- ゴルフのニュース|総合ゴルフ情報サイト
- 記事一覧
- ツアー
- “攻めの明愛、守りの千怜” ――米ツアーで磨かれた岩井ツインズの個性がスタッツで鮮明に
今季はルーキーとして米女子ツアーを主戦場にした岩井明愛(いわい・あきえ)、千怜(ちさと)姉妹。ともに初優勝を飾り、ポイントランキング13位と15位に入りました。スタッツを紹介しながら2人の戦いぶりについて解説します。
リコーカップで“らしさ”発揮
11月27日から開催された日本女子ツアー最終戦となる国内メジャー、「ツアーチャンピオンシップ リコーカップ」に、今季から米ツアーを主戦場にしている岩井明愛、千怜のツインズが出場し、ともに見せ場を作りました。

千怜は最終日にこの日のベストスコア「67」をマークし、鈴木愛とのプレーオフに進出しました。結果、初の国内メジャー制覇はお預けとなりましたが、米ツアーで積み重ねてきた経験による成長を感じさせるプレーを披露しました。
一方の明愛は、千怜と同組となった3日目の「79」が響いて16位フィニッシュとなりましたが、初日はこの日のベストスコア「67」で首位タイ発進を決めました。4日間の最良スコアと最悪スコアの差は「12」で、これは出場選手の中で最も大きな数値です。流れを断ち切れない展開もある一方で、はまったときの爆発力は健在。まさに明愛らしい4日間となりました。
バーディー率が高い岩井明愛

8月の「ザ・スタンダード ポートランドクラシック」で米ツアー初優勝を挙げ、年間ポイントランキング13位となった明愛は、ショット精度が高く、パーオン率とバーディー率の高さが際立っています。今季は米女子ツアーでパーオン率16位、バーディー率6位を記録しました。
そのバーディー奪取力が最高潮に達したのが、2月の「ホンダLPGAタイランド」です。最終日に「61」をマークし、優勝まであと一歩の2位に入りました。この「61」は今季米女子ツアーの最少ストロークでもあります。
その一方で、ボギー率の高さも課題です。ボギー平均数は137位。要因として挙げられるのがショートゲームの安定性です。パーオンしなかったホールでパー以上を拾う確率を示すスクランブル率は47位にとどまっています。
これらの傾向は、日本女子ツアーを主戦場にしていた頃から大きく変わっていません。24年のパーオン率と平均バーディー数は、それぞれ2位と3位。一方、パーセーブ率とリカバリー率(スクランブル率)は、それぞれ7位と36位でした。
ショートゲームが優れている岩井千怜

5月の「リビエラマヤオープン」で米女子ツアー初優勝を挙げ、年間ポイントランキング15位となった千怜の今季のパーオン率とバーディー率は、それぞれ49位と15位です。及第点といえる数字ではありますが、ピンを積極的に攻めてバーディーを量産する点では、明愛にやや分があります。
ただし、ショートゲームの安定感は抜群で、耐えてスコアを作る力は明愛よりも上回っている印象です。ボギー平均数は126位、スクランブル率は24位。さらに、平均ストロークこそ明愛が上位ですが、60台のラウンド数、トップ25入りの回数、予選通過数はいずれも千怜が上回っています(2人は同一試合数に出場)。
日本女子ツアーを主戦場にしていた24年も、パーオン率と平均バーディー数はそれぞれ22位と5位、パーセーブ率とリカバリー率はともに8位と、高い安定感を示していました。
つづく“勝ったり負けたり”

バーディー以上を取る力を「攻撃力」、ボギー以下を回避する力を「守備力」として2人を比較すると、明愛は攻撃力、千怜は守備力がそれぞれ優勢というプレースタイルです。この構図は、舞台を米女子ツアーに移しても変わっていません。
しかも、長所を失うことなく、少しずつ課題を克服している様子がうかがえます。明愛のスクランブル率は、競争レベルが格段に高い米ツアーでも日本時代から大きく順位を落としていません。一方、千怜のパーオン率も同様に、着実な改善が見られます。

「ツアーチャンピオンシップ リコーカップ」では、プレーオフ1ホール目終了後、冷え込んできた気温の中で、明愛がグリーン脇で千怜に上着を手渡す場面もありました。同じ舞台で戦う姉妹ならではの、象徴的なワンシーンでした。
最高の仲間であり、最高のライバルでもある2人。これまでの日本女子ツアーと米女子ツアーの獲得ポイントを合算すると、明愛が7821.338ポイント、千怜が7801.316ポイントとなっています。
ともに通算120試合以上に出場してきてこの僅差。勝ったり、負けたりを繰り返しながら刺激し合ってきた歩みは、これからも続いていきそうです。
解説:野洲明
ゴルフ活動家/各種スポーツメディアに寄稿、ゴルフ情報サイトも運営する。多くのゴルファーを見てきた経験や科学的根拠をもとに、論理的なハウツー系記事などを中心に執筆。ゴルフリテラシーを高める情報を発信している。
- 1
- 2
最新の記事
pick up
ranking








