア(アンダーパー)を出した選手は5人しかいないということ。勝てなかったことよりも、ルーキーがこれだけすごいプレーをしたことを讃えたい。
ちなみに72ホール通算アンダーパーの歴代1位はキム・セヨン(韓国)が2018年の「ソーンベリークリークLPGAクラシック」で出した31アンダー、2位は翌2019年の同大会でフォン・シャンシャン(中国)がマークした29アンダーだ。
フォンが勝った2019年「ソーンベリークリークLPGAクラシック」での2位は1打差の28アンダーで回ったアリヤ・ジュタヌガーン(タイ)だった。これが2位の選手としての歴代最多アンダーパー。岩井の27アンダーは2位の選手としてはこれに次ぐ2番目の記録である。
今回、驚異的なスコアを生み出した大きな要因はパッティングにある。岩井の4日間のパーオン率は83.3%で全体の5位という高いものだったが、優勝したインは全体1位の91.7%だったからショットではインが優勢だった。対してパット数は岩井が全体5位の109でインは115。グリーン上のパフォーマンスではインを凌駕していたのだ。72ホールのパット数109は国内を含めても自己最少タイだった。
ツアーメンバーとしてのデビュー戦(ファウンダーズカップ)はツインズの妹・千怜とともに予選落ちだったが、2戦目で強烈なインパクトを世界に与えた。次は妹とともに来週の国内ツアー開幕戦「ダイキンオーキッドレディス」に参戦。米女子ツアーの次戦はツインズともに3月最終週の「フォード選手権」の予定だ。
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