強行日程だった小祝さくらが日本人最上位　畑岡奈紗は昨年のリベンジならず

　小祝さくらが、メジャーの舞台でもマイペースのゴルフを貫き、日本勢最高の20位タイで全米女子オープンを終えた。

　15人の日本勢が参戦し、5人が決勝ラウンドに進んだ第77回全米女子オープン。よりタフな表情をむき出しにしたパインニードルズロッジ＆GC（ノースカロライナ州）を舞台に行われた5日の最終日は、各選手が悪戦苦闘した。

　そんな中、日本勢で最も踏ん張ったのは、前週、国内ツアー「リゾートトラストレディス」で優勝して現地入りする強行日程で参戦した小祝だった。

　出だしの1番パー5、バーディーと幸先のいいスタートを切るも、4番、9番、11番、13番とボギーが続く。15番ではバーディーパットがカップにけられたが、それでも忍耐強くプレーを続け、16番パー3で7メートルを左カップから沈めてバーディー奪取。2つスコアを落とし、通算3オーバーで長い戦いを終えた。

　24位タイでスタートして、終わってみれば20位タイ。タフなセッティングの全米オープンにはありがちなことだが、スコアを落としても最終的な順位が意外に下がらないどころか上がっていることに驚きを隠さない。

「短いようで長かったんですけど、やっと終わりかという感じ」と苦笑しつつも、改めてメジャーへの意欲を口にする。

「また、リベンジで全英とか全米オープンにチャレンジしていければ、と思っています」。日本からの強行日程を苦にする素振りもなく、メジャーの舞台でも自分を失わない強さを見せた。

　昨年、プレーオフ負けのリベンジをかけて臨んだ畑岡奈紗は、この日も出入りの激しいゴルフを強いられた。フロントナインは３バーディー、１ボギー。通算イーブンパーで折り返したが、バックナインで苦しむことになる。

　10番でダブルボギーを叩くと、11番でもボギー。12番バーディーで息を吹き返した後は、スコアカード通りのプレーを続けたが、17番でまたもやダブルボギーを叩いてしまう。最終18番もボギーとして、3つスコアを落として通算5オーバー。28位タイで大会を終えた。

　難しいセッティングの中、忍耐強くプレーした結果とは言え、4日間で1イーグル、15バーディーを奪いながら、12ボギー、5ダブルボギーでスコアをまとめきれなかった。

「バーディー2つが先行していい流れだったんですけど、後半は風のジャッジミスやグリーン周りでパーセーブできなかった。臨んでいた結果とは程遠かったのは残念です。これだけバーディー取れたのにオーバーパー。メジャーのセッティングでは、拾えるところで拾わなくちゃこういう成績になってしまうんだな。これをいい学びとしていきたい」と反省しきり。待望のメジャー優勝は、またしてもお預けとなった。

　日本ツアーでシーズン5勝の強さを見せている西郷真央は、4つスコアを落として通算8オーバー44位タイ。3日目にアンダーパーを出したアマチュアの馬場咲希も、7つスコアを落として通算9オーバー49位タイに終わった。

　最終日にもっとも苦しんだのは高木優奈だ。日本での最終予選から挑戦し、2日目に3アンダーでプレーして予選を通過したものの、この日は2バーディー、7ボギー、1ダブルボギー、3トリプルボギーで、13オーバー。通算19オーバー69位タイと、メジャーの洗礼を受けた。

　プロとしてプレーを続けている間に、日本ツアーの制度が変わってプロテスト合格のツアーメンバー以外、QTを受けられなくなってしまった。今季は、出られる試合でプレーしつつ、プロテスト合格を目指している高木にとって、苦しいながらもメジャーでの経験は大きな価値のあるもの。これを今後にどう生かすか楽しみだ。

　ディフェンディングチャンピオンの笹生優花は、予選で姿を消している。