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- 竹田麗央がロブショットで“フェースどん開きにしない”メリットとは? アプローチで球を上げられない人はぜひ参考に!
多くのツアープロのコーチとして活躍している石井忍氏が、“ここはスゴイ”と思った選手やプレーを独自の視点で分析します。今回は米国女子ツアー「ブルーベイLPGA」で米ツアー2勝目を挙げ、今週の国内女子ツアー「富士フイルム・スタジオアリス女子オープン」に凱旋出場している竹田麗央(たけだ・りお)です。
やわらかい球でグリーンをとらえ、傾斜を使ってピンそばに
今週の国内女子ツアー「富士フイルム・スタジオアリス女子オープン」に凱旋出場している竹田麗央。3月の米女子ツアー「ブルーベイLPGA」では同ツアー2勝目を挙げました。通算17アンダーで後続に6打差をつける圧倒的な勝利です。

優勝した「ブルーベイLPGA」開催コースの鑑湖ブルーベイGC(中国)は、グリーンの難しさが特徴の一つ。面積はそれほど小さくないものの、大きな起伏や段があってグリーンがいくつかの小さな面に分かれています。そのため、たとえグリーンをキャッチしても、別のエリアに乗せるとあさっての方向にボールが転がり、ピンから遠ざかってしまうケースもあります。
多くの選手がこのグリーンに苦戦していましたが、竹田選手は「どこに着弾させ、どう転がして寄せるか」をイメージし、持ち味の精度の高いショットで攻略しました。本人に直接話を聞いてみると、「いい感じのフェードが1週間通して打てたと思います」と、手応えを感じた大会だったようです。
最終日は8バーディー、ノーボギーの「64」でプレーした竹田選手ですが、ピンチがなかったわけではありません。パー5の14番ホールではこんなシーンがありました。
2オンを狙った右ラフからのショットがグリーンにバウンドし、スロープをつたって奥にこぼれ出てしまいます。3打目はグリーン奥からの背丈以上ある打ち上げのシチュエーション。距離感が非常に難しく、落とし所を間違えればグリーンから再び転がり落ちてしまう可能性もあります。
竹田選手はここでロブショットを選択。やわらかい球でグリーンをとらえ、傾斜を使ってピンそばに寄せてバーディーを奪いました。ロブショットというと、フェースを思いっきり開いてフワっと球を上げる打ち方を想像する人が多いと思います。しかし、この時の竹田選手はフェースの開き具合よりもクラブをタテに振ることで球を上げるロブショットを打ちました。
思い切りフェースを開くロブショットはボールが前に飛ばなくなるため、振り幅やスイングスピードを上げなければいけません。つまり、ショットの精度や距離感が落ちやすくなります。一方、タテ振りで球を上げるロブショットならそれほど大きくフェースを開く必要はなく、距離感を合わせやすくなります。
「アドレスの位置にクラブを戻す」イメージ
ロブショットに限らず、球を上げたいアプローチを打つ時にもタテ振りは有効です。打ち方のコツは、背中側に壁をイメージし、クラブを壁に当てないようにスイングすること。バックスイングで背中側にクラブを回さず、アップライトにクラブを上げていくといいでしょう。
ダウンスイングは腕の力に頼ってクラブを振り下ろすのではなく、「アドレスの位置にクラブを戻す」イメージでインパクトを迎えます。すると、フワっと球が上がるショットが打ちやすくなります。
実際に壁を背にして素振りする場合は、クラブを逆さにしてヘッド側を持つと安全です。バックスイング側でもフォロー側でもクラブが壁に当たらなければOK。タテ振りで球を上げる打ち方をぜひマスターしてください。
竹田 麗央(たけだ・りお)
2003年生まれ、熊本県出身。母は女子プロの平瀬哲子、おばは1993年、1994年に賞金女王を獲得した平瀬真由美。昨シーズンはプロ初優勝を含む年間8勝を挙げて年間女王を獲得。昨シーズンの日米共催「TOTOジャパンクラシック」制覇で権利を獲得し、今シーズンから米女子ツアーを主戦場に。5試合目の「ブルーベイLPGA」で後続に6打差をつけて今季初勝利、米ツアー2勝目を飾った。国内ツアー通算8勝。ヤマエグループHD所属。
【解説】石井 忍(いしい・しのぶ)
1974年生まれ、千葉県出身。日本大学ゴルフ部を経て1998年プロ転向。その後、コーチとして手腕を発揮し、多くの男女ツアープロを指導。「エースゴルフクラブ」を主宰し、アマチュアにもレッスンを行う。
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