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- 50ヤード以内は右手1本!? アプローチイップスを抱えながら… 3部ツアーを戦う米選手が“試合中”に放った片手打ち映像が話題に
PGAツアーの解説も務めるゴルフスイングコンサルタント・吉田洋一郎氏が、ツアーの第一線で活躍する選手のプレーを独自の視点で分析。今回はPGA傘下の3部ツアー「PGAツアーアメリカズ」を主戦場とするスコット・スティーブンス選手が、試合中に放った“片手アプローチ”に注目しました。
アプローチイップスを抱えるスコット・スティーブンス
“PGAツアーアメリカズ”というツアーをご存じでしょうか。PGAの下部ツアーにはコーン・フェリーツアーがありますが、そのさらに下部にあるのがPGAツアーアメリカズです。
元々、PGA傘下の3部ツアーには“PGAツアーラテンアメリカ”と“PGAツアーカナダ”がありました。この2つのツアーが2024年に統合され、新たにPGAツアーアメリカズとしてスタートしています。

今シーズンは3月に開幕し、9月の「フォーティネットカップ選手権」まで全16試合が開催予定。ポイントランキング上位選手には翌シーズンのコーン・フェリーツアー出場権が与えられるなど、2部ツアーに昇格できるルートがいくつか用意されています。
いわばPGAの“3軍ツアー”ですから、普段はそれほど注目度が高いわけではありません。しかし、同ツアーの公式Xで7月10日に公開されたある動画がすでに74万回以上も再生されるなど大きな注目を集めているんです。
その内容は、スコット・スティーブンス選手が試合中に右手1本でアプローチをしているもの。同ツアーに参戦中のスティーブンス選手はチップショットに悩みを抱えており、50ヤード以内は右手1本でアプローチをしているそうです。
彼の右手アプローチを見て感じたのは、腕の運動量が多いということ。腕を主体にバックスイングし、ダウンスイング以降も体の回転とシンクロさせずに腕で振り下ろしています。フォローでおへそがターゲット側を向いていないのは、腕の力に頼った打ち方をしているからです。
腕主体のアプローチはインパクトが“点”になりやすく、インパクトの強さも安定しなくなります。あまりオススメできる打ち方ではありませんが、スティーブンス選手は「両手で打つよりもこの打ち方のほうがうまくなった」とコメント。
アプローチイップスを克服するためにメンタルコーチをつけたり、さまざまなテクニックを試したそうですが、現在の彼にはこの打ち方がしっくりきているようです。
片手打ちの目的は“体と腕を一体化”させること
ところで、スティーブンス選手のように試合中に片手でアプローチをするプレーヤーはまれですが、練習の初めやドリルとして片手打ちを取り入れている選手はたくさんいます。一般ゴルファーの皆さんの中にも、練習で片手打ちをする人は多いのではないでしょうか。
片手打ちの一番の目的は“体と腕を一体化”させること。スティーブンス選手のような打ち方ではなく、体の回転につられて腕が動くイメージでの練習がベターですし、クラブを持っているほうのワキをしっかり締めると体と腕が連動しやすくなります。
ダウンスイングも腕の力で振り下ろすのではなく、「おへそを水平に回す」「体の左サイドを伸ばして後ろに引く」などと体の動きを意識してみてください。体主体の動きを身に付ければ、足や体幹などの大きい筋肉でスイングできますし、プレッシャーがかかるシーンでも再現性の高いアプローチがしやすくなります。
片手打ちが難しい人は、左右の手を上下逆にするクロスハンドのアプローチを試してみるといいでしょう。この打ち方も体と腕が一体化しやすくなるメリットがあります。ちなみに2022年に「全米オープン」を制したマシュー・フィッツパトリック選手やメジャー3勝のレジェンド、ビジェイ・シン選手は、試合中もクロスハンドでアプローチをしていることで知られています。
アプローチで悩んでいる人はもちろん、悩みを抱えていない人も片手打ちやクロスハンドを練習に取り入れてみてください。ショートゲームの安定感が格段にアップするはずです。
スコット・スティーブンス
米・アラバマ州バーミンガム出身。サウスカロライナ大学を卒業後、2019年にプロ転向。25年シーズンはPGAツアーアメリカズに参戦。5月の「Inter Rapidisimo Golf Championship」ではファーストラウンド「68」、ファイナルラウンドで「66」をマークして3位タイでフィニッシュした。
【解説】吉田 洋一郎(よしだ・ひろいちろう)
1978年生まれ、北海道出身。世界のゴルフスイング理論に精通するゴルフスイングコンサルタント。デビッド・レッドベターから世界一流のレッスンメソッドを直接学ぶ。毎年数回、米国、欧州へ渡り、ゴルフに関する心技体の最新理論の情報収集と研究活動を行っている。欧米の一流インストラクター約100名に直接学び、世界中のスイング理論を研究している。海外ティーチングの講習会、セミナーなどで得た資格は20以上にのぼる。
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