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- メジャー優勝の西郷真央は「動かす派」! パッティングのセオリー「顔を止める」は正しいとは限らない!?
多くの男女ツアープロのコーチを務め、ゴルフ中継で解説も務めている石井忍が、国内外ツアーで気になった選手やシーンをピックアップ。独自の視点で分析します。今回注目したのは、海外メジャー「シェブロン選手権」で優勝した西郷真央(さいごう・まお)です。
顔を止めるとショットのようにインパクトが強くなる場合も
パッティングのレッスンでは、「左耳でカップインの音を聞け」といわれることがあります。これはヘッドアップを防ぐために有効な手段といわれています。ボールを打った後に「顔を上げないように」、「目線を上げないように」と意識してストロークしている人は多いのでないでしょうか。

しかし、必ずしもこの理論が正しいとは限りません。ツアープロの中には、インパクトの後に顔を動かし、ボールの転がりを目で追うような動きをする選手が意外と多いんです。「シェブロン選手権」で日本勢5人目のメジャー制覇を成し遂げた西郷真央選手もその一人です。同大会の彼女のストロークを見てみると、インパクトの後、ボールの転がりに合わせて顔の向きを変えていることが分かります。
顔を動かすメリットは、インパクトでパンチが入らないこと。頭を残すインパクトは、左サイドに壁が生まれてヘッドが加速しやすくなります。ショットでいうところの「ビハインド・ザ・ボール」のような形になるわけです。パッティングはヘッドの動きやフェース面の向きを管理しながらストロークしなければいけません。しかし、インパクト後に頭を残すストロークは、ヘッドの動きをコントロールできず距離感や方向性が狂ってしまうことがあるのです。
ただし、ボールの転がりに合わせて顔を動かすストロークにも、ヘッドアップしやすくなるデメリットがあるので、すべての人に当てはまる理論と言い切ることはできません。ですが、顔を残す打ち方で距離感や方向性が合わずに悩んでいる人は、西郷選手のストロークを試してみるといいでしょう。
顔の向きだけを変えながら目線でボールを追いかけていく
ポイントは、ダウンスイング以降で胸をターゲットに向けないこと。右肩が前に出ないように意識すると、アドレス時の肩のラインをキープしてストロークすることができます。また、インパクトの前に頭がカップ側に突っ込む動きもNGです。頭を上下左右に動かさず、顔の向きだけを変えながら目線でボールを追いかけていくと、ヘッド挙動を管理してストロークできるようになります。
このストロークをマスターするには、右手の片手打ちドリルがおすすめです。ボールを打った後に自然に頭がターゲット方向に回っていく感覚を養うことができるはずです。「左耳でカップインの音を聞く」というストロークでうまくいってない人は、ぜひ試してみてください。
西郷 真央(さいごう・まお)
2001年生まれ、千葉県出身。ルーキーイヤーの2020-21シーズンは未勝利ながらメルセデス・ランキング5位でシーズンを終えた。22年は開幕戦でツアー初優勝を飾ると、出場10戦で5勝を挙げる活躍。23年に6勝目を挙げ、24年から米女子ツアーを主戦場に。同年は「ルーキー・オブ・ザ・イヤー」を受賞。25年はメジャー『シェブロン選手権』で日本勢5人目のメジャー優勝を達成。日本ツアー6勝、米ツアー1勝。島津製作所所属。
【解説】石井 忍(いしい・しのぶ)
1974年生まれ、千葉県出身。日本大学ゴルフ部を経て1998年プロ転向。その後、コーチとして手腕を発揮し、多くの男女ツアープロを指導。「エースゴルフクラブ」を主宰し、アマチュアにもレッスンを行う。
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