惜しくも史上8人目のアマチュア優勝は達成できず
明秀学園日立高校3年の佐藤心結(さとう・みゆ)は、最終日を首位からスタートして4バーディー、2ボギーの70でラウンド、通算10アンダーでホールアウトした。
その後行われた渋野日向子、木村彩子、ペ・ソンウとの4人のプレーオフでは、2ホール目に決着がついた。
佐藤の精度の高い第3打目はピンの中段を直撃、ボールはカップから遠ざかってしまった。4メートルのバーディーパットを外すと、渋野がバーディー奪って優勝。国内女子ツアー史上8人目のアマチュア優勝とはならなかった。
あと一歩のところで優勝を逃した佐藤。周囲からのねぎらいに涙がとめどなくあふれ出た。
「プレーオフで負けてしまったしまってすごく悔しいけども、たくさんの有名なプロの方と一緒に、プレーオフができるところまで、この3日間できたことが、自分としては出来すぎなんじゃないかと思います」
アマチュアとして堂々と最終日まで優勝争いを演じた佐藤。その強さの背景にプロ顔負けの“飛距離”にある。
今大会、3日間トータルのドライビングディスタンスは260.000ヤードで堂々の1位。2位渋野(259.667ヤード)、3位穴井詩(256.333)らをも凌駕するパワーは、プロツアーでも十分に戦えることを証明した。
近い将来 ツアーの中心選手になるポテンシャル
中学時代は3年間、陸上部に所属した。「ゴルフに生かす」と始めた種目は砲丸投げで、神奈川県の地区大会で優勝したこともあるほど。幼少期から身体能力が高く、小学生時代はサッカーや野球も経験。中学の陸上部では走り込みも行うので、下半身の強化にもつながった。
次の目標はプロテスト合格。さっそく12日から2次予選が始まるため、すでに気持ちを切り替えている。
「今の状態はいい方なので、このまま12日からの2次予選に向けてしっかり気持ちを切り替えていきたい。まずは2次予選を通過して、最終プロテストまで進み、合格できるように今から準備したいと思います」
女子ゴルフ界に爪痕を残した佐藤。近い将来、プロのトーナメントで“佐藤心結”の名を見る日がきっと訪れるに違いない。