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米PGAツアーが予選会からの出場枠を10年ぶり復活 「リブゴルフ」に対し若手有望株を囲い込む策か
米PGAツアーは来年からQスクール(ツアー予選会)から直接、同ツアーに出場できる制度を10年ぶりに復活させるほか、2部ツアーである「コーンフェリーツアー」からPGAツアーへの昇格枠も増枠、新規にDPワールドツアーにも出場枠を付与する。
プロ転向したての選手に直接PGAツアーへの道が開ける
米PGAツアーが「リブゴルフ」へのさらなる対抗策を打ち出してきた。
Qスクール(ツアー予選会)から直接PGAツアーに出場できる制度を10年ぶりに復活させるほか、2部ツアーである「コーンフェリーツアー」からPGAツアーへの昇格枠も増枠、新規にDPワールドツアー(旧・ヨーロピアンツアー)にも出場枠を付与。これらの施策は来年からスタートする。
まず、Qスクールについては2012年を最後に直接PGAツアーに出場できる枠を撤廃し、基本的には2部ツアーを経由しなければ1部に上がれないシステムとなっていた。
これを変更し、23年のQスクール以降は5位以内の選手にPGAツアーへの出場権を付与。今回の制度変更により、12年当時の25名には遠く及ばないものの、プロ転向した選手が下部ツアーを経ずに即PGAツアーに出場する道が再び開けたことになる。
コーンフェリーツアー代表のアレックス・ボールドウィン氏はその意義をこう説明。
「QスクールでPGAツアー昇格のチャンスを再び提供できれば、ファンやメンバー、そして新たにメンバーとなり得る候補者たちにも刺激となるでしょう」
つまりは、若手選手が下部ツアー暮らしを経ずにトップツアーデビューを果たせる仕組みづくりにより、下積みを嫌って有望株が「リブゴルフ」へ流出するのを防ぐ囲い込み策ともとれる。
また、コーンフェリーツアーからの昇格枠は、従来、年間ポイントランキング上位25名に与えられていたが、これを5つ増やして30にする。これも若手選手の下積み期間を短くする制度変更と言える。
さらに、DPワールドツアーツアーからはランキング上位10人がPGAツアー出場権を得られる制度を新設。米・欧両ツアーがより深い提携関係を構築し、リブゴルフに対抗していこうという意図が感じられる。
コーンフェリーツアーについてはシーズン、ポストシーズンの制度変更、賞金額の増額も合わせて発表されている。
PGAツアーが打ち出した矢継ぎ早のリブゴルフ対抗策。Qスクールから1部ツアーに直接進む道が途絶えていた10年は、同ツアーが“我が世の春”を謳歌していた10年とも言える。PGAツアーは誰の疑いようもない、圧倒的な世界最高峰の舞台であった。だから、プロ転向した有望選手が最低1年間の下積みを強いられても文句は出なかった。
それがリブゴルフの登場により一気に風向きは変わった。
“年金リーグ”的な意味合いで参戦を表明した選手だけでなく、ダスティン・ジョンソンら現役バリバリのメジャーチャンピオン、23歳とこれからのマシュー・ウルフ、さらにはアマ世界ランキング2位のエウヘニオ・チャカラといった若手までがリブゴルフを選ぶという事態にまで、短期間のうちに至っている。
おそらく、PGAツアーはかつてないほど焦っているのではないだろうか。その焦りが選手やファンのためになる改革として表れるとすれば、何事も独占より競争原理が働いたほうが良い、という結論になるのだろうが……。
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