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本音は「コースが嫌いだから」!? マキロイのプレーオフ第1戦欠場に非難轟々だが… 選手のわがまま・無責任はツアー全体の問題では?

2025.08.13 舩越園子(ゴルフジャーナリスト)
スコッティ・シェフラー ローリー・マキロイ 砂場Talk(バンカートーク) 米国男子ツアー

先週から開幕した米男子ツアーのプレーオフシリーズ。しかし、フェデックスカップランキング2位のローリー・マキロイの姿はなく、次戦に進出できることが確定しているからといって身勝手すぎると非難が集まっている。

「“マキロイ・ルール”を作るべきだ」

 米男子ゴルフは今季のメジャー4大会が終了し、フェデックスカップのレギュラー大会も全日程が終了。先週からPGAツアーは3試合にわたるプレーオフシリーズに突入している。

今年の全英オープンで地元・北アイルランドの声援に応えるローリー・マキロイ 写真:Getty Images
今年の全英オープンで地元・北アイルランドの声援に応えるローリー・マキロイ 写真:Getty Images

 しかし、第1戦の「フェデックスセントジュード選手権」にローリー・マキロイの姿はなかった。そして、PGAツアーにとって重要な大会をあえて欠場することを選んだマキロイに対する批判が噴出している。

 PGAツアー選手や関係者、メディアやファンの間からは、「プレーオフ3試合においては、出場資格がありながら、それを自ら放棄し、欠場することを取り締まるべきだ」「そのための“マキロイ・ルール”を制定するべきだ」といった意見が上がっている。

 フェデックスカップのプレーオフシリーズは、以前は4試合で構成されていたが、現在は3試合で行なわれている。

 第1戦の「フェデックスセントジュード選手権」には、レギュラーシーズンを終了した時点でのフェデックスカップランキング上位70名のみに出場資格が与えられている。

 第2戦の「BMW選手権」にはランキングの上位50名だけが進み、最終戦の「ツアー選手権」に出場できるのは上位30名という具合に、順次、人数は絞られていく。

 そして、「ツアー選手権」で勝利を挙げてランキング1位になった選手には、年間王者のタイトルと1000万ドルのビッグボーナスが授けられる。

 PGAツアー選手なら、誰もがプレーオフに進むことを目指して今季を戦い、レギュラーシーズンを終えてトップ70に食い込んだ誰もが「よし、プレーオフに進めるぞ!」と胸を撫でおろしたはずである。

 実際、69名は意気揚々と第1戦の「フェデックスセントジュード選手権」に出場した。しかし、ただ一人、マキロイだけは第1戦を自ら欠場した。

 その理由が病気や故障であれば、「仕方ないね」「姿を見ることができず、残念」という話になっていたのだと思う。

 しかし、マキロイの欠場は、家族と過ごす時間を作り、シーズン後の海外遠征に備えて休養するためというのが、表向きの理由。

 そして、表向きではないもう一つの理由は……?

 昨年の第1戦では70人中68位と振るわなかったマキロイは、大会会場であるTPCサウスウインドが「好きではないから」というものらしい。

 実際、マキロイは今季の早い段階から、英テレグラフの記者に「だから今年は、僕は第1戦には出ない」と明かしていたという。

 ランキング2位でプレーオフシリーズを迎えたマキロイは、第1戦を欠場して多少ランクダウンするとしても、第2戦と最終戦には必ず進めるという試算が、あらかじめ出されていた。

 結果的に「フェデックスセントジュード選手権」終了後のマキロイのランキングは2位のまま維持されたが、それはそれとして、選手たちの垂涎の的であるプレーオフシリーズの第1戦をあっさり放棄したマキロイに対しては、「自分勝手すぎる」「単なるわがまま」といった批判が殺到。

 そのボルテージはどんどん高まっていき、「プレーオフシリーズは3試合すべてに出場することを義務化するべきだ」「マキロイのように自分の都合やわがままで自ら欠場するケースを取り締まる“マキロイ・ルール”を作るべきだ」といった声が上がっている。

ウッズはプレーオフ第1戦を欠場しながら年間王者に

 批判的な意見は、PGAツアーの内部からも聞こえてきている。

 PGAツアーの選手会長であり理事の一人でもあるピーター・マルナティは、今回のマキロイの欠場は「問題だ!」と眉をひそめ、巷で口の端に上っている“マキロイ・ルール”の必要性に対しても、「その話はすでに(選手会や理事会でも)出ている」と認めていた。

 だが、とりあえず「今はまだ検討中」として、それ以上は語らなかった。

 一方で、マキロイを擁護する意見もある。選手理事の一人であるウェブ・シンプソンは「選手を無理に出場させることはできないし、ペナルティーを課すのは難しい。あくまでもスポーツなのだから、プレーしたい選手が出るべきものだ」と言って、マキロイ批判を跳ね除け、「マキロイの判断に問題はない」と言ってのけた。

 そんなふうに賛否両論があるにはあるが、「否」のほうが圧倒的に多いことは言うまでもない。

 だが、実を言えば、プレーオフ第1戦を欠場した例は、今回のマキロイが初めてではなく、フェデックスカップが創設された2007年には、ランキング1位でプレーオフシリーズを迎えたタイガー・ウッズが、当時の第1戦だった「ザ・ノーザントラスト」をいきなり欠場した。

 理由は「WGCブリヂストン招待」と「全米プロ」を続けざまに制した直後にプレーオフシリーズを迎える日程だったため、「疲弊している心身を休めた上でプレーオフに臨みたい」というものだった。

 ウッズは第1戦を欠場した後、当時の第2戦だった「ドイツ銀行選手権」で2位タイになると、第3戦の「BMW選手権」でも最終戦のツアー選手権でも勝利を挙げ、初代年間王者に輝いた。

 さらには、奇妙な理由で第1戦に出られなかったケースもあった。ジム・フューリックは10年の第1戦「ザ・バークレイズ」のプロアマ戦の日の朝、目覚まし時計がバッテリー切れとなってアラームが鳴らず、寝坊してプロアマ戦のスタートに遅れ、失格。本戦出場のために義務付けられていたプロアマ戦に出なかった(実際は出られなかった)ことで、本戦に出場することもできなくなった。

 しかし、それでもフューリックは第2戦、第3戦と調子を上げていき、最終戦のツアー選手権を制して、年間王者になった。

選手に甘いPGAツアーの姿勢こそ根本的な問題
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