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- 「レクサス」「東レ」が韓国男子ツアーのスポンサーだと!? “たった20試合”でも日本ツアーに比べて進んでいる部分とは?
日本ではあまり情報もなく、目立った印象もない韓国男子ツアー。実際、今年の試合数は20で、決して隆盛を誇っているようには見えない。しかし、詳細を見ていくと、日本ツアーよりも進んでいる部分もあるようだ。
日本ツアーにはない「ショットリンク」を実現
韓国のゴルフツアーは男子に比べて女子が圧倒的人気だ。日本と同様の現象が起こっており、韓国男子(KPGA)ツアーのニュースが日本で報じられることはほとんどない。

とはいえ、日本ツアー元賞金王のキム・キョンテのほか、日本ツアーで2勝ずつしているパク・サンヒョンとチョ・ミンギュは今も母国ツアーでプレーしている。また、変則スイングが有名で日本ツアー3勝のチェ・ホソンや同じく3勝のI・J・ジャンは現在、日本のシニアツアーでプレーしており、日本になじみのある韓国選手も少なくない。
現在も日本ツアーにはソン・ヨンハンやH・W・リュー、イ・サンヒ、ヤン・ジホなどがプレーしているが、コロナ禍や母国ツアーの試合数が少しずつ増えていきたことなどから帰国した選手が増えたのも事実。
では現在のKPGAツアーは充実しているのか――と聞かれると、正直、ツアー規模は日本よりも劣る。今季は昨年よりも2試合減の20試合と少なく、7~8月の2カ月間はトーナメントが一つも開催されない。
常に「危機のKPGAツアー」と言われており、最も試合数が少なかったのが2021年の17試合。ただ、そこから試合は小幅減もありつつ着実に増える傾向にあり、今年もトーナメントを開催するスポンサーには「LEXUS(レクサス)」や「TORAY 東レ尖端素材 」といった日本関連企業のほか、「現代(海上)」「GOLFZON」「SKテレコム」といった日本でも知られる企業が並ぶ。
どうにか持ちこたえている、というよりもトーナメント開催に手を挙げる企業が少しずつ増えてきている印象さえある。
米PGAツアーに少しでも近づきたいという気概が見て取れるのが公式ホームページだ。KPGAのサイトはとても見やすく作られており、日本ツアーで実現できていない米PGAツアーのショットリンクのようなシステムを実装している。選手の1打1打がどこに何ヤード飛んだかがすべて記録され、3D弾道の演出まである。
また、「PLAYER SHOT(プレーヤーショット)」と銘打たれた映像は、主な選手のさまざまなシーンのプレー映像が見られ、ドライバーショットの弾道とスイングデータ(スイングスピード、ボールスピード、ミート率)まで見られる。
試合の中継を担当しているのは「kakao TV」「NAVER」「SBS Golf2」の3社。初日から最終日まですべてが同じ時間帯に生中継される。テレビだけでなく、ネットにつながればスマホ、タブレット、PCを使えばどこでも見られる。ゴルフが日常の中にあるわけで、ここは日本男子ツアーとまったく違う。
ホームページの充実したコンテンツ、多チャンネルでの視聴環境と、20試合というツアーの規模には似つかわしくないほど進んだ印象を受けるのだ。
ポイントランク1位に米ツアーQスクール最終戦出場権
さて、これまで多くの韓国選手が日本ツアーを選択してきたが、近年、母国ツアーに留まるようになったのは、いくつかの要因がある。
まず、今季の日本ツアーは24試合の開催だが、韓国ツアーの試合数や賞金額もほとんど差がなくなったことがあるだろう。そして、この傾向に拍車がかかりそうだと考えられるのは、“海外ツアーとの接点”においても日本と差がなくなってきたことだ。
KPGAは今年から制度改革に本腰を入れ始めた。一つは米PGAツアー、DPワールド(欧州)ツアーと協力し、KPGAツアーの選手に海外進出のチャンスを与えたことだ。
今季から韓国ツアーのポイント制度「ジェネシスポイント」1位の選手は、米ツアーのQスクール最終戦出場権とDPワールドツアーの1年シードが得られる。同1位と2位には「ジェネシス・スコティッシュオープン」出場権、同2~3位にはDPワールドツアーのシードが付与される。また、アジアンツアーのインターナショナルシリーズ出場の機会が与えられる。DPワールドツアー出場権、米ツアーQスクール出場権については日本ツアーと同等の扱い。日本を経由せずとも米欧ツアーへの扉が開かれたことは大きい。
韓国ツアーの選手たちは「ジェネシスポイントのトップ10に入ることが今季の目標」「ジェネシス大賞を獲得する」と語っており、欧州や米ツアー進出を目指す選手たちにとっては、願ってもないチャンスだ。
最近、世界中のツアーで問題となっているスロープレーの防止にも積極的だ。競技委員用の1人乗りゴルフカート「SINGLE」を8台導入。競技委員はこのカートでフェアウェイ内での走行が可能となった。選手がいる場所に素早く駆けつけ、競技の遅延を最小化するためだという。今季はスロープレーに厳罰を与えることにも力を入れているという。
規模はまだまだ小さいがKPGAツアーが、米ツアーを参考にしている部分は大いにあるだろう。それに米ツアーを主戦場にするトム・キム、イム・ソンジェ、アン・ビョンフンらが国内から米ツアーに出て結果を残すことで、国内ツアーに目が向けられてきた影響も大きい。改革路線に大きく舵をきったKPGAが、さらに米ツアーで活躍する選手を輩出できるのかに注目したい。
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