- ゴルフのニュース|総合ゴルフ情報サイト
- 記事一覧
- ツアー
- 「もうすぐ39歳」 笠りつ子が語った葛藤と決断… 5年ぶりVの裏にあった“女性としてのリミット”
38歳の笠りつ子(りゅう・りつこ)が、国内女子ツアー「Vポイント×SMBC レディス」の最終日を「70」でプレー。通算3アンダーまでスコアを伸ばし、約5年ぶりとなるツアー7勝目を手にした。
「ゴルフの神様、どうかお願い」揺れた最終18番の攻防
◆国内女子プロゴルフ
Vポイント×SMBC レディス 3月20~22日 紫カントリークラブ すみれコース(千葉県) 6731ヤード・パー72
18番のバーディーパットを沈めて優勝を決めた笠りつ子は、グリーン脇で待っていた木戸愛や小祝さくらと抱擁を交わし、関係者たちの前では「ヤッター!」と喜びを爆発させた。
ただ、彼女の目には涙がにじんでいた。2021年「ヨネックスレディス」以来のツアー通算7勝目。5年ぶりの優勝に、さまざまな思いが頭の中をめぐっていた。

最終日を首位と1打差の2位から出た笠は、前日に「今年は優勝したいと思っています。でもまだわからないですけれど、勝ちたい」とはっきりとそう言っていた。
ティーイングエリアに立つ表情にも気負いはなかった。2番パー4で8メートルのバーディーパットを沈めると、7番パー5でも5メートルを決めてスコアを伸ばした。9番パー4をボギーとするも、ショットは安定しており、チャンスが訪れるのを待った。
13番パー4では、ピンまで139ヤードの2打目を1メートルにつけてバーディーを奪取。首位タイで並んでいた同組の神谷そらが14番をボギーとし、笠が通算3アンダーの単独トップに立った。
しかし、ここからまたスコアが動く。
17番パー4で1.5メートルのパーパットがカップをなめて痛恨のボギー。そして神谷と首位タイで並んで迎えた最終18番パー5。2オンを狙った神谷は2打目をバンカーへ。
「最後はロング(パー5)なので、(神谷)そらちゃんが有利だと思っていました。『ああ、ここでそらちゃんがバーディー取って負けるんだろうな』って。でもゴルフの神様、どうかお願いと思いながら(笑)。そういう時はバーディー取れるだろうなとも思っていて、私は攻めずに3オンを狙っていきました」
堅実なゴルフで、最後はきっちりとバーディーパットを沈めて優勝を決めてみせた。通算3アンダーでの今季初勝利に、優勝会見ではホッとした表情を見せていた。この“安堵感”こそが、彼女が今まさに求めていたものだった。
今年39歳、揺れる将来と人生の岐路
「シード権を戻したいとか全く考えてなくて。もう、とにかく勝って気持ちを楽にさせてあげたかった」
“気持ちを楽にさせてあげたい”――これが何を意味するのか、優勝会見では歯切れが悪い言葉が続いたが、自身の今後の人生についていくつもの選択肢があるということだろう。
今年11月の誕生日で39歳になる。世間一般的にもそうだが、年齢的に考えることが増える時期でもある。
「もう次は40歳ですよ。若かったらイケイケでゴルフ頑張ります。だけど、これからどうすんだろう私、って感じもある。このままやり続けるかもしれないし……。この先、どう生きていこうかなっていう。なんか何が幸せかわかんないというか。同年代でみんなは結婚して子どももいる、けれども私はまだそういう経験もしてない、でも経験はしたい。このまま1人で生きていくのかっていう悩みでこう38、でも40過ぎたらたぶん1人で生きていく。ちょうど境目なんです、女性のこのなんだろう、このリミット。リミットがあると思うんです。ちょっと恥ずかしいからもうやめましょう(笑)」
女性アスリートとしては、避けて通れない悩みの一つでもある。
30代で現役を続けている選手もいれば、引退する選手もいる。有村智恵や一ノ瀬優希ら、同世代には結婚・出産、子育てをしながら第2の人生を歩む選手も増えてきた。それぞれの生きざまを目の当たりにして、笠自身も置かれた環境や立場について考えることが増えるのは至極当然のことだ。
「今日が最後かもしれない」覚悟が生んだ5年ぶりの優勝

きっかけは、昨季メルセデス・ランキング56位でシードを獲得できず、ファイナルQTに行くか、行かないかのタイミングだったという。
つまりは“進退”をどうすべきか。迷っていたが、出した結論は「とにかく優勝して自分を楽にさせてあげたかった」。今季QTランキング38位でツアー出場権を得て、今回の優勝につなげた。
「いつも今日がもうこれで終わりだ、と思ってやっていました。もう来年はここにはいないだろうなって思っていて……。いつも行っているご飯屋さん、ホテル、ゴルフ場にもう来年はいないかもって思いながらやっていて。今日をとにかく悔いのないようにって」
佐久間朱莉、神谷そらというツアーを代表する2人に競り勝った。その事実からも「まだまだやれるのではないか」――周囲はそう思うかもしれない。ただ、笠の中にはいま、さまざまな選択肢がある。
「もちろんゴルフはやめませんよ! 今日は優勝を味わわせてください(笑)」。その表情は晴れ晴れとしていた。
ゴルフの先にある人生。その答えはまだ見えていない。ただ一つ確かなのは、彼女が再び前を向いたという事実だ。(千葉県野田市/キム・ミョンウ)
最新の記事
pick up
-
今後ゼクシオはどこへ向かうのか? 家田社長が語る「25年」の継承と「XXIO 14」の挑戦<PR>
-
“自分で操りたい派”に刺さる? テーラーメイドの新「SYSTM2(システムツー)」パター登場! 世界的ヒット作「スパイダー」との違いは?<PR>
-
これが最新電気自動車の現実だ! 往復600キロのゴルフ旅を日産 新型「リーフ」で行ってわかった“BEVの安心感と実用性”<PR>
-
中田翔 VS. 河本力 の飛距離対決! キャロウェイの新作「QUANTUM」ドライバーで驚きの300ヤード超え連発<PR>
-
世界が認める“ゼクシオ品質”の裏側へ! ダンロップの宮崎工場で見た「誠実さが支えるクラブづくり」とは?<PR>
ranking











