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シード喪失&QT102位のどん底を経て… 菅沼菜々が復活優勝で得た“喜び”と“心境の変化” 「試合に出られるだけで幸せ」
国内女子ツアー第15戦「アース・モンダミンカップ」の初日、菅沼菜々(すがぬま・なな)が7バーディー、2ボギーの「67」でプレー。首位と1打差の2位発進と、今季2勝目に向けて好位置につけた。
初日は首位と1打差の2位発進「楽しみながらもっと(スコアを)伸ばしていきたい」
◆国内女子プロゴルフ
アース・モンダミンカップ 6月26~29日 カメリアヒルズカントリークラブ(千葉県) 6688ヤード・パー72
猛暑と湿気の中、菅沼菜々が“涼しい顔”でトーナメントを引っ張っている。
朝方の雨が上がった後、気温はぐんぐん上がり、湿度のピークは96%。風はあっても熱風になる。そんな中で10番からスタートし、上がり3ホールで連続バーディーを奪った。9番パー3では、カラーからパターを使って10メートルをそのまま沈め、自分でも少し驚いたような笑顔を見せる。

「9番はイメージ的にはウェッジで打ちたかったんですけど、スライスで下りが強かった。しょうがないからパターで打って『強い! ヤバい』と思ったら入りました」という一打でのフィニッシュだ。
「1年のうちでも3本の指に入るくらい好きなグリーン。刈高が短くてきれいで、ミスがちゃんとミスになる。順回転がイメージできて、私にはいい」とうまく攻略。初日を7バーディー、2ボギーの「67」で回り、首位と1打差の5アンダー・2位と好発進を決めた。
5月の「パナソニックオープンレディース」で通算3勝目を飾った。2023年に2勝を挙げたが、翌24年は思いがけないスランプに陥ってシード陥落。QTもうまくいかず102位で、今年は主催者推薦での出場に頼ることになってしまった。
その少ないチャンスを生かしての優勝で気持ちがガラリと変わった。「推薦で出られる試合で(結果を出して)リランキングを頑張ろうと思っていたのが、優勝できて来年のシードまで決まった。うれしいし幸せをかみしめてます。2勝した後プレッシャーをかけて自分を抑え込んでいたけど、今は試合に出られるだけで幸せという気持ち。いい意味でオンとオフを切り替えています」。その言葉通り、シーズン中でも時間を見つけて友達と遊びに行ったり食事をしたりと、うまく自分をコントロールしている。
シード落ちで出られる試合が限られるどん底を経験したことで、持病との付き合い方も変わってきている。飛行機や電車、バスなどに乗ることができないパニック障害の一つ“広場恐怖症”を抱えているが、1人でバスに乗ることができるようになっていた。
その後、復活優勝。今では「電車やバスに乗るのはイヤだと思っていたけど、挑戦してみたい気持ちになっています。(気持ち的に)いい効果が出ているんじゃないでしょうか」と目を輝かせる。
シーズン最高賞金額(総額3億円、優勝5400万円)が設定されている今大会。シード争いが賞金ではなくポイント制になった今も選手にとっては魅力だが、“試合に出られる幸せ”に浸る菅沼にはそれも気にならない。「楽しみながらもっと(スコアを)伸ばしていきたい」と無欲に笑った。
「メチャメチャ暑かったですよ」と言いながらも汗だくには見えない。アイドル好きを公言し、自らもアイドルとしてライブを行うだけあって、蒸し暑い中でプレーしてきたことをあまり感じさせない。
得意のグリーンで幸せにプレーする菅沼の4日間。涼しい笑顔のエネルギーが、どんな結果を呼び込むのか楽しみだ。
菅沼 菜々(すがぬま・なな)
2000年2月10日生まれ、東京都立川市出身。18年のプロテストに一発合格。20-21年シーズンは賞金ランキング47位で初のシードを獲得。22年シーズンは、ポイントランキング8位と躍進した。23年8月「NEC軽井沢72ゴルフ」で初優勝を飾り、同年10月「NOBUTA GROUP マスターズGCレディース」で2勝目。翌年は不振に陥りシード権を喪失したものの、25年5月の「パナソニックオープンレディース」で1年7カ月ぶりの復活優勝を挙げた。「広場恐怖症」を抱えているため、新幹線や飛行機などの公共交通機関を利用できず、車でツアーを転戦している。
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