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- 「ミスショットしたクラブで絶対に打つと決めていた」 貫き通した永野竜太郎の意地【パナソニックオープン最終日情報】
パナソニックオープン最終日、優勝争いはアマチュアの中島啓太と永野竜太郎によるプレーオフにもつれ込む。プレーオフ1ホール目、ボギーを叩いた永野に対し、中島がパーセーブして勝負は決着。永野は5度目の最終日最終組のチャンスを生かし切れなかった。
最悪の目玉になった18番パー3 気合いのボギーでプレーオフに持ち込む
◆国内男子プロゴルフ<パナソニックオープン 9月23~26日 城陽カントリー倶楽部(京都府) 6967ヤード・パー72>
もしもゴルフの神様がいるのなら、この男にどれだけの試練を与えれば気が済むのだろうか。これまで4度あった最終日最終組でのラウンド。あと一歩のところで優勝を逃し、何度も奥歯をかんできた。

4年ぶりに訪れた最終日最終組でのラウンドは、悲願でもあるツアー初優勝を意識していないといえばウソになる。しかし、あえてその気持ちを封じ込め、これまでの3日間と同じように自分のゴルフスタイルを全うすることに集中した。
スタートした当初は風も強く、どの選手もなかなかスコアを伸ばせなかった。そんななか、永野は1番パー5できっちりバーディを奪い、幸先のいいスタートを切る。ところが、3番パー4、4番パー3で連続ボギーをたたき一歩後退。首位の座を明け渡したが、真っすぐ前を見続けた。
「バーディチャンスにつけていたし、内容は悪くなかったと思います」と振り返るように、5番から16番までの12ホールでスコアを4つ伸ばす。
この時点でアマチュアの中島啓太と首位タイで並んでいたが、17番パー4でフェアウェイ右サイドのバンカーからバーディチャンスにつけると、それをしっかり沈めて単独首位に躍り出る。
最終18番パー3をパーセーブできれば1打差で逃げ切ることができる。グリーンの真ん中を狙って打てばいい状況だったが、ティーイングエリアでの永野にはどこか落ち着きが感じられなかった。慎重になり過ぎたのか、8番アイアンでのティショットはグリーン右手前のバンカーにつかまる。しかも、ボールが砂の中に埋まり、頭しか見えないド目玉状態だ。
アンプレヤブルを宣言することも考えたが、永野が選択したのはグリーンを狙わず、右横に出すことだった。クラブヘッドを力強く振り下ろすと、ボールは一度バンカーの外へでたものの、無情にも再びバンカー内に転がり落ちた。
それでも永野はあきらめない。3打目をピン左上約3メートルにつけると、それを沈めてボギーでホールアウト。中島とのプレーオフに持ち込んだ。
「ミスショットしたクラブで絶対に打ってやろうと決めていた」
プレーオフ1ホール目の舞台は最終18番だ。先に中島が打ち、ピン右約4メートルにつけたのを見ると、永野はゆっくりと8番アイアンを手にした。

本戦でも同じクラブを選択し、グリーンまで届かなかっただけに、番手を変える方法もあったが、「ミスショットしたクラブで絶対に打ってやろうと決めていた」という。同じ轍を踏みたくない。永野にしてみればプロとしての矜持だろう。ただ、放たれたショットはグリーンまでは届かず、手前の花道に留まった。
アプローチはややボールの手前にある芝をかんだのか、ピン手前約3メートルに止まる。中島がバーディパットを外したため、このパーパットを沈めればまだチャンスは残る。慎重にボールを転がしたが、カップに蹴られてしまった。
「残念ですけど、勝負ですから、仕方がないです。啓太クンがいいショットを放ったことをほめてあげたいです」と、ホールアウト後は潔く負けを認めた永野。
過去アマチュアがツアー優勝を飾った例は4度あるが、プレーオフでの決着は今回が初めてだった。アマチュアに敗れたことを問われると、「そこは何と表現していいのか難しいですね。ここにいればプロ、アマは関係ありません」とだけ答えた。
永野にとってはまたしても悔しい思いが記憶に上書きされたが、「自分が目指した方向性はよかったのかなと思います」と、収穫は少なからずあった。ドライバーショットで曲げないことを意識するよりも、飛ぶことのメリットを生かそうという作戦は間違いなく成功だったからだ。
これまで開催コースの城陽カントリー倶楽部の試合では、合計6ラウンドしていたが一度も60台をマークしたことはなかった。それが、この4日間はすべて60台を並べることができた。もちろん、コースセッティングや天候などの違いはあるが、永野の中でマネジメントの幅が広がった証拠である。
結果的に賞金2000万円を手にし、賞金ランキングも15位にまで上昇した永野。残りは9試合、今回で味わった悔しさを晴らすには十分な試合数だろう。
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