“グッドルーザー”マキロイが見せた聖地への想いとタイガーを継ぐ覚悟 | e!Golf(イーゴルフ)|総合ゴルフ情報サイト

“グッドルーザー”マキロイが見せた聖地への想いとタイガーを継ぐ覚悟

第150回の記念大会として聖地セントアンドリュースで行われた全英オープン。首位タイで出たローリー・マキロイはスコアを思うように伸ばせず、8年ぶりのメジャー制覇には届かなかった。しかし、“グッドルーザー”としての姿をギャラリーは讃えた。

CBSは放送でタイガーとマキロイを重ね合わせた

 2014年の全英オープン1勝を含むメジャー4勝ながら、同年の全米プロ制覇以来、メジャー優勝から遠ざかっているローリー・マキロイは、今年の全英オープン最終日を首位タイで迎え、8年ぶりのメジャー優勝に迫っていた。

並々ならぬ意欲をもって臨んだマキロイだったが、あと一歩及ばなかった 写真:Getty Images

“ゴルフの聖地”セントアンドリュースが舞台となった今年の全英オープンは150周年を迎えており、そんな歴史的な大会で勝利を収める選手は「マキロイに違いない」「今度こそ、マキロイが勝つ」と、多くのゴルフファンが期待していた。

 通算16アンダーでスタートしたマキロイが5番と10番でバーディーを奪うと、米国向けのテレビ中継局CBSは、王者タイガー・ウッズとマキロイ、それぞれの幼少期を振り返る映像を流し始めた。

 2歳半のウッズが小さなゴルフバッグを背負って米国の人気TV番組「マイク・ダグラス・ショー」に登場し、力強いショットを披露したシーンが紹介されると、続いて映し出されたのは、9歳のマキロイが英国のテレビ番組に登場し、スタジオに用意された洗濯機の中へ上手にボールを“チップイン”させたシーンだった。

 その対比は、セントアンドリュースが舞台となる全英オープンに挑むのは「今回がラストチャンスだ」と涙を流し、2日間で聖地から去っていったウッズに代わって、これからはマキロイが「ポスト・ウッズ時代」の担い手となる未来を示唆しているかのようだった。

 00年と05年にセントアンドリュースで勝利を挙げたウッズがゴルフ界の永遠の王者なら、マキロイは今年のセントアンドリュースでメジャー5勝目を飾り、次なる王座を引き継ぐのではないか。ゴルフの神様は、そんな筋書きでマキロイの運命を定めているのではないか。

 最終日の途中までは、そう思える展開だった。

ショットは完璧だったが全ホール2パットと決め切れなかった

 マキロイはすでにメジャー4勝を挙げているが、14年の全米プロ優勝以降、この8年間はメジャー大会では惜敗続きだ。

 今年だけを見ても、マスターズでは2位となり、全米プロでは8位、全米オープンでは5位タイ。

 そして全英オープンでは、初日を単独2位で好発進し、2日目は3位タイ、3日目は首位タイへ浮上。最終日も単独首位に立ち、「勝利への扉をノックし続けてきた」。

 最終日は18ホールすべてでグリーンをとらえ、パーオン率100%の完璧なショットを披露。そして、すべてのグリーンを2パットで収めたが、マキロイの合計36パットは、アグレッシブなパッティングで次々にバーディーを奪って勝利したキャメロン・スミスの29パットとは、あまりにも大きな差となった。

 マキロイがレギュレーションで一度もグリーンを外さなかったのに対し、スミスは一度だけ、17番でグリーンを外したが、見事な寄せワンでパーを拾った。

 スミスは1パットで沈めること6回。しかし、最終日のマキロイはただの一度も1パットで沈められず、「2パット×18ホール」で合計36パット。その差が2人の勝敗と運命を分ける結果になった。

鳴りやまなかった18番での「ローリー」コール

 マキロイには聖地セントアンドリュースに対する特別な想いがある。

 14年に全英オープン初制覇を成し遂げたマキロイは、翌年、ディフェンディングチャンピオンとしてセントアンドリュースでの全英オープンに臨むはずだったが、大会直前に友人たちとサッカーに興じていて足を痛め、聖地で開かれた15年大会は欠場せざるを得なくなった。

 だからこそ、今年は聖地での勝利に意欲を燃やし、8年ぶりのメジャー優勝への想いを強めていた。

 その一方で、心を乱される出来事も続いていた。新ツアー「リブゴルフ」の創設を巡り、ゴルフ界が大きく揺れ動く中、マキロイは率先したPGAツアーに忠誠を誓い、選手会を率いる筆頭選手として、強い責任感を抱き、リーダーシップを取っていた。

 それが精神的にも物理的にもマキロイの負担になっていた面はあったはずである。

 そうした複雑な想いが交錯していたせいか、6月の全米オープンの際のマキロイには、バンカーの中でクラブを叩きつけたりして怒りや焦りを剥き出しにする場面も見られた。

 だが、セントアンドリュースでは感情の起伏を抑え込み、勝利を目指して静かに戦い続けた。そして、完璧と言えるショットを披露し続けたマキロイの姿からは、努力と忍耐、強い精神力が感じられ、だからこそ、ゴルフファンの多くが彼を応援していたのだと思う。

 しかし、スミスのアグレシッブで正確なパッティングと、そこから生み出された64というスコアは、あまりにも見事だった。

 72ホール目の18番。先に通算20アンダーでホールアウトしたスミスに並ぶためには、マキロイはイーグルを奪う以外に道はなく、フェアウェイからの第2打が“チップイン”しなかった瞬間、マキロイの敗北が決まった。

 それでも大観衆は「ローリー、ローリー」を連呼してマキロイの健闘を讃え、マキロイも頷きながら拍手と声援に応えた。

 そして、潔く自身の敗北を認め、スミスの勝利を心から讃えた。

「とても残念だ。僕のゴルフの何かが悪かったわけではない。ただ、パットが入らず、バーディーが奪えず、僕より素晴らしいプレーをした選手に打ち負かされた。64で回ったスミスに脱帽だ」

 そんなマキロイは敗者ながら格好良く感じられた。そう、彼は負けても素敵だった。

 今回は聖地で勝つことはできなかったが、マキロイこそはウッズに続くゴルフ界のリーダーにふさわしい。きっと誰もがそう思ったのではないだろうか。

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