「初優勝した瞬間から早く2勝目がしたかった」
2000年度生まれ“プラチナ世代”の21歳・吉田優利が、岡山絵里をプレーオフで破り、今年7月の楽天スーパーレディースに続いて2勝目を挙げた。
吉田は前半に4つスコアを伸ばし、後半も12番バーディーのあと、14番から3連続バーディーを奪って一気にトップに浮上。最終18番をボギーとしたものの、通算14アンダーで並んだ岡山絵里とのプレーオフに進出した。
勝負が決したのは2ホール目。岡山がボギーを喫したのに対し、吉田はパーをセーブして勝利した。「憧れのスイング」と慕う岡山とのプレーオフでは「私にとっては勝っても負けても勉強になるプレーオフだと思っていました」と、学びながらいいプレーをすることを心掛けていたと明かした。
その謙虚な気持ちが、緊張感のあるプレーオフでの勝利に結びついたのかもしれない。
ツアー2勝目を手にし、「初優勝した瞬間から早く2勝目がしたいという気持ちがいっぱいで、やっぱり勝つというのはアスリートにとって1番の快感。味わうことができてホッとしています」と、笑顔がはじけた。
7月末の大会での初優勝から、約1か月後に手にした2勝目。だが、多くのプロゴルファーが、初優勝してから2勝目を挙げるまでが難しいと口にする。
実際、初優勝してから2勝目をなかなか手にできない選手も多く、記憶にある選手では、葭葉ルミ、香妻琴乃、藤本麻子、木戸愛、金田久美子、斉藤愛璃などがそうだ。
早々に2勝目を挙げることができた要因について吉田はこう振り返った。
「トップとの差が開いていたので、そこが一番難しいなと思いました。自分も初日69、2日目68でラウンドしてスコアは良かったんですけれど、その上を行く選手がたくさんいて、その中で最終日を迎えました。スコアを出した人が勝つのは当たり前の理屈なのですが、とにかく1回優勝した記憶やうれしい気持ちによって、目の前のボールに対しておろそかにならないように、いつもと変わらないように意識してラウンドしました」
はやる気持ちを抑え、ただひたすら目の前の1打に集中できたことが勝因だったのだろう。2勝目を手にした吉田は次の目標について力強くこう語った。
「あと3か月くらいしかシーズンがないので、もちろん3勝目を目指していきたいです。しいていうなら、年間で2勝、3勝とできるような安定感のある選手になれるように練習していきたい」
次戦はメジャーの日本女子プロゴルフ選手権コニカミノルタ杯。大舞台での勝利を目指す。