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- 国内女子ツアーの平均ストロークはなぜ悪化傾向なのか 背景にある3つの要因
国内女子ツアーでは米ツアーへ挑戦する選手が増え、新たなスターも次々と誕生しています。一方で、平均ストロークのデータを見ると近年は悪化傾向が見られます。その背景を、米ツアー移籍やコースセッティングなど複数の視点から検証します。
平均ストロークだけでは測れない国内女子ツアーの現在地
近年の国内女子ツアーでは、毎年のように米ツアーへ主戦場を移す選手が現れています。25年シーズンは竹田麗央、山下美夢有、岩井明愛、岩井千怜の4選手がルーキーイヤーで米ツアー初優勝を飾り、日本勢の活躍が大きな話題となりました。

一方、国内ツアーでも新たな実力者が次々と台頭し、「トップ選手が海外へ挑戦し、新たな選手が国内ツアーを盛り上げる」という好循環が生まれています。
しかし、ツアー全体の平均ストロークに目を向けると、近年はやや異なる傾向も見えてきます。平均ストローク71.0未満や72.0未満を記録する選手数が減少し、ツアー全体の平均ストローク水準は高くなっています。
平均ストローク「71.0未満」「72.0未満」「中央値」

2022年シーズン以降、平均ストローク71.0未満の選手数と72.0未満の選手数を調べると、2022年はそれぞれ10人と43人、2023年は17人と50人、2024年は14人と52人、2025年は10人と46人、そして今季現時点では9人と26人となっています。規定ラウンド数に達した選手の中で、高い水準の平均ストロークを記録する選手数は減少傾向にあります。
また、平均ストロークの中央値は、2022年が72.0752、2023年が71.8821、2024年が71.7109、2025年が71.9813、今季現時点が72.5779となっており、昨季より数値は高くなっています。
米ツアー移籍が与えた影響
では、レベルアップしていると思われる国内女子ゴルフで、なぜ平均ストロークはなぜ悪化傾向を示しているのでしょうか。
理由の一つとして考えられるのが、国内ツアーをけん引してきたトップ選手たちの米ツアー挑戦です。
昨季、米ツアーでルーキーイヤー初優勝を飾った竹田麗央、山下美夢有、岩井明愛、岩井千怜の4選手は、いずれも2024年シーズンの国内ツアー平均ストロークで5位以内に入っていました。
仮に昨季以降も国内ツアーを主戦場としていた場合、71.0未満の平均ストロークを記録し、ツアー全体の平均ストローク水準にも影響を与えていた可能性があります。
国内で戦う選手たちの成長は見られるものの、平均ストロークという指標ではトップ選手が海外へ移籍した影響も小さくないと考えられます。
コースセッティングの変化
ツアー全体の平均ストロークは、選手層の厚さだけで決まるものではありません。
近年はコースの設定距離が長くなる大会も増えており、中長期的には選手の技術向上につながる一方、平均ストロークは高くなりやすくなります。
さらに、ピンポジションやホールロケーションによって難度は大きく変化します。今季のワールドレディスチャンピオンシップの15番パー3のように、難度の高いセッティングが採用されるケースも見られました。
こうしたコースセッティングの変化も、ツアー全体の平均ストロークに影響を与えている可能性があります。
海外メジャーで見える国内トップ選手の成長
平均ストロークだけを見ると、国内ツアー全体の水準が下がっているようにも映ります。しかし、海外メジャーでの成績を見ると、国内トップ選手が着実に力をつけていることもうかがえます。
昨季年間女王の佐久間朱莉は、今季現時点でメルセデス・ランキング2位につけている一方、平均ストロークは昨季より高くなっています。ランキング首位の桑木志帆も同様に平均ストロークは昨季を上回っています。
それでも、佐久間は今季のシェブロン選手権こそ予選落ちしたものの、全米女子オープン22位タイ、エビアン選手権35位タイと海外メジャーで結果を残しています。
また、昨季は海外メジャー3試合に出場して予選通過が1回だった桑木も、今季は全米女子オープン14位タイ、全米女子プロ24位タイ、エビアン選手権41位タイと、出場した3大会すべてで決勝ラウンドに進出しました。
平均ストロークという一つの数字だけを見ると、国内ツアー全体の競技レベルが低下しているようにも映ります。しかし、その背景にはトップ選手の海外流出やコースセッティングの変化など、さまざまな要因があります。
さらに、ルーキーの活躍やアマチュア選手の台頭、海外メジャーで存在感を高める国内トップ選手の姿を見ると、国内女子ツアーの競技レベルや選手層の厚さは、平均ストロークだけでは測れないことが分かります。数字の変化だけでなく、その背景にも注目することで、国内女子ツアーの現在地がより鮮明に見えてくるでしょう。
解説:野洲明
ゴルフ活動家/各種スポーツメディアに寄稿、ゴルフ情報サイトも運営する。多くのゴルファーを見てきた経験や科学的根拠をもとに、論理的なハウツー系記事などを中心に執筆。ゴルフリテラシーを高める情報を発信している。
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