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- リブゴルフ第2戦王者の独特ルーティン“一瞬クロスハンド”がスライス防止に効果てきめんな理由
多くのツアープロのコーチとして活躍している石井忍氏が、“ここはスゴイ”と思った選手やプレーを独自の視点で分析します。今回注目したのは、リブゴルフ第2戦の個人戦を制したブランデン・グレースです。
賛否あるリブゴルフだが実は“面白い”理由
男子ゴルフの新リーグ、リブゴルフの第2戦が開催されました。このリーグについてはさまざまな意見がありますが、純粋にゴルフの試合として観ていると、エキサイティングで楽しめる内容でした。面白さの要因のひとつは、個人戦とチーム戦を同時に行うというフォーマットにあります。
例えば、最終日最終ホール。カルロス・オルティス選手が長いバーディーパットを沈め、団体戦の順位が3位タイから単独3位に浮上。すると、グリーン横で見守っていたチームメイトが歓喜していたんです。他のプレーヤーのプレーにここまで喜ぶ姿というのは、個人戦ではなかなか見られませんよね。オルティス選手は、個人戦でも2位に入る活躍を見せました。
個人戦を制したのは、ブランデン・グレース選手です。通算13アンダーで逆転優勝を飾り、賞金400万ドル(約5億4000万円)もの大金を手にしています。
今回はそんなグレース選手がプレー中、興味深い仕草をしていたので紹介したいと思います。3打差の単独トップで迎えた最終ホールは、左サイドに池が広がるパー4。他の選手がフェアウェイウッドやハイブリッドでレイアップする中、グレース選手はドライバーを選択し、フェードボールでフェアウェイをキープしました。
続くセカンドショットは、左サイドの池が食い込んだ池越えのシチュエーション。パーオンすれば、3パットでも“400万ドル”を手にすることができます。この大事な場面で、グレース選手は、体の前でクラブを地面と平行にし、一度クロスハンドでクラブを握ってから順手に握り直してアドレス、素振りをしました。彼はなぜ、一瞬クロスハンドで握ったのでしょうか。
右打ちのプレーヤーが順手でクラブを握ると、両手の関係は左手が手前(グリップエンド側)、右手が奥(ヘッド側)になります。手元と肩の動きは連動しやすいため、右手が前に出れば、右肩も前に出やすくなります。つまり、体が開いたアドレスになりやすいのです。
体が開いたままスイングすれば、アウトサイド・イン軌道になり、球がつかまりづらくなります。グレース選手は一度、「左手が奥、右手が手前」のクロスハンドで握ることで、肩の開きを抑え、しっかり球をつかまえようとしたわけです。このショットでグレース選手はパーオンに成功し、2パットで優勝をつかみ取りました。
ルーティンはテクニカルな要素のチェックにも有効
スライスで悩んでいる人は、グレース選手のこの仕草をルーティンとして取り入れてみてはいかがでしょうか。
ルーティンには、「いつも同じ動きをすることで気持ちを安定させる」という効果もありますが、テクニカルな要素のチェックにも使うことができます。右サイドにハザードがあるシチュエーションでも、球をつかまえやすくなるはずです。
ブランデン・グレース
1988年生まれ、南アフリカ出身。2006年の「南アフリカアマチュア選手権」で優勝し、翌年プロ転向。12年の欧州ツアーでプロ初勝利を挙げ、16年にはPGAツアーでも勝利。今年は、新リーグのリブゴルフに参戦し、シリーズ第2戦で通算13アンダーをマークして優勝。賞金400万ドルを獲得した。PGAツアー2勝、欧州ツアー9勝、リブゴルフ1勝。
【解説】石井 忍(いしい・しのぶ)
1974年生まれ、千葉県出身。日本大学ゴルフ部を経て1998年プロ転向。その後、コーチとして手腕を発揮し、多くの男女ツアープロを指導。「エースゴルフクラブ」を主宰し、アマチュアにもレッスンを行う。
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