松山英樹がアジア人最多タイの米ツアー8勝目!苦手なコースでの勝利から見えた唯一の課題の克服とは?

ソニーオープン・イン・ハワイ最終日、通算23アンダーでホールアウトした松山英樹は、ラッセル・ヘンリーとのプレーオフに突入。1ホール目でボギーを叩いたヘンリーに対し、松山はイーグルを奪って決着をつけた。

プレーオフのティーショットはあえて5番ウッドに持ち替える

◆米国男子プロゴルフ<ソニーオープン・イン・ハワイ 1月13日~16日 ワイアラエCC(ハワイ州) 7044ヤード・パー70>

 青木功が日本人として史上初の米PGAツアー優勝を飾った1983年のハワイアンオープン。最終18番パー5で3打目を放り込んでの逆転イーグルは、奇跡の1打として今も語り継がれている。それから39年、数多くの日本選手が挑みつつも獲得できなかった優勝トロフィーをついに松山英樹が手にした。しかも、青木と同じ18番でイーグルを奪っての勝利だ。

ソニーオープン・イン・ハワイでアジア人最多タイの8勝目を挙げ、フェデックスカップランキング首位に躍り出た松山英樹 写真:Getty Images

 首位のラッセル・ヘンリーと2打差の2位で迎えた最終日、スコアを3つ伸ばしていた松山だったが、ヘンリーはさらにその上をいく。8番を終えた時点で3打差に広がると、9番パー5では2オンに成功しながら3パットのパーに終わった松山に対し、ヘンリーはイーグルを奪取。一気に5打差をつけられてしまった。ヘンリーの調子と残りホールを考えると、厳しい状況だったが、松山はあきらめなかった。徐々に差を詰め、15番パー4で約5メートルのバーディーパットを沈めると、ついに1打差に迫る。

 そして迎えた最終18番、イーグルが必要だと思った松山は迷うことなくドライバーを手にする。フィニッシュでバランスを崩すほど振りちぎると、ボールは338ヤード先のフェアウェイで止まる。そこから2オンに成功し、2パットのバーディを奪うと、ついに通算23アンダーでヘンリーに追いつく。ヘンリーがバーディを奪えなかったため、勝負はプレーオフへと持ち込まれた。

 プレーオフ1ホール目、舞台は再び18番だ。今度はヘンリーが先にティーショットを放つと、右サイドのフェアウェイバンカーにつかまり、2オンが厳しい状況に。すると、一度はドライバーを手にした松山だが、5番ウッドに持ち替える。リズムよく振り切ると、ボールはフェアウェイ左サイドをキープ。ピンまで残り276ヤードと、2オンを狙える状況で松山は3番ウッドを手にする。軽く右に曲がったボールはピン手前に落ちると、そのまま転がってピン右手前約90センチに止まった。

「カットボールでぴったりの距離でしたし、グリーンも軟らかいと分かっていましたので、完ぺきなショットを打てました」と振り返った松山。逆光のため、ボールの行方が分からなかったものの、ギャラリーの歓声でピンに寄ったことを確信した。

 ヘンリーがボギーパットを沈めた後、ゆっくりとウイニングパットを沈めた松山。昨年10月のZOZOチャンピオンシップ以来の優勝で、K・J・チョイに並ぶアジア人最多のツアー8勝目となった。

究極の1打の陰に隠れたパッティングでの進化

 松山がプレーオフで見せたスーパーショットは、ZOZOチャンピオンシップの最終日、最終18番パー5で見せたセカンドショットを上回ったのではないか。確かにあの1打も素晴らしかった。ピンまで残り241ヤードから5番ウッドで放ったボールがピンの根元に落ちた後、ピン上3メートルに止まったときは、多くのギャラリーとテレビ視聴者が度肝を抜かれた。

 しかし、今回のショットにはプレーオフという緊迫した状況が加わる。しかも、松山は正規の72ホールの中で一度もイーグルを奪っていなかったのだ。にもかかわらず、グリーンの硬さをしっかり計算しながら、カット目に打つことで飛距離をコントロールしたわけだから、まさに究極の1打と言えるだろう。

 ただ、そのショット以上に注目したいのはパッティングだ。ハワイのゴルフコースはグリーンにバミューダ芝を採用することが多く、開催コースのワイアラエCCも例外ではない。日本の高麗芝に近いと言われるが、それ以上に芝目がきついのが特徴でもある。これまで多くの日本選手がその芝目を読み切れずに泣かされてきた。松山もその一人で、同大会でなかなかトップ10に入れなかった理由の一つでもある。

 しかし、今回はパーオンしたホールでの平均パット数が1.642と7位につけていた。どちらかと言えば、オーガスタナショナルGCのようなベントグリーンを得意とする松山が、ワイアラエCCのグリーンを制したことで、また一つ進化を見せたと言ってもいいだろう。

 今回の優勝でフェデックスカップのポイントランキングでは首位に立ち、ワールドランキングでも10位に浮上してきた松山。当然のように満足する気持ちはなく、まだまだ上を目指していく。

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