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- 8打差以上から最終日にさらに差を広げて勝ったのは吉田優利を含め4人だけ! レジェンドしかいないほかの3人は誰?
国内女子ツアーの第2戦「Vポイント×SMBC レディス」最終日。首位スタートの吉田優利(よしだ・ゆうり)が盤石のプレーで2位に9打差をつけ圧勝した。そこで、大量リードで最終日を迎えた場合の優勝データを調べてみた。
8打以上の大量リードで最終日を迎えたのは過去11例
国内女子ツアーの「Vポイント×SMBCレディス」は8打の大量リードで最終日に入った吉田優利が1アンダーの71で回り、通算13アンダーでフィニッシュ。2位との差を9打に広げて2年ぶりの通算4勝目を飾った。8打以上の大量リードをさらに広げての優勝は実は簡単ではない。過去に達成していた顔ぶれは世界トップ級の超豪華版。そこに吉田も名を連ねた。

圧倒的な大差を持って迎える最終日、はた目には「もう優勝は間違いなし」と映っても当事者は接戦の優勝争いとは異なる種類の緊張感に襲われているはずだ。8打も差があれば普通にプレーすれば負けることはないと分かっている。だからこそ心の置きどころが難しく、プレーがぎごちなくなる。そういうケースが多いのである。
1967年に女子プロのトーナメントが始まって以降、8打以上の大量リードで最終ラウンドを迎えたことは吉田以前に11例あった。今回の吉田と同じ8打差が5例、9打差が4例、10打差が2例という内訳だ。
この11例すべてが結果的には優勝しているのだが、うち8例は差を縮められての勝利だった。2000年の「東洋水産レディス北海道」、通算14アンダーで10打のリードを奪っていた安井純子は最終日に74と苦戦して終わってみれば4打差だった。1985年「那須小川レディス」のト阿玉(台湾)と2007年「We Love KOBEサントリーレディス」の張娜(中国)は8打差が3打差になっている。
最近では2022年「楽天スーパーレディス」で勝みなみが9打差で迎えた最終日に71と伸ばし切れずに5打差にまで縮められ、同年の「ミヤギテレビ杯ダンロップ女子オープン」最終日を8打のリードで迎えた山下美夢有がこれまた71にとどまって2位グループとは5打差で終えている。
8例の最終日平均ストロークは73.5。実績のある選手でもグイグイとスコアを伸ばしていた前日までとは違うゴルフになっていたわけだ。
日本人では福島晃子と吉田優利の2人だけ
11例中、差を広げて優勝した3例を古い順から紹介すると1996年「伊藤園レディス」のローラ・デービース(英国)、2000年「ニチレイカップワールドレディス」のカリー・ウェブ(オーストラリア)、2004年「シャトレーゼクイーンズ」の福嶋晃子という面々である。デービースは9打差で出た最終日に66を叩き出して15打差でフィニッシュ。これが国内女子ツアーにおける最多差優勝になっている。
デービースとウェブは米女子ツアーのプレーヤー・オブ・ザ・イヤー経験者で一時代を築いた名選手。福嶋は国内賞金女王2回のほか、米2勝の実績があった。大量リードをさらに広げるには、これくらい周囲を圧倒するような存在感が必要なのだと思わせる顔ぶれだ。

吉田はそれくらい難しいことを、日本人選手に限れば福嶋しかできなかったことをやってのけたのである。大会の平均ストロークが74超という難コースで2日目に出した異次元の64は見事だが、心の持ちようが難しい最終日の71もそれに劣らないくらい価値があるスコアではないだろうか。
吉田のプレー内容を分析してみると、パーオン率はスコアほどよくはなかった。その数字は68.52%で全体の6位タイに過ぎなかったのである。
他を圧倒していたのはショートゲームだ。パーオンできなかった17ホール中、スコアを落としたのはたったの3ホール。リカバリー率(パーオンできなかったホールでパーかそれよりいいスコアを獲得する率)は82.35%というハイアベレージだった。
そして3日間のパット数は圧倒的1位の78。チャンスで確実にバーディを決め、ピンチのホールは小技でしのぐ。理想的なゴルフで難コースを攻略し、独走したわけだ。
吉田は日本で2022、23年と70%を超えるリカバリー率を記録して2年連続部門1位に輝いた小技の達人である。しかし、米女子ツアーに参戦した昨年はリカバリー率(米女子ツアーの名称はスクランブリング)が55.47%で部門73位と低迷。異国の地で自身の強みが消され、スコアメークに苦しんだ。
今季はまだ米女子ツアーで出場2試合ながらリカバリー率70.59%で部門14位にまで復調。23位タイ、25位タイという安定した成績につながっている。蘇った持ち味が地元の千葉県で、しかもホステス大会での優勝という最高の結果を呼び込んだ。
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