首位スタートの野澤真央 プレーオフで力尽きる
最終日を1打差の単独トップで迎えた野澤真央。緊張感からか表情は少し硬かった。
「優勝争いをすると自分は崩れていってしまうタイプ。若林さんが崩さずに伸ばしていくゴルフをしていたので、本当についていくのに必死でした。でもそのおかげで、背中を追いかけてしっかり頑張れた戦いだったと思います」

確かに序盤から若林には勢いがあった。一方の野澤には1番を3パットのボギーとし、3番、4番で連続バーディーのあと、6番でトラブルがあった。ティショットを左の林の中に入れ、隣のホールを使っての痛恨のダブルボギーで後退。前半終了時点で、若林に1打差をつけられた。
「ずっと緊張しっぱなしでした」という後半も11番と13番でバーディーを奪うものの、10番、11番、13番と順調にバーディーを奪う若林に対し、ついていくので精いっぱい。しかし、その粘りがプレーオフにつながった。若林が14番と最終18番をボギーとして、通算15アンダーで並んだのだ。
ツアー初優勝をかけて挑んだプレーオフは、2ホール目で若林がバーディー、野澤がパーとして勝負あり。「プレーオフもレギュラーツアーで初めてだったので、どうなるのかも自分でも分からなかった。とりあえず最後までずっと緊張していました」と、独特の雰囲気に打ち勝てなかったと告白した。

今年に入ってからは18試合で11回も予選落ちしているが、今回の優勝争いでポテンシャルの高さをゴルフファンにアピールするには十分だった。ドライバーの平均飛距離は250ヤードで、女子ツアーでも屈指の“剛腕”。パワフルなスイングは、見る者を引きつける魅力がある。
「優勝争いに食らいつけたところは、今まで自分にはなかったところ。褒めてあげたいなと思います。シードを獲ることや賞金ランキングを上げることよりも、優勝争いを目指して頑張っていきたい」
この気持ちを忘れなければ、初優勝を見られる日は近いはずだ。