「まだこの歳でも“悔しい”と思えるんだなって…」藤田さいきが“涙の2位”でメジャー初挑戦へ

ツアー通算5勝の36歳、藤田さいきの11年ぶりの優勝とはならなかった。宮里藍サントリーレディス最終日を首位から出た藤田だったが、山下美夢有に逆転され通算11アンダーで2位に終わった。

「いいゴルフだったとは言えないけれど…」

◆国内女子プロゴルフ<宮里藍 サントリーレディスオープン 6月9~12日 六甲国際ゴルフ倶楽部 (兵庫県) 6527ヤード・パー72>

 18番パー4の第2打。藤田さいきはバーディーを取るため、果敢にピンを狙った。ピンまで残り120ヤードで選択したクラブはピッチングウェッジ。ボールはグリーン周りの右にある岩に当たって跳ね返り、左側のバンカーに落ちた。あわや池に落ちそうなところを救われた形になったが、ピンチの状況に変わりはない。

最終ホールで決めればプレーオフのパーパットを外し、尻もちをつくほど悔しがった藤田さいき 写真:Getty Images

 3打目のバンカーショットはピン横3メートル。先に12アンダーで上がっていた山下美夢有と並んでいた藤田は、これを入れればプレーオフだった。

「ラインに乗っていたんですが入らなかったですね…」。パーパットを外した瞬間、グリーン上で尻もちをついて悔しさをにじませた。

「あれは本当に気が抜けたんでしょうね。終わったというのもありましたから」

 通算11アンダーの単独2位。ホールアウト後は、酒井美紀や同組で回った稲見萌寧にねぎらわれると、我慢していた涙が止まらなかった。

「(涙の理由は)まだこの歳でも素直に悔しいと思えるんだなって。こんな悔しさを感じることはここ数年なかったので」

 今大会の優勝者と2位の選手にはAIG全英女子オープン出場権が与えられるため、藤田もその対象となったわけだが、「優勝して全英(女子オープン)に行きたかったです」と悔しさをにじませた。

「今日はすごく緊張していました。いいゴルフだったとは言えないけれど、その中でもがんばっていたので全英に行けるのはうれしい」

 緊張はプレーする姿を見ても十分に伝わっていた。前半1バーディーのあと、後半は2バーディー、4ボギー。その中でも17番パー5で山下に追いついたバーディーパットに意地を見た。大会アンバサダーで同学年の宮里藍も「あの17番のバーディーパット入ったときは泣きそうになりました。ガッツポーズもグッと胸にきました」と話す。

 2011年の富士通レディース以来11年ぶりの優勝とはならなかったが、藤田にはプロ人生初の海外メジャー挑戦が待っている。

「夫から全英に行こう!って言われて。じゃあ行こうよって話していたんです。イギリスは行ってみたかった。結婚してから11年が経ちましたが、新婚旅行はまだ行ってなかったから良かった」

 36歳にして今もなおゴルフを楽しみ、真剣勝負の場で戦うモチベーションを失わない藤田には、プロとしての“粋”がある。これで今季3度目の2位。シーズン初優勝はもうすぐだ。

藤田 さいき(ふじた・さいき)

1985年11月22日生まれ、栃木県出身。2006年にプロテスト合格し、同年のプロミスレディスで初優勝。翌07年に同大会を連覇するなど、ツアー通算5勝を挙げている。チェリーゴルフ所属。

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フジサンケイレディスクラシック初日、17番でホールインワンを決めた藤田さいき 写真:大会提供
最終ホールで決めればプレーオフのパーパットを外し、尻もちをつくほど悔しがった藤田さいき 写真:Getty Images
3日目終了後、晴れ晴れとした笑みで報道陣の取材に答える藤田さいき 写真:Getty Images
最終ホールで決めればプレーオフのパーパットを外し、尻もちをつくほど悔しがった藤田さいき 写真:Getty Images

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