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- 復活Vの渋野日向子「あーじゃこうじゃ言ってた人を見返したい気持ちを片隅に持ちながらやっていた」
渋野日向子がスタンレーレディスでプレーオフの末に逆転で優勝を果たした。2019年11月の大王製紙エリエールレディス以来、686日ぶりの復活優勝。日米通算6勝目を挙げた。
「2019年の自分を超えるのは難しいんじゃないかと思っていた」
優勝の瞬間、渋野日向子の頭の中にはなにがよぎっただろうか――。
「正直、ここ何試合か上位ではあったけど、勝てるとは思っていなくて、本当に、ウソなんじゃないかなと思って、涙が出てしまいました」
顔を両手で覆い、涙を流す姿からさまざまな苦労の末にもぎ取った勝利だったことが見ているこちらからもよく伝わってきた。
最終日。首位と2打差の5位から出た渋野。最初のバーディーが出たのは8番パー5。後半は10番でボギーを叩いたが、11番パー5でお得意のバウンスバックに成功。さらに13、14番で連続バーディー。15番はバンカーからボギーとしたが、16番ではグリーンカラーからの10ヤードを58度ウェッジでチップイン。
首位と1打差で迎えた18番パー5。ピンまで残り95ヤードの第3打を52度のウェッジで1メートルにピタリとつけてバーディー。通算10アンダーで、木村彩子、ペ・ソンウ、佐藤心結(アマ)と並び、勝負はプレーオフへ。
4人で争われたプレーオフは、1ホール目でフェアウェイからの第3打を10センチにつけて“お先”のバーディー。2ホール目も、第3打を1メートルにつけて難なくバーディーを奪うと、佐藤とペ・ソンウがバーディーパットを外して勝負あり。
2019年11月の大王製紙エリエールレディス以来、686日ぶりの復活優勝、日米ツアー通算6勝目を手にした。
「久しぶりのプレーオフでしたし、緊張感のある中での優勝争いも久しぶり。そして、こうして優勝するのも約2年ぶり。本当にプレーオフはすごく緊張したんですけど、最後まで自分らしくプレーできたと思います」と、喜びを語る渋野。
次の言葉からも苦しかった胸の内が見えてくる。
「正直(日米ツアーで5勝した)2019年の自分を超えることは難しいんじゃないかと去年は思っていました。ここ最近の自分なら、2019年の自分を超えられるんじゃないかと、ちょっとずつ自信を持てるようになってきて、やっと優勝争いを何試合かできるようになって、もうすぐなんじゃないかという気持ちもあった。でもそれを抑えて、自分の勝ちたい欲も抑えて、ずっと1打1打に向き合ってやってきたかいがあったかな」
米ツアー参戦を見据えてスイング改造に取り組む日々。試行錯誤を続けるなかで、すぐに結果が出るほどゴルフは甘くない。だが、2019年の全英女子オープン制覇した“メジャーチャンプ”の肩書きから、周囲の一部ゴルフファンや関係者の中からは“負け”が許されないような声も出始めていた。スター選手の宿命とはいえ、渋野にはそうした期待感が大きな重圧になっていた。
スイング改造への取り組みについて、周囲からの“雑音”をどのように感じていたのか。渋野は正直に心境を吐露した。
「(周囲の声は)嫌でも入ってきてしまうので。それでも新しいスイングで勝ったときに、あーじゃこうじゃ言ってた人を見返したい気持ちを片隅におきながらやっていました」
自分がやっていることが間違いでないことを証明するためにも、喉から手が出るほど欲しかった結果を手に入れた渋野。努力は確実に実りつつある。
「自分が置いていかれていると思いたくないけど思ってしまう」
一方で、近年は次々と実力のある選手が台頭し、「うかうかしていると置いていかれる」と感じ始めてもいる。
「女子プロゴルフは世代交代がめちゃくちゃ早い。2年前にレギュラーツアーに出始めたのに、もう(世代が替わってきたと)思ってしまうくらい。自分が置いていかれている感があります。思いたくないけど思ってしまう部分がありました。去年なんて勝ちたいと思ったのは、全米女子 オープンでチャンスがあったときくらいです。本当に弱気だったと思います。それでもいつか勝つことを考えながらスイング改造をしてきたり、いろんな練習に取り組んできて、(優勝も)もうちょっとなんじゃないかって思うことはありました」
プロゴルファーとして、今よりもさらにうまくなりたいという向上心と野心が渋野にはある。さらなる成長を求め、次のステージを“米ツアー”に向ける。11月29日~12月5日に行われる米ツアー最終予選会(Qシリーズ)に向け、弾みとなる復活勝利だった。
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