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ソニーオープンは消滅!? タイガー・ウッズが主導するPGAツアー大再編計画は“冬を捨てる”戦略か
米フロリダ州のPGAナショナルで行われたFCC会議を機に、2027年からのPGAツアー大再編構想が現実味を帯びてきた。ハワイでの開幕2連戦消滅、NFL回避、三層化――その全貌と波紋を追う。
コーン・フェリーも合わせた実質的な“三層構造”に!?
先週の「コグニザントクラシック」開幕前、試合会場のPGAナショナル(フロリダ州)では、タイガー・ウッズがリーダーを務めるPGAツアーのFCC(フューチャー・コンペティション・コミッティー=未来競技委員会)のミーティングが開かれた。
議題は、世界中から注目を集めている2027年からのPGAツアーの新たな年間スケジュールに関することだった。
FCCは今月の「ザ・プレーヤーズ選手権」(3月12~15日)開幕前に最終結論を出し、27年の年間スケジュールを発表する予定だと言われている。しかし、その青写真の一部が、すでに米メディアに漏れ出している。
現段階では、あくまでも噂レベルだが、27年からは、これまではシーズン開幕戦として親しまれてきたハワイの2試合(ザ・セントリー、ソニーオープンinハワイ)が消滅すると見られている。
また、NFL(ナショナル・フットボール・リーグ)との日程的なバッティングを避ける目的で、今後のPGAツアーのシーズンは、NFLのスーパーボウル終了後の2月半ばから開幕するだろうとも言われている。
さらに、27年からのPGAツアーが二層、いや三層の構造になるという新たな見通しも報じられ、ゴルフ界を驚かせている。

米ゴルフウイーク誌によると、来年からは、PGAツアーの日程が「トップレベルのエリート選手用」と「その他の選手用」に分けられ、二層構造になるという。
その下に位置付けられるコーン・フェリーツアーが「下部ツアー」と呼ばれていることにならって表現するならば、PGAツアー全体はエリート選手用の「上部」とその他の選手用の「中部」、そしてコーン・フェリーツアーが「下部」という具合に「三層構造になる」と表現することもできる。
同誌によると、ローラップCEOはシーズン開幕時期を遅らせ、エリート選手用の「上部」の大会を熱く盛り上げて、「新たなPGAツアーが夏を制する」ことを、トッププライオリティーに掲げているという。
さらにローラップ氏は、その他の選手用の「中部」に位置付けられる大会は、「上部」入りを目指す選手たちを育てるためには「必要不可欠な大会」と考える一方で、利潤を追求する営利法人であるPGAツアー・エンタープライズのビジネスという観点から眺めると、「必要ではない大会」とも見ており、そのギャップをどうしたら埋めることができるかに頭を悩ませているのだそうだ。
いずれにしても、実質的に三層の新体制に変更するとなれば、さまざまな課題や問題が浮上する。
各大会のタイトルスポンサーは、スター選手たちが揃って出場する「上部」に位置付けられて、大会への注目度が上がることを期待する一方で、契約金がさらに引き上げられるのではないか、どこまで高額化するのだろうかと戦々恐々の状態だという。
「上部」と「中部」の境界線をどこにどうやって引き、どう分類するのか。その境界線は、一度引かれたら永遠にそのままとなるのか、それとも、一定年数を経て「上部」と「中部」の入れ替えは起こりえるのかどうか。
TV放映権料に関する契約や金額の設定に関しても、複雑な問題が浮上することは明らかだ。「上部」の大会の放映権料については、PGAツアーから「もっと払え」という追加請求が行なわれるのではないか。逆に、「中部」の放映権料に関しては、TV局側がすでに支払った金額は割に合わないから差額返還を求める話にも、なりかねない。
肝心のゴルフファンはどうなるのかと言えば、これまでも毎年のように「チェンジ」を繰り返してきたPGAツアーが、さらに大きく変わるとなると、かつてフェデックスカップが導入された際と同じように、「変更が多すぎて付いていけない」「システムが複雑すぎて分からない」と呆れられ、ファン離れが進むのではないか。そんな懸念も持たれている。
シグネチャーイベントがある現行制度とどう違うのか?
課題や問題は多いものの、27年からのビッグチェンジ・プロジェクトは、すでに最終段階に入りつつある。今さら後には引けないし、もう戻れない、もう止まらない、もう前に進むしかないという状況だ。
そして、このプロジェクトはFCCを率いるウッズの腕の見せどころでもあり、ウッズ自身、大いに張り切っている様子である。
「このチェンジは、文字通り、プレーヤーやメディアパートナー、スポンサー、大会開催地の地元コミュニティーやファンといったすべてに対して、より良いものにするためのチェンジだ」
「競技の場をより良いものにするために、PGAツアーは毎年、努力を重ねてきているが、それでもなお改善改良の余地がある。そうしたことを全部いっぺんに実現させるためには、どうしたらいいか?」
その答えは、ビッグチェンジしかないのだと、ウッズは語気を強める。
ウッズが指摘した通り、これまでも努力を重ねてきたPGAツアーが、近年に手掛けた最大のチェンジは、リブゴルフ対策としてシグネチャーイベントを年間8試合、創設したことだ。
賞金総額2000万ドルの超高額大会だが、8試合のうちの5試合は予選カットなしで、「最下位でも賞金がギャランティーされている大会の創設は、PGAツアーのリブゴルフ化だ」という批判もある。だが、トッププレーヤーたちが集結する大会になっていることも事実だ。
その陰で、シグネチャーイベントの間に挟まれた先週のコグニザントクラシックは、世界ランキングでトップ25以内の選手が一人も出場しない弱小フィールドとなり、注目度やギャラリー数、TV視聴率などの低下を招いた。
新たなことを始めれば、新たな問題が浮上する。ウッズは、そのことを指して、「それでもなお改善改良の余地がある」と表現した。
しかし、エリート選手用の「上部」、その他の「中部」という二層化は、現行のシグネチャーイベントとレギュラー大会という既存の“二層的”な分類と、どこがどう違うのか。
また、プレーオフ3試合で締め括られているフェデックスカップシーズンとフォールシリーズに分けられている現行のスケジュールも、ある意味で“二層的”な構造と見ることができるが、それとは何がどう異なり、どんな「良いこと」がもたらされるのか。
そのあたりの「もやもや」がクリアにされることを祈るしかない。正式発表は、この2週間以内に行なわれる予定である。
文・舩越園子
ゴルフジャーナリスト/武蔵丘短期大学客員教授。東京都出身。百貨店、広告代理店に勤務後、1989年にフリーライターとして独立。1993年に渡米。在米ゴルフジャーナリストとして25年間、現地で取材を続け、日本の数多くのメディアから記事やコラムを発信し続けてきた。2019年から拠点を日本へ移し、執筆活動のほか、講演やTV・ラジオにも活躍の場を広げている。
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